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  埼玉用水沿い炎熱ポタ 2003.08.03

看板の「冷汁」の文字に喉が鳴る
日時 2003年08月03日
場所 杉並〜戸田....北春日部
〜菖蒲町〜加須〜東武動物公園
総走行距離 89km
総走行時間 5時間29分
平均速度 16.2km/h
[直]自転車 トレンクル(実験機)
[み]自転車 トレンクル(弐号機)
コースマップ
693 x 503 / 100KB
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 (c)2000 INCREMENT P CORP.
地図 .....クリックすると別ウィンドウに地図が表示されます。

▼05:40 出発 0〜15km

加須のうどん

結構有名らしい。
過去にも@niftyで埼玉県加須市までうどんを食べに行くオフが開催されていたと思うが、まだ一度も参加した事はなかった。
何より東武線方面は、我が家からはちょっと行き辛いのが一番の原因だった。
集合場所の北春日部まで行くのに、一旦都心まで出なければならないし、電車で揺られるのも長時間になると、結構疲れるのだ。

でも今回、駅の乗り換えを検討するうち、ある事に気付いた。
最近走る頻度が高くなってきた荒川までの白子川コース、荒川に合流するのは笹目橋だが、 そこからJR戸田駅まで僅か3kmほどなのだ。
戸田駅から大宮経由で春日部まで1時間弱輪行すれば、北春日部までは僅か1kmの道程、これを使わない手はない。 [1]
そう思うと、俄然行きたくなった。

うどんが食べたい!

さて当日の朝。
この日は午前5時に起きる予定だったが、梅雨明けの夜は暑く寝苦しくて、2人とも3時半には目が覚めてしまった。
それからごそごそと起き出したのが4時、もう眠れないと諦めを付けてのんびりと準備を始め、5時40分には出発、 予定より20分早いが仕方がない。
その上、白子川コースもこの時間は交通量が少なく快適に流れ、戸田駅に到着して予定の40分前の列車に乗ってしまう。

[右写真]早朝の牛蒡通りの旧家前。まだ街は眠っている。
牛蒡通りの旧家前
東武野田線の運転席 春日部駅を出発する 大宮で乗り替えに手間取ったが、東武野田線春日部駅で下車して、隣のホームに珍しく輪行客を発見して写真に収め、 改札を出てトレンクルを組み立て、走り出したのがAM 08:00。
1km離れた北春日部駅の集合時間は AM 09:00、まだ1時間もある。

[写真左]東武野田線の運転席。単線で、途中の停車駅では列車のすれ違いなども楽しめた。

[写真右]春日部駅を出発する[直]
こんな事もあろうかと、試走の時に見つけておいた国道16号線沿いのドトールに飛び込んで時間を潰した。
8時過ぎればもう気温が高くなり、数日前の最高気温に近付いている。
冷たい飲み物で体温を下げて再スタートし、集合場所の北春日部駅到着はAM 08:43。
駅にはもう何人かが待っていて、我々を見つけると手を振って迎えてくれた。

ロードの子連れ狼さんは、今回のオフを企画してくれた幹事さん。
りんむーさんって誰かと思ったら、元アルバイターさんだったのか。
それから今回はBD-1のKIYOSHIROさん。
さらに後からロードのチャチャさん、DAHONの菊川さん、COYOTEの理恵さん、BromptonのMasaさんなど、 輪行組が続々と到着する。
こんなに小径車が集まったのは久しぶりだ。
最後に上野から自走してきたロードのりっきさんが駆け込んできて、

埼玉は平らですね〜! 横浜では考えられませんよ!!

と感慨深げに言った。

でも埼玉には狭山丘陵だってあるんですよぉ。

[み]が口を尖らせる。
つい半月前、鳴島さんに案内された武蔵野七福神巡りでは、平らな地面の記憶があまり無かったのだから、 無理もなかった(笑)
そんな感じで談笑が続いた。
先日下見に訪れた時は、がらんとした駅前風景に拍子抜けしたが、この日は同じ場所とは思えない賑やかさだった。

