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海上労働調査報告 第7集(労働科学研究所報告) 運輸省船員局 昭和32年2月
(海上労働科学研究会資料 第1号 海上労働科学研究会)
第1篇 船員の疾病、災害に関する調査研究報告
船員の傷病と衛生管理の実態について
西部徹一 海労調報(7)1〜48(1957)
傷病による下船療養者の数は船員の労働の生産性について考える時容易ならぬ数である。そこで1951〜1954に至る4ケ年間の傷病のための下船療養者についてその実態ついて調査を行い、明らかにするとともに、労働の損失、衛生管理機構の現状、船員に対する医療機関の現状等を多くの資料から分析し、最後に船医についてその学歴、海上実歴等を述べ、船内医療制度に関する船長、船医の意見を類別した。その結果船員の傷病と衛生管理について多くの実態を明らかにすることができた。
第2篇 船内栄養に関する調査研究報告
船員の摂取栄養に関する調査資料
(1)船員の摂取栄養量について
西部徹一 海労調報(7)50〜58(1957)
1953〜54年の間に、主要航路について(内航期間5隻、外航期間8隻)調査表により栄養摂取状況を調査した結果の抄出。
@米麦の摂取量−10隻平均630g(仕込量)
A摂取栄養量の平均−仕込量から3,450カロリー、蛋白138g、動蛋61g、脂肪52g、Ca 596mg、VA 6,280IU、VB1 2.09mg、VB2 1.45mg、VC 146mg
B食残量−a.主食、内航期間2隻例から平均10%とみる。b.副食、調査困難だが、20%ぐらいとみられる。
C自費補食品の摂取栄養量−さらに別の7隻、熱量の2〜10%をしめるが、ビタミン補給量は少ない。
(2)船員食の問題点について
西部徹一 海労調報(7)60〜74(1957)
新たな資料を加えて問題整理したもの。
@船員の栄養疾患−1955年の船員傷病統計から。
A栄養保持状態−停泊中の外航船10隻、内航船4隻、450名と陸上社員の尿中窒素とビタミン濃度からみた保持状態。a.通信士、機関部に食欲減退。b.VB1は船別差大であるが一般に不足。c.VCは大体良好なのは内地停泊中のためか。
B航海の経過による摂取栄養量の変化−a.動蛋がかなり低下。b.VAは航路事情により著しいものあり。c.VB1よりVB2の方が低下傾向大。d.VCはペルシャ、印パ航路に低下顕著。
C船員の食欲−1953年9〜12月外航船8隻に喫食量調査表。a.ペルシャ航路では航海経過による低下顕著。ニューヨーク航路では内地を出た直後に食欲不振。b.職種別では司厨部はさかんだが、機関部とメスルーム不振。
D栄養価計算値と分析値の差−一般には15%計算値の方が高いが船ではどうかをみる。1954年7〜8月、停泊中外航路3隻の1日分現物を分析。a.熱量18%計算値大。b.ビタミンとくに計算値大−貯蔵米の影響とみられ、尿検査結果と符号。
E野菜の廃棄率−1953年9月、外航船3隻に調査表。a.各週ごとの経過変動。b.航路別、期間別の平均廃棄率(庫出量−仕込量)を出す。
第3篇 船内居住設備に関する調査研究報告
(1)船員の居住環境について
西部徹一 海労調報(7)76〜85(1957)
昭和27年、船員局において船員設備協議会が設けられ、以来討議が重ねられてきた。この時にあたって、われわれが従来実施してきた、調査の結果に基いて、日本船における居住環境の実態と問題点とを、船員室の大きさ、船室の空気と換気、船室の温度、船室の照度と紫外線、船内の騒音などについてまとめてみた。結論として、船員の居住室は狭く、適切な換気装置を欠いているために空気が汚染されやすく特に雑居室はそれが著しいこと、夏季における船室の蒸暑感も換気不良に原因するところが多いこと、構造上からは防熱、防音、照明に関する改善が必要なこと、などが挙げられる。船員にとって船は作業場であるのみならず、憩いの場であることを忘れてはならない。
(2)船内の色彩調節について
大島正光 海労調報(7)87〜96(1957)
船舶においては船員の精神衛生の向上、災害事故の防止、疲労の軽減などの観点から、色彩調節の効用に期待すべきところが大きい。そこで海上労働の特殊な条件に制約されている船舶に対して色彩調節を適用する場合、その計画立案の合理化を次のような点から検討した。
1.色彩調節を行う上で考慮すべき要因の分析一覧表を作成し、環境条件、作業条件等の分析を行って、選色の際に考慮すべき諸条件を明確に把握した。2.色彩調節の効果を視覚疲労軽減、ふん囲気の効果、災害防止、生理学的効果の4つに分けて、種々条件の異なる多くの区画を合理的な塗色グループに分類した。3.塗色の三属性を選択するための基準表を作成した。これらの検討の末、船内色彩計面を立案した。
(3)船内色彩調節の効果について
千原義男 海労調報(7)97〜146(1957)
我々の行なった船内色彩調節の研究結果を、練習船大成丸に実施し、その効果について、主観、情意生活、自覚症状、色の嗜好、ふん囲気、照度などの面から検討した他、塗色、塗料の質、標識などについての検討を加え、あわせて各区画の配色に対する検討を行なった上で、色彩調節計画の改善案をまとめた。
結果として、船舶における色彩調節の効果を明確に把握することはできなかったが、それの果す役割には大きな期待を抱ける。色彩調節は他の環境条件と共に考えるべきものであって、悪い他の環境条件をごまかすものではなく、その場の環境をより向上させるものである。従って、他の環境条件が良くなる程、色彩調節の効果は一層大きくなるであろう。
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