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財団法人海上労働科学研究所
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研究調査の概要昭和44年度1.新技術が漁業労働に及ぼす影響に関する研究
担当者 小石泰道,服部 昭,山岡靖治
新技術漁業労働影響調査報告書,1〜97(70.3)
前年の以西底曳網漁業に続いて,44年度はまき網漁業を対象とし,八戸が選ばれた。ほぼ前年と同様の調査項目について,2そうまき船,1そうまき船各1隻の乗船調査を実施した。
(1)両タイプは漁法上の相異はあるが,装備上の相異はない。
(2)同一規模の網に対し,2そうまきでは69名,1そうまきでは41名で操業される。そこで乗組員1人あたりの労働負担をエネルギー代謝率でみると,投網工程では縫合がないlそうまきが低いが,網締工程では2そうまきに起きる待ち時間がないので1そうまきの方がきつい。作業実態に即した真の省力化機器の開発が望せれる。
2.海技従事者の視力検査基準に関する研究
担当者 神田 寛,小原武文
海技従事者の視力に関する研究中間報告書 1〜82(70.3)
(イ)千葉市における小型船舶操縦士,横浜の甲種1,2等,乙長受験者を対象とする調査。
(ロ)視力と作業能力に関する実船実験
遠距離物標観測作業,恒星観測作業の遂行と近視の程度の関係は視力0.6,・レーダー看視作業,パネル計器看視作業では0.5以上あれば特に大きな支障がない。
(ハ)視力と生活行動に関する実船実験
階段上昇を選び近視の程度と行動の支障の関係を検討,腰部での動線をみると視力0.6と0.1の場合の動作の差は認められず,動作にためらいがなかった。
(ニ)夜間における船舶灯の視認力に関する実験的検討では,白・紅灯の組合わされた灯火パターンT群と,録灯の組合わされた灯火パターンU群を種々の大気状態で0.5浬,1浬,1.5浬から見た場合の視認力実験を実施した。
両眼視力が0.1以上あることがのぞましい。
3.冷凍作業が生体に及ぼす影響に関する研究
担当者 久我正男,岩崎繁野,古沢 剛,山口理子
低湿環境労働科学的調査報告書1〜83(45.3)
遠洋漁船において−40℃前後の冷凍作業に従事する作業員の,生体に及ぼす影響について44年度には陸上冷凍庫において基礎的調査を行った。その結果寒冷の影響は日を追ってある程度の慣れはあるが,尿,血液,血圧その他全体的に現われることが認められた。
4.船舶用防火服に関する研究
担当者 神田 寛,小原武文
前年度の予備実験につづいて,労研,船舶技研,東京都消防科研,倉本産業の協力を得て実施した。船舶用防火服としてA服(重装),B服(軽装)を試作し,船研火災試験炉の前面で実効輻射温度160℃,110℃,70℃,0℃気温20℃の環境に暴露させ,負荷作業を与えて生体負担について比較実験した。その他A,B服の着脱動作等の比較検討をして,船舶用防火服としての適否について貴重な検討資料を得た。
10分間連続のステップテスト(15cm段を毎分25回上下 R.M.R.5前後)で,各温熱条件に暴露した場合のA,B服の比較では,ERT70〜110℃を中心として,これ以下ではB服,以上では重いが熱遮断の効果のあるA服が生理学的実験ではよいといえるが,しかし実験におけるB服の場合生体負担としてそれ程過酷な状態とは考えられないこと,A,B服の着脱時間の比較や活動の容易さなどから考えれば,この温熱と作業条件のもとではB服が総合的にすぐれており,十分であると考えられた。
5.船員の健康管理方式に関する研究
担当者 久我正男,岩崎繁野,古沢 剛
生理値検査結果を中心とした海上保安庁船艇乗組員の健康管理に関する夏期調査
1〜110(69.12)
前年度施行した冬期調査に対応した夏期調査を行なった。調査船は2,800トン「いず」,900トン「あしたか」を対照としてその乗組員それぞれ55名,17名を調査した。
調査項目は体格から栄養を,血液,尿の生化学検査から航海の影響を推測した。結果は大型船では意外に恢復が早く,7日後には大部分のものに恢復値が認められた。特に血色素量,血球数では著明であった。これは前年度に行なった冬期の調査に比べて,冬期の恢後より夏期の恢復値の良好なことが考えられるが,この点では今回の大型船は全船冷房船で環境が良かったためと考えられる。
小型船では変化が少く疲労の恢復が認められないばかりでなく蓄積が考えられる。
6.まき網漁船々員の需給と老令化に関する研究
担当者 久我正男,岩崎繁野,篠原陽一,玉井克輔
まきあみ漁船々員の労働の実態に関する調査報告1〜107(70.3)
健康診断は千葉県大原町のまき網漁船乗組員を対象として行った。その結果は一般的にみて貧血の傾向が大きく,蓄積疲労が原因とみられる糖尿が多くみられた。年令別にみると30才代より40才代に健康者が多くみられた。
茨城県波崎町のまきあみ漁船々員は,その漁業の経済的,技術的な構造変化にともなって,その平均年令はむしろ低下する傾向さえみられるが,トン数階層別によって若年化と老年化の両極分化をとげていることがあきらかとなった。
7.高度な技術革新の進展にともなう職業適応と労務管理に関する研究
担当者 篠原陽一,藤島良雄,神田道子,山岡靖治,大木修次,岸田孝彌
高度な技術革新の進展にともなう職業適応と労務管理に関する調査研究報告書
1〜238(70.3)
専用船,コンテナ船,Mo船の就航と,今後の高度自動化と船員職務の再編成の見通しのなかで,1)船員の技術革新にたいする態度調査,2)技術革新に及ぼす船員の意識調査,3)技術革新に取組む経営調査,4)コンテナ船職場適応の乗船調査を実施した。船員は技術革新の理念に好意的であるが,技術革新の結果に否定的である。船員の職業意識は否定的であり,生活意識は陸上と一致している。海運経営は,今後の技術革新と伝統的な船員労務管理との矛盾に当面している。船員の船舶への拘束性の増大にともない,就労体制と休暇体制に転換がもとめられている。今後の高度な技術革新は,船員の経営帰属の強さにより円満に導入されようが,海運経営が船員の生活要求にそくした労務管理を実施するかどうかにより,その結果が決められる。
8.船舶の自動化の進展に伴なう船員労務管理システムに関する研究
担当者 西部徹一・篠原陽一,神田道子,大木修次
東京商船大学布藤教授を研究代表者とする文部省科学研究補助金による,総合研究に参加した。
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