[右写真]北春日部駅に集合したメンバー
全員集合かな
[1]
他に大宮まで走る案や、いっそ北春日部まで自走する案も出たが、それは前の週末に試走して廃案となった。

▼09:00 北春日部〜菖蒲町 15〜38km

予定の時間になったので出欠を確認....と言ってもドタ参もいるので、これが全員かどうか判らない。
互いに顔を見合わせて苦笑する。
それに駅前には補給の買物が出来そうな店が見当たらないので、まずは少し離れたコンビニへ向かう事になった。
北春日部駅から西へ向かう 「このメンバーの中では一番遅くて軟弱な人間」を自認した[み]は、子連れ狼さんの後ろに続いて 二番手を走る。
駅のロータリーを出ると、我々はページを繰るように唐突にのどかな田園風景の中に放り込まれた。
広くて真新しい道路に、歩道も広く綺麗で走りやすい。
右も左も美しい緑の田圃が続くこの風景に、早くも睡魔が戸を叩く。
[み]の眠気覚ましの独り言が始まった頃、コンビニに到着して慌ててブレーキ、ブレーキ。
コンビニ前では皆の買物待ちの間、KIYOSHIROさんのBD-1を囲んでまた話し込む間は良かったが、出発するとまた睡魔。
この辺は市街地だけど、風景が変わっただけで道路そのものは単調だ....と思ったら、 あれあれと思う間もなく道路を渡って 細い路地map へと潜り込んで行く。
添えられた真っ白い柵が、緑が濃い林の中へと続いていた。
暗い木立の中の 二股の分岐map の前で、子連れ狼さんが立ち止った。

[1]
黒沼用水沿いの細い道へ入って行く。

[2]
分岐の間の看板はサイクリングロードの利用者への注意書。ここを右へ進む。
黒沼用水沿いの道
[右写真]
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内牧サイクリングロードへ入る
県道65号線の下を潜る [3]右手の木立の向こうには塚内古墳群があるらしい。

[4]県道65号線の陸橋の下を潜る。案外こんな雰囲気の陸橋がわくわくする。

ここから内牧サイクリングロードを走るらしいが、土地勘の無い我々にはピンと来ない。
ちなみに分岐の右側が黒沼用水路で、サイクリングロードはそれに沿って整備されている。
右手の木立が作る日陰の中を、左手の鮮やかな稲の緑を眺めながら走る、なんて豊かな光景だろう。
内牧サイクリングロードは約2.6kmで終わるそうだが、整備された道は相変わらず続く。
黒沼用水沿いの道はどこまでも、県道65号線の陸橋を潜り、県道78号線を渡り、ちょっと迂回して 東北自動車道map を潜り、白岡町の市街地へと向かった。

[1]左前方から県道78号線が迫ってくる。

[2]白岡町役場では、夏祭りの準備が始まっていた。
[右写真]
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左前方に県道78号線
白岡町
黒沼笠原用水 [3]東北本線白岡駅前の市街地。

[4]白岡駅の北側で踏切を渡る。駅はこの左手にあった。

[5]また黒沼用水沿いを進む。

坂に怯える[み]に、子連れ狼さんが「このくらいならいいでしょ?」と言った唯一の坂が、橋を横切るスロープ。
どこまでもどこまでも平らなコースに、横浜から参加したりっきさんがしきりに唸る。
白岡の市街地に入り、ようやく訪れた貴重な信号休憩時間に振り返ったら、メンバーの表情が空ろになっていた。
踏切りを過ぎると、道標となる川はカクカクとクランク状に曲がり、黒沼笠原用水へと名を変えて、星川と平行して仲良く流れる。
しきりに「緑のふれあいロード」の案内板が目立つのだが、どう考えても「緑」より空の面積の方が広い。
先頭を引く子連れ狼さんは、走りながらボトルの水を飲むだけでなく、頭上からもバシャバシャ振りかけていた。
国道122号線を渡ると次は中島用水路、 温水プール近くmap で左折すると、うねうねと曲がりくねった一般道に入り、少しだけ見沼代用水沿いの並木道の木陰にありつく。

[写真]
菖蒲町のJA直売センターを目指して、ペースを上げるメンバー
田んぼの中を南西に向
だが、束の間こうして嬉しがらせておいて、すぐにまた見渡す限りの田圃の中に放り出されるのだ。

遠くに見える赤い屋根map 、あそこでソフトが待ってますよ!

子連れ狼さんが言った。
目の前にニンジンを下げられた[み]は、心の中で叫び始めた。

ソフト、ソフト、ソフト、ソフト....!

