HOME> ツーリング> 第一回南会津サイクルトレイン 2日目-Part 1

  第一回南会津サイクルトレイン 2日目-Part 1

2002.09.29


観音沼への坂を上る[直]

日時 2002年09月29日
場所 針生〜観音沼〜猿楽台〜湯野上温泉〜(トロッコ列車)〜会津田島〜(会津サイクルトレイン)〜業平橋〜錦糸町〜(輪行)〜杉並
総走行距離 60.64km
総走行時間 3時間58分13
平均時速 15.3km/h
[直]自転車 トレンクル(実験機)
[み]自転車 トレンクル(弐号機)
備考 南会津情報 Webを参照

1日目 Part 1  1日目 Part 2  2日目 Part 1  2日目 Part 2 

▼  AM 6:00

[直]は、目覚まし時計に起こされる直前に目が覚めた。
昨夜は気持ちよく寝られたので寝覚めもいい。
暖かい室内に結露した窓。

ちょっと時計を見て、隣のベッドの[み]を揺り起こすと、こちらも 気分爽快といったふうにぱっちりと目を開け、 すぐに起き上がって身支度を始めた。
出発に必要な準備の殆どは、昨夜のうちに終わっているので、慌てる必要はない。

だが[み]が洗面所で歯を磨きながら窓越しに外を見ると、南会津の高地はまだ 朝のシャワーを浴びている最中だった。
一瞬固まって、気を取り直して顔を洗い、部屋に戻っておもむろにカーテンを開ける。

窓の外は赤松林の斜面で、木の肌はテラコッタの鮮やかな色を発し、緑の下草と、くろぐろと濡れた土とで、 見事な3色の配列を作っていた。
昨日の夕焼けにすっかり気を許して、まさかこの後に及んで雨が降るとは思っていなかった。
急いでフロントバッグの中身を全て取り出して、中は雨具だけ残して荷造りし直し、 残りの荷物は全てサポートカーに預けることにする。

再び外を見ると、雨足が弱くなって霧雨になっていた、この状態なら何とか雨具なしで走れそうなのだが...。
朝の高原

朝食の時間は7:00。
階下に下りて、ダイニングに行く前に[み]はちょっとお散歩。
玄関から少し離れたら、写真の通りの素晴らしい高原の朝

戻ってダイニングに入ると、すでにテーブルには朝食がセッティングされている。
オレンジジュース、バターロールと食パン、自家製ベーコンのソテー、ベークドエッグ、サラダ、コーヒー。
あとスープも付いていたかも?
これがまた美味しそうなので、写真を撮るのも忘れてついパクパク。
量も立派で、いつも朝から食欲旺盛な[み]ですら食べるのがやっと、[直]は当然食べきれない。
残ったバターロールを1つ、ナプキンで包んで部屋に持ち帰った。

それから荷物を持って階下へ、ペンションのご主人に宅配便の箱を預け、外に出る。
出発を待つ 少し食後の休憩をしたいところだが、時間の余裕が無い。
[直]は大急ぎで自転車置場に行き、トレンクルを引き出して空気を入れ直す。

[写真]
準備を整え、出発を待つ一同

[み]は庭先の水道を借りて、冷たい水(これがまた美味しいんだ!)を水筒に詰める。
昨日のアクエリアスの残りを片方にまとめると水筒の約半分、そこに水を足して 水エリアスと水のボトルが出来た。
そうして準備を進める間にもすっかり雨は上がり、気が付けば僅かに青空さえ見えているではないか!

▼ 針生〜田島〜養鱒公園(ようそんこうえん)? AM 8:00

木林森(もくもくもっく)に宿泊した一行はペンションの前に勢揃い、これから出発...したいのだが、 国道への出口でしばしストップ。
他のペンションのグループとの合流で10分ほど待った後、ようやく全員揃ってスタート。
これから養鱒公園に向かう。

鱒といえば、その昔、車で富士五湖めぐりをした時に、巨大な虹鱒の養魚場を見たっけ。
体長70cm以上、身が紅色に染まり、牡の鼻面は鮭のようなカマを持ち、そのデカい目玉に睨まれたら、 人間の尊厳なんか簡単にかなぐり捨てて、とっとと逃げ出してしまうんじゃないかと思えるほどの 迫力があった。
そういえば養殖鱒には寄生虫がいないそうで、そこで出たランチセットにも刺身があった。
絞めてすぐの虹鱒はコリコリと歯応えがあり、ワサビ醤油がよく合っていた。
前夜のヤマメの刺身は、それより少し薄造りだったかな。

