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海上労働調査報告 第9集(労働科学研究所報告) 運輸省船員局 昭和33年12月
(海上労働科学研究会資料 第3号 海上労働科学研究会)
第1篇 船内における人間関係に関する調査研究報告
船内人間関係とモラールの研究
大須賀哲夫 海労調報(9)2〜68(1958)
海上労働は船という一般から隔絶された拘禁性のつよい環境の中で、私生活の場をも含めて移動しつづけるという非常に特殊な形をとっており、安全と運航能率のために船内の人の和も強く要求される性質をもっている。かかる船内人間関係の重要性にかんがみ、まずその実態を、実証的な形で明らかにしようとした。調査時期と対象は、1957年に5隻の乗船調査、海技専門学院の学生約300名である。方法は、ソシオメトリー、意見調査表、労研式「情意生活しらべ」、自覚症候しらべ、パーソナリティ・インヴントリー(人格目録検査法)などの質問紙法によった。
結果を要約すると、(1)職部間のモラール水準には差がみとめられない。(2)海上実在に伴うモラールは凸状の曲線をえがく。(3)職員にはパーソナリティとモラールの間に一定の関係が考えられる。(4)船内の垂直的人間関係におけるモラール溝造として、職員と普員に大別すると特に職長級の線で断層がある。(5)水平的な人間関係におけるモラール構造としては、各パート間の逆相関的傾向がみられる。(6)モラール得点とソシオメトリーにおける集団内の指名率は逆相関。(7)パーソナリティ気質にも内向的、消極的、非社交的色彩が強い。(8)パーソナリティの積極性についてみると、各集団のリーダーと部下間には正の相関あり、職員層と普員層には負の相関がみられる。(9)職長の一部にはモラールの水準や意識溝造にかなり問題のある一群の人々がみられる。
以上のように船内人間関係を新しいこころみとして実証的に把握しようとしたわけであるが、今後船内労働条件とパーソナリティ、モラールの具体的な結びつきをさらに明らかにしていく必要がある。
第2篇 船員設備に関する調査研究報告
(1)船内安全標識について
千原義男 海労調報(9)75〜105(1958)
船員の災害防止対策として、安全標識を船舶に適用する場合について、船舶における特殊な事情を考慮に入れながら、実験的な研究を基礎に検討した。また、練習船大成丸にその一端を適用し、その効果の検討を行っている。すなわち、船員の災害の実態を分析しながら、標識に関する実験的研究、人間の視覚動作研究などの原則に基づいて、船舶に具体的に安全標識を適用する方法や問題点を検討し、標識適用一覧表を安全色彩と配管識別にわけてつくりあげた。
(2)船内における騒音について
神田 寛 海労調報(9)107〜147(1958)
船舶の騒音につき、大型船6隻、小型船1隻の実態を分析し、防音のための一方法を実施し、その効果を理論計算により検討した。また、聴力障害の自覚症状について海上保安庁小汽艇乗組員74名に質問紙による調査を実施した他、同小汽艇乗組員の聴力判定を行なって、併せて検討した。
これらの結果をまとめると次のとおりである。@機関室の騒音は100〜115ホンにも達し、その主勢力は100〜1000c/sの低周波音である。A船員の聴力については、機関部員に高音域聴力損失がみられた。B機関室に快適な防音冷房の監視室を設ける必要がある。
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