気のせいか、後ろを走るメンバーにも気合いが入ったようだ。
ひと漕ぎごとに、JA直売センターの赤い屋根が近付いて、やがて一行はトタン屋根の建物の裏に自転車を停めると、 入口に一番近い売店めがけて押し寄せた。
寛ぐ?一同 どやどやどや....。

[写真左]
ラベンダーとバニラのミックスソフト(250円)。素晴らしい香りがした。

[写真右]
火照った身体をソフトクリームでクールダウンして、一息つくメンバー。まだ出発して1時間半だが、すでに真っ赤に日焼けしている。
こうしてありついたソフトクリームは、それはもう美味しかった。
中には、渇きのあまり味が良く判らなかった人もいたが、喉を滑り落ちる冷たい感触に不満を言う人はいなかった。
そして食べ終っても暫くの間は、誰もが日陰のベンチを離れられなかった。

▼10:50 菖蒲町〜加須 38〜51km

出発すると、また消耗戦が始まった。
たっぷりした水量を誇る見沼代用水は、本当に日当たりが良い。

ペースや距離から言っても、間違い無くポタだったんですが....

帰着報告で子連れ狼さんはそう書いているが、出発から2時間足らずでポタだという認識は消滅していた。
あのね、頭から水を被りながら走るポタなんか、無いってば(笑)
[写真左]
左側に平行しては県道5号線が見える

[写真右]
見沼代用水に作られた中島用水堰。ここから中島用水(黒沼用水)が分岐する。
左側に県道5号線が見える 見沼代用水の中島用水堰
でも、誰も不平も言わずに走っていたのは、やっぱりこのコースが気持ち良かったからだと思う。
豊かな水をたたえた見沼代用水、見事に手入れされた田圃、梅雨明けの空に美しく映える緑の中を駆け抜けながら、 自分も緑色に潤い満たされていくような気がした。
自転車型の意匠の柵 ああなんて瑞々しい風景!
見沼代用水を西北西へ [写真左]
柵の合間に自転車を象ったパイプの細工が施されていた。

[写真右]
見沼代用水沿いを西北西へと進む。
....などと呑気に旅情に浸っていたら、やっぱり不意討ちに遭った。

あいたたた、おのれ見沼代用水。

別に用水路が悪いわけではない、路面の段差だ。
コンクリート舗装は経年変化で継目に段差が出来るので、数メートルおきにガタゴトと衝撃が襲う。
今日はDAHONで来た菊川さんも、前傾姿勢の緩い小径車にロード用のサドルだったのが、相当効いたらしい。
彼ほどの猛者でもお尻が痛くなるなんて、恐るべきポタだ。

騎西町に入ると 種足小学校の近くmap で用水から離れて北東へ向かう。
広い国道125号線など辿りながら、じわりじわりと加須へ近付いているのだが、土地勘の無い我々にはどこをどう走っているのか見当が付かない。
右手に公園のような場所があるなと思ったら、やにわに天守閣が、その懐の広場に工事車両が見えた。
うわ、あれは 騎西城map !?と思って感動していたら、資料館だと言う。
後で調べたら、本物のお城には天守閣は無かったそうだし、その痕跡も土塁しか残されていないとか。
なあんだ。
道路左手にはちらりと「萩原遺跡」の看板が見えた。

[1]道路標識には、左折すると県道38号、加須方面への案内

[2]騎西城かと思えば資料館

[3]また田圃の中を進む。もう距離感も方向感覚も....。
R125の道路標識
[右写真]
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復元中の騎西城かと思いきや
我々はその後、駒形神社の前を通って 騎西領用水(新川用水)map を右折、東進、すぐに用水からも離れてまた北上、ここでも上高柳の田園風景@炎天下をたっぷり堪能した。

加須の市街地に入ると間もなく目の前に線路が現れ、子連れ狼さんは「ここは自転車を下りて下さい」と言うと、 たたたっと左手の 地下道map へと下りていく。
もうへろへろで逆らう気力も無い一行(笑)は、おとなしく暗がりへ連れられて行く。
中では

うわ、涼しい〜〜っ!

という声にエコーがかかった。
加須駅到着 眩い地上へ戻ると、また線路を背に北上を始める。
ラストスパートのように容赦なく商店街を走り抜けるうち、あちこちの「手打ち」の文字が目に入る。
後に続く文字は「うどん」だったり「蕎麦」だったりするのだが、もうどこでもいいから腰を落ち着けたい。

そろそろ顎が出始めた頃、ぱあっと白く目の前が開けて、思わず目を細めた。
ひときわ広い道路、交通量が多い。
何とか車の切れ目を見つけて一斉に道路を渡ると、そのまま手近な店の駐車場へとなだれ込んだ。
そこがこの日の目的地。
子亀map だった。
[下写真]
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子亀の看板
[1]冷汁うどんの子亀、住所:埼玉県加須市諏訪1-15-6、TEL:0480-62-2876。