あれこれ思い巡らしながら、国道289号線の長くゆるやかな下り坂を走る。
前方の山合いには、低く垂れ込めた雲の合間に青空が見えた。
ゆるやかな上りを過ぎると身体も暖まったので、少し速度を上げる[み]。
下り基調だからすぐに30km/hを超える、前日の疲れは取れているようだ。

[写真上]
針生から田島までは、のどかな風景の中をゆるやかに続く下り坂

[写真下]
田島の町に近付いてきた。遠くに教会のような南会津病院の屋根が見える。
田島への道を走る

町に近付くと国道の端に縁石で区切った歩道が敷設されていて、スタッフからそちらに入るよう指示される。

しかし、歩道に入った[み]はすぐ目の前に、コンクリートの小さな継目を発見。
嫌な予感がして速度を落とすと、案の定、継目を通過した衝撃でボトルケージから保温水筒が跳ね上がって 落下、しぶしぶ止まる。
直前の徐行が効いてか、スムーズに避けていく後続。
すぐに[直]が止まり、最後尾の和田さんも止まって声をかけてくれた。
ボトルはコンクリートの上で何度か弾んだが、ダメージは樹脂の飲み口付近が少し削れ、グリップのラバーが切れただけだ。
それにしても、このところ水筒は受難続き[1]だなあ。

大丈夫だと思います。

[直]と和田さんに言って、[み]はすぐに走り出す。
しかしおかしい、あの程度の段差でボトルが飛び出すことは無いはずだ。

ねえ、歩道より車道の方が路面がいいみたいだよ。

[直]が[み]を促して、車道に誘導する。
少し先で脇道に入って進むと、前方に遠く教会のような南会津病院の建物が見え、先行していたメンバーが止まっていた。
その向こうは砂利道の農道で、たぶんトレンクルでも行けなくはないと思うが、時間がかかるし泥跳ねが凄そうだ。
当初、ここはMTBとロード中心のグループに分かれる案もあったのだが、どうやら全員で舗装路に迂回することになったらしい。
左折してしばらくは南会津病院が右手に見えていたが、農道はぐるりと大きく右に巻いて視界を遮った。

[み]は信号のある十字路を左折して石塚夫妻を追い越し、「田島ダム」と書かれた看板を見ながら、 先行するおのさん達の後を追った。

ダム湖経由の迂回路(!?)へ向かうのかなと思っていた[み]は、やがて現れたゆるやかな上り坂にも何の疑念も抱かなかったが、 ふと、すぐ後ろを走っていた[直]の姿が遠のいて行くのが気掛かりになった。
カーブを曲がってしばらくすると、バックミラーに小さく石塚夫妻の姿はあっても、[直]の姿が全く見えなくなったのだ。
いや、ようやく見えたと思ったら様子がおかしい、その場に止まったではないか。

[み]が速度を緩めると、ちょうどにちさんが振り返り、その先でおのさんも止まった。
田島ダムに向かう17人 み:ねえ! 後ろが来ないんですけど。

おのさんがUターンして戻ってくる。

おの:何かあったんですかね?
もしかして道が違うんじゃないですか?

そこで[み]もGPSの表示を見て気付いた。
この日の走行予定のルート情報を表示するのを、すっかり忘れていたのだ。

写真左
[上]田島ダムへ向かっているおのさんたち

[中]先行グループを追うにちさん

[下]急いで戻って[直]と合流するおのさん、石塚さん

ありゃ、しまった!

大急ぎでルート情報を呼び出すと、確かに田島駅方面への分岐はもっと手前にある、このままでは離れる一方だ。
ううむ、GPS持ちが3人も揃ってルートミスかい...(笑)
にちさんがBD-1の向きを変える。

先に行った人たちを呼び戻してきますね!
うわー、みんなどこまで行っちゃったのかな.....。

軽やかにダンシングで走り去るにちさんを見送って、[み]とおのさんは[直]のところまで戻った。

[直]はその時、路傍のお地蔵様の風情に魅かれて写真に撮った後、いつまでたっても追い付いて来ない最後尾を待ちながら、 ジャケットを脱いでいた。

[写真左]その時[直]が撮影していたお地蔵様

[写真右]迷走好きな人は動じない(笑)

道祖神と[直]
おのさんがルートミスを告げると、[直]もようやく事態を察して

あっ、さっきの交差点、直進だったんじゃ...。

この交差点で間違ってしまった 田島駅に向かう
[写真左]問題の交差点 [写真中・右]田島駅への道

問題の交差点まで戻り、田島駅の方角に曲って道ばたに自転車を停めて待つ。
集団走行の時はたとえ1本道でも迷子は出るものだ、[み]は多摩川オフでさえ道を間違えそうになった事がある(笑)
それに、気付いたのがおのさん、にちさん、[直]など、 トラブル慣れしたメンバーだったのも不幸中の幸いだと思う。
比較的パニックに陥りやすい[み]だけだったら、どうなったことやら。