[2]子亀の看板

[3]
ゴマだれの冷汁うどん 520円。天ぷらとのセットも楽しめる。

[4]
つやつやの手打ち麺はとても長くて、もちっとした優しい歯ごたえ
子亀正面
かなりの有名店だそうだが、入店が正午前だった事もあって、まだ席には余裕があった。
何を食べようか、だがオーダーよりも先にする事がある。

すみません、水をヤカンで下さい。
冷汁うどん
顔を真っ赤にした[み]は、出されたコップの水を一息で飲み干すと、オーダーを取りに来たおばさんに言った。
だが、おばさんの返事を待たず、すでに先陣を切っていた隣のテーブルのメンバーから、ピッチャーが差し出された。

ありがたい!

斯くして得た貴重な氷水だが、瞬く間に消え、おばさんはまた[み]に呼び止められた。
こうしてみんなでピッチャーのお代わりを3度、4度しただろうか、後味の良い、美味しい水だった。

おっと、[直]が注文したのは冷たい天ざるうどん、[み]が注文したのはイチオシの冷汁うどんだったが、 意外に量が多くて[直]はうどんを残してしまったのを悔やんだ。
それから、評判のゴマだれも確かに美味しいが、へそ曲がりの[み]は、それよりも薬味の ネギと生姜の風味に感動していた。

それにつけても、美味しいお水とうどんを、ごちそうさまでした!

▼12:20 加須〜騎西領用水(新川用水)〜久喜市下清久の諏訪神社 51〜65km

自転車で走る時は、あまり満腹になってはいけないのだが、ついうどんの美味しさに我を忘れた[み]は後悔していた。
だが店の入口に待ち行列が出来ているので、落ち着けなくてはやばやと席を立つしかなかった。

外へ出ると相変わらずのむっとする熱気で、頭がクラクラする。
店内で見たお昼の天気予報では、熊谷の最高気温は34度だと言っていた。
加須から熊谷までは僅かに15km程度の至近距離、えらい所に来てしまったなあ。
加須駅南の商店街 とりあえず元来た道を辿って駅前のコンビニに寄り、飲み物などを買うと商店街を抜けて南下する。
メインストリートに人の動く気配が無いのは、やはり気温のせいだろうか。

[左写真]
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路傍に小さなお地蔵様 [1]加須駅前のコンビニで買い出し。

[2]駅前商店街は静かだ。

[3]道路脇、左前方に小さなお地蔵様。

ふと通りすがりに、ちらりとお地蔵様が見えた。
道祖神かと思ったけれど、ここは街道というわけでもないから、水神様なのかな?
注意して見ると辻ごとに建ててある。
そう言えばここに来るまでにも、用水沿いに建てられた神社の鳥居をいくつも見て来た。
治水に苦労した昔の人の想いが偲ばれた。
加須駅から商店街を南下、突き当たりの細いクランク状の道を入ると 騎西領用水(新川用水)map にぶつかるので、左折。
またサイクリングロードが始まる。
常泉では木陰が続き、薄暗く湿り気を帯びた道に散らばる小枝を、リズミカルに避けて走り抜けた。
だが我々はすぐに、眩い日向の道へと放り出される。
子連れ狼さんはまた、ボトルの水を頭から振りかけ始めた。

暑い。

のぼせやすくて汗かきの[み]も、かなり意識して体温を下げる努力をしていたが、 それでも普段より判断力が落ちているのが自分でも分かった。
そうでなければ、こんな濁った用水路に飛び込みたいなどと思うものか。
コンビニを出て30分後、ちょうど 久喜市に入った時map だった。
折しも昼食後の魔の時間帯、寝不足のりっきさんは平地続きで緊張感を失って睡魔と闘い、 菊川さんはお尻の痛みで眠気を紛らわしていたと言う。

狭い用水沿いの道から県道151号線へ出る駆け上がりで、路面に細かい段差や浮き砂があった。
だが全員難無くそこをクリアして、綺麗な舗装の車道を走り始めたと思ったら、すぐに後ろから声が上がった。

スト〜〜ップ!!
転倒事故
振り向くと、車線の真ん中にMasaさんが座り込み、すでに後続の何人かが交通整理に当たっていた。
Masaさんは少し怪我をしているようだが、それ以上にぼーっと座ったままなのが気になる。
熱中症だとしたら、この炎天下はまずい。

日陰、ひかげ....。

全員で道路の反対側へ大移動。
道路際の農林総合研究センターの敷地の林の陰、路肩の泥溜まりに足を踏み入れないように注意して、自転車を停めた。
何ケ所か擦り傷があったが、怪我は長袖長ズボンのお陰で軽微で済んだ。
自力で走れそうなので、ざっと怪我の手当てが済むと、「すぐそこ」の神社で落ち着いて休憩する事になった。
転倒の衝撃で、フロントバッグの取付け部分が壊れてしまっていたが、Masaさんはバッグにベルトを付けると、 ショルダーバッグにして走り出した。

出発直後、東北自動車道の下を潜るトンネルで一斉に声が上がる。

うわ〜っ! 涼しい!

外界に比べれば別世界の涼しさに、[み]も思わず「ここに住みたい」と言いかけて、はっと理性が働く(笑)
しかし鬼教官(ごめん)は目もくれずに通過、しかもそれから10分ほど経過しても神社には着きそうもない。
理恵さんが、一つの懸念を口にした。

まさかこの「すぐそこ」って....?

そう言えば、ある新潟県人の「すぐそこ」は車で40分の距離だったという経験がある。
案の定、子連れ狼さんの「すぐそこ」に着いたのは、たっぷり20分後だった。
休憩に入った八幡宮 [左写真]
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[1]
やっとこさ辿り着いた小さな八幡宮。写真の左側は更地、右側にはすぐ民家があった。
積算走行距離9999km [2]早々に見切りを付けてまた出発

[3]弐号機の積算走行距離が9999kmを示す

[4]埼玉県北葛飾郡鷲宮町大字久本寺付近

ようやく辿り着いた 八幡宮map で、[み]は弐号機の積算走行距離が9999kmになっているのを発見!
理恵さんに

それは10,000kmより貴重かも

と言われて嬉しい[み]。
しかしこの神社、敷地の殆どが更地になっていて、残されていたのは本殿と銀杏の木1本、殆ど日陰が無い。
水道も使えないので、砂漠の蜃気楼を追ってきた気分だ。
落ち着いて休憩するどころではないので、身体の粗熱が取れたら早々に出発する事になった。

[右写真]炎天下の久喜市下清久付近

相変わらず続く白く乾いた路面に、身体中の水分が吸い取られるようで気が滅入ったが、 ものの数分もしないうちにまた止まった。
炎天下の道
諏訪神社 次に到着した 諏訪神社map は、社殿こそプレハブっぽくお粗末だったが、広い境内には木陰もたっぷり、裏には探し求めた水道もあった。
雑巾バケツが似合いそうな洗い場の水道が、彷徨える旅人には恵みの泉に見えた。
みんな代わる代わる水道に取り付いては、喉を潤し頭を冷やし、木陰に憩う。
涼むうち、ようやくMasaさんも人心地が付いたようだ。

[1]
久喜市下清久の諏訪神社。
境内で休憩 [左写真]
12
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[2]ここで10,000km達成。

[3]境内のブランコには大きな子供が遊ぶ。
Masaさんの転倒は彼の自転車経験が浅いからではない、自転車の保有台数は我が家より多いくらいだ。
ただBromptonのような小径車は、一度コントロールを失うと立て直しが難しいのが災いしたのだろう。
本人が軽傷で済んだのは何よりだが、腕時計が壊れ、ヘルメットは割れてしまっていた。

▼13:55 諏訪神社〜東武動物公園へ 65〜75km

諏訪神社で過ごした時間は15分ほどに過ぎなかったが、水浴び休憩のリフレッシュ効果はてきめんだった。
子連れ狼さんから出発の声がかかると、みんな今度は元気良く立ち上がり、東へと走り出した。
だが直射日光に路面の照り返しも加えて焙り焼きになり、15分刻みの走行でも長く感じるようになっていた。
この日は肌を灼くつもりで来たりっきさんも、度が過ぎて真っ赤 に「火傷」した肩が痛々しい。

[右写真]久喜市大字上早見付近、日陰を求めて、右側のネットの方へと寄って行く。

畑の中を走る
やがてコースは 久喜警察署map 近くで用水から離れて県道3号線沿いに走る、そのついでにコンビニ休憩。
漏れなく全員が冷たい飲み物に群がった。
だがここでもMasaさんを不運が襲う。
せっかく買ったコーン型アイスの上半分がもげて転がり、 ほかほかと温いアスファルトの上で溶けていった。
コンビニ休憩中の一同 [左写真]
エアコンが効いたコンビニはまさにオアシス。一度入ると中から出られなくなるから、蟻地獄かもしれないが。