そこへにちさんが先行したグループを引き連れて帰還、総勢17人の迷子の大所帯が完成。
どうやら、スタッフが付いていた先頭と最後尾だけがコース通りに進み、目が届かなかった真ん中だけが迷子になったらしい。
幸いその中にスタッフの和田さんの奥さんもいたので、おのさんが携帯電話を渡して連絡してもらう。

迷子になりました。人数は全部で17人。
今、田島駅から1.5kmほど北東の、国道289号と400号との交差点にいます。

田島駅前で待ちあわせ それからはGPSが本領発揮、地図表示のある[直]のeTrex VISTA-Jを参考にルートを決めると、田島駅への道をひた走る。
駅でスタッフとサポートカーの姿を見て、ようやくひと安心。

しかし迷走中のタイムロスで予定の養鱒公園に行く時間が無くなり、迷子の17人は直接観音沼へ向かうことになった。

[写真]ようやく田島駅に到着。不安な面持ちでスタッフとの合流待ちをする迷子一同。
[1]
8月31日のnifty境川アイスオフで、[み]は段差に前輪を取られてジャックナイフ状態で前に1/4回転。
幸い、身体の方は手と足に軽い打撲とかすり傷を負っただけで済んだが、着地時の膝蹴りでボトルケージを踏み割り、 ボトルも衝撃で潰れて保温の役には立たなくなってしまった。


▼ 田島駅〜観音沼森林公園 AM 9:25

田島駅で少し休憩した後、出発。
しばらく走ると左手に会津鉄道の水無川鉄橋が見える。
この付近は会津鉄道の線路に沿って走る予定だっけ。
鉄橋を横に
単線の踏切を越え、防風林やリンゴ園の傍を走り抜け、また踏切を越えると左手に養鱒公園駅が見えた。

さっき迷子になっていなければね...。

ちょっと残念。
気を取り直して落合付近でY字路を左へ、ゆるりと登坂開始。
会津鉄道養鱒公園駅近く
写真
[左]会津鉄道の踏切りを越え [中]その先左手には養鱒公園駅
[右]右へ行くと養鱒公園いこいの広場、左は観音沼森林公園

斜度2.5%の真直ぐな坂がどこまでも続く。

左手に、山田洋次監督の映画「学校」シリーズに出てきそうな、 旭田小学校落合分校を発見。
[直]が離脱して写真を撮りに走る。
そしてまた2.5%の坂が続く。
当分終わらないらしい。

[1]
この風情ある分校は、[直]や[み]だけでなく、何人もの人が注目していたらしい。
旭田小学校落合分校
[2][3]
この調子で緩い上り坂がどこまでも続く

  ┏━┓
  ┃1┃
┏━╋━┫
┃2┃3┃
┗━┻━┛
ひたすら上る

上り始めて30分経過。
十文字公園の少し手前で一時停止、観音沼からの帰りにはここで右折するよう、念入りに指示される。
帰りはここで右折して 近くに大きな蕎麦畑があるそうで、蕎麦屋の看板が目立つ。
麺食いの[み]には、他の人のビールみたいなものだ。

ああ、喉越しの良い蕎麦を啜り込みたいな、盛りかざるを2枚....。

ミニモアイ美術館 また上る
[写真左]途中にあった「ミニモアイ美術館」?

[写真右]絵に描いたような高原の道

それから20分後、白樺林の真只中で再度休憩、呼吸を整えて最後の急坂に備える。
道を間違えなかった別グループより少し先行しているらしいが、この先ですぐに追い付かれてしまうだろう、気にせず進む。

急坂と言ってもこの後15分弱の上りなのだが、メーターを見ると、今朝スタートしてからまだ30kmしか走っていない。
予定ではまだアップダウンがこの後20km以上あると思うと、[み]はつい 体力セーブモードに突入して休憩(笑)

見るとものすごい汗をかいている、水筒も空になっていたので、[直]は自分の水エリアスの水筒を手渡した。
ごくごくとうまそうに飲む[み]。

その後は写真など撮りながら、の〜んびりとゴールに到着。

[1]立ち止まって振り返ると、この絶景が広がるのだもの!
カーブの絶景

[2]鬱蒼と繁る森林の長いトンネルを抜けると観音沼駐車場であった

[3]特等席の前

  ┏━┓
  ┃1┃
┏━╋━┫
┃2┃3┃
┗━┻━┛
観音沼の駐車場到着
駐車場に自転車を置いた後、お約束の証拠写真を撮ろうと見回すと、特等席の標識前には人や自転車がいっぱい、 これじゃ他の人も撮りにくかったはずだが、そういえば今回のツーリングでは、殆ど標識の前が空いていた事がなかったっけ(苦笑)