[下写真]
まんまと逃げおおせたアイス君(右)と、対峙する両者(左)。
Masaさんのアイス落下事件
出発すると一般道を少し走り、新幹線と東北本線を越えて、備前堀川の南を流れる中須用水沿いの道に入る。
4kmほど南東へ走ると、右手の草原の向こうの丘の上、螺旋階段に人だかりが見えた。
あれはもしや 東武スーパープールmapウォータースライダーかも。
水着の女の子たちが順番待ちをしながら、こちらをじっと見ているような気がした。
手を振ると向こうも振り返す、あらやっぱり見てたのね(笑)
それからしばらくは、何だか人目を意識して鯱張って漕いでしまった。
[右写真]
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中須用水沿いの西粂原付近 東武スーパープールのウォータースライダー
[1]中須用水沿いの西粂原付近。結局大変なお天気になってしまった。

[2]東武スーパープールのウォータースライダー。水着ギャル(古)が鈴なりだった。

[3]ゴールの東武動物公園入口。しかし、みんな疲れ果てていて感動が薄い。

緊張して走っているうちに、右側の視界は木立で遮られ、それを抜けると唐突に広い駐車場へ出た。
東武動物公園入口
立ち止まって、何か言いたげにこちらを見つめる子連れ狼さん。
何だろうと思っていると、どうやらここがゴールの東武動物公園らしかった。

反省会どうします?

ああ、打ち上げをどうするか聞かれていたのだった。

▼15:00 帰路 75〜89km

それよりとりあえず冷たい飲み物を....。

ちょっと真顔で訴える[み]。
「涼しい場所で座って飲みたい」と言う意味だった。
可否はともかく飲食店を求めて駅へ向かう事になり、辿り着いては見たものの、がらんとした駅前ロータリーに一同唖然。
何故かそこにあるのは自販機と小さな雑貨屋さんだけだった。
輪行準備中 [左写真]輪行準備を始めた人たち

列車の時刻を調べていた菊川、理恵ペアは、10分後の発車に間に合わせるため輪行準備を始めた。

何だもう皆帰るのかあ。

それを皮切りに、他の輪行組も続々と準備を始めた。
準備が済むと、我々は最後にチャチャさんと冷たいお茶で祝杯を上げ、東武伊勢崎線の列車に乗り込んだ。
ガンガンに冷房が効いた新しい車両は、[み]には寒いくらいだったが[直]は大喜びだった。
その後春日部と大宮で列車を乗り換えたが、駅で停車する度に、開いたドアからむっとする熱気が入ってくる。
吸い込むと身体の害になるような気がして、思わず息を止めていた[み]だった。
[右写真]戸田駅に到着、トレンクルを組み立てる。下を向くと汗がボタボタと落ちた。

戸田駅でトレンクルを組み立て、帰路は朝と同じルートを戻る。
違うのは、眠気とだるさ。
それでも速度が乗っている間は意識を保っていられるが、自宅まで1kmを切った時、[み]は叫んだ。

[み]:最後まで気を抜かないで!
[直]:へ〜い。

戸田駅で組み立てる
言った手前、[み]は自分にも喝を入れて、緩みかける瞼に力を込める(笑)

一時停止を怠けたくなったら、心身共に疲れた証拠。
冒険の本当のゴールは自宅の玄関。


そんな事を自分の中で何度も繰り返しながら、見慣れた景色の中を進んだ。
あと10m...5m...ドアを開けて、入った!

しかしそこで放心して床に座り込むかと思っていたのに、案外元気が残っていて、そのままてきぱきと片付けに入る。
まさしく「喉元過ぎれば熱さを忘れる」、そのものズバリ(笑)
普段通りに後片付けをすると、晩ご飯にスーパーで今度は讃岐うどんを買って帰り、[直]が食べ残したうどんの仇を討った。

翌日、@niftyの帰着報告を読むと、みんな「距離や速度の割には疲れた」の連発だった。
思えば、このメンバーを率いて走った子連れ狼さんも、大変だったと思う。
つくづく埼玉の平らかな田園風景に騙されてはいけないと思った。
夏の炎熱地獄は今回体験したが、たぶん冬と春も強い風に悩まされるはずだ。
でも、秋の実りの季節はどうだろう、 黄金の稲穂の海、刈り取られた稲と藁を焼く臭いを想像したら、また少しだけ、行きたくなった。


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