▼ 観音沼森林公園 AM 11:00

タイミング良く公園の絵地図の前にいた[直]を撮影していると、サポートカーが到着して、 1人に1本割り当てで500mlペットボトルのお茶の配給があった。
みんな大喜びだ。
[直]は受け取った1本を空になった水筒に移し替えた。
次いでスタッフから、昼食場所の「水明の岬」と呼ばれる出島に行って待っているよう、指示があった。
自転車の見張りはスタッフにお願いして、徒歩で沼への上り坂をえっちらおっちら。
観音沼森林公園に到着 観音沼の看板と[直]
歩きながら、どうも納得できない[み]がブツブツ言っている。

大体どうしてここは湿原だの沼だのが坂の上にあるんだ、絶対におかしい。

まあ、そう言えばそうなんだけど、ここではこういう事になってるんだよ。
きっと(笑)


途中で落ち着いてしまった一行 とりあえず、沼が一望できる見晴らしの良い場所に着くと、ベンチに座っている先客がいる。
それならここがそうかなと、フロントバッグからビニールシートを取り出すと、 後から来たスタッフがもっと先だと笑って通り過ぎて行った。

ここもいい景色なんだけどなあ。

[写真]重ね重ね、ここもいい景色だと思うのだけど、駄目?

しかし抵抗してだだをこねても意味がない(笑)ので、言われるままに民族大移動を再開。
やがて到着した昼食場所は、林と芝生の中にいくつかのベンチとテーブルが点在する、沼を見下ろす緩斜面の広場だった。

[写真左]
ここが「水明の岬」、左手に碑がある。立っているのはおのさんとにちさん

[写真右]
ビニールシートを敷いて落ち着く[み]。向こうで独り黄昏れているのはSHIGさん
水明の岬風景と、シートに座り込んだ[み]

木陰の芝生はまだ湿っていて、ベンチはすぐに椅子取り競争になったので、多摩川オフ標準装備のビニールシートが大活躍。

その後、スタッフの皆さんが重そうに昼食の弁当と暖かい缶入り茶を運び込んでくれたのを見て大感激。 でも、それならさっきの場所の方が入口に近かったのに、と、恐縮もしてしまった。

[写真]
人数分の弁当と缶入り茶を揃え、準備や片付けをするスタッフの皆さん。 まさかこんなに甘やかされる(笑)とは思っていなかった我々は、大感激!
昼食の準備と片付けをするスタッフ

弁当の配給を受けると、ところどころ浮島や浮き草に覆われた を見ながら昼食。
風も無く、鏡のように静かな水面には、周囲の紅葉が映り込んで見事な色彩のハーモニーを奏でている。
そして、静かだ。

[写真]
写真だけ見ると、どこにでもある幕の内弁当のようだが、実はこのご飯が絶品。 もう、ご飯だけで他の全部が許せるくらいなのに、その上また野菜の味が濃い。 農産物は産地で食べるのが一番なんだなあ。
弁当
観音沼はジュンサイ(ゴクリ←生唾を呑み込む音)とモリアオガエルで有名だそうだが、名前の由来はほとりに建つ観音堂だろうか。
調べてみると、嶽観音堂は、坂上田村麻呂が東征の折、 参戦した人馬の供養の為に建立したと伝えられている。
唐様方三間宝形造りと言われてもよくわからないが、彫刻の細工が見事だそうだ。

紅葉が始まる観音沼
しかし今回は参拝している余裕などなかった、満腹になって休憩して少し動けるようになったら、もう出発。
残りのお茶を水エリアスの水筒に注ぎ足すと、 お茶水エリアスの出来上がり、ううむ。

弁当の空き箱をスタッフに返すと、慌ててトイレに走る人を尻目に、どちらかと言えば脱水症状気味の[み]は悠然と駐車場へ向かった。
しかし自転車に戻って準備を始めたところで、集合写真 を撮りたいと言われてさっき下りたばかりの坂を上がる羽目になり、 位置エネルギーの無駄遣いだとか何とか、またブツブツ言う。
その気持ちは、今度は[直]にも少しわかった。

駐車場 集合写真
写真[左]駐車場に戻ったメンバー。
後ろに回収トラックとサポートカー
[中]集合写真を撮影されているメンバーを横から
[右]同行カメラマン氏

2日目-Part 2に続く>>


HOME> ツーリング> 第一回南会津サイクルトレイン 2日目-Part 1

Copyrights(c) 2002 Naoyuki & Miyuki Katoh. All rights reserved.