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  江戸ポタリング(2)東郷公園〜学士会館 2003.10.19

春の前
日時 2003年10月19日
場所 杉並〜神田〜飯田橋
 〜市ヶ谷〜丸の内〜杉並
総走行距離 49km
総走行時間 4時間13分
平均速度 11.6km/h
[直]自転車 モールトン(直)
[み]自転車 ママチャリ22号
GPS軌跡 →地図を別のウィンドウで開く
備考 東京を自転車で走る会
http://greenmap.jp/tokyo/chiyoda/

  (1)愛全公園〜東郷公園  (2)東郷公園〜学士会館

▼12:40〜 東郷公園〜四谷〜麹町

昼食の腹ごなしタイムを笑って過ごした後、二七通りに出て西進を始めるが、 100メートルほど先のルクセンブルグ大公国大使館(四番町8-9)の前でストップ。
休日とは言うものの大使館の前なので、遠慮がちにエントランスの作品を観賞。
裏側に回ってみたら、「225.5° ARC X 5」と刻印がある。
そう言われると、225.5度の弧を5個使い、円周に沿って位置をずらして作ってあるようだ。
しかし、これが作品名?
[右写真]
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3

[1]
「225.5°ARC X 5」作者不祥

[2]
ひっそりと静まり返った住宅街での観賞は、何となく後ろめたい。
225.5° ARC X 5
[3]東京中華学校の門前を守る、2頭の獅子。

さらに日テレ通りを越えて西進を続けると、T字路の突き当たりの手前右側に、 東京中華学校がある。
その門前を守る、2頭の白い獅子が次の目的。
名称や作者はおろか、由来等もまったく分からないが、細かい装飾など様式的でありながら、 躍動感のある作品だ。
特に日曜日は門が閉まっているので、落ち着いて観賞出来る。
東京中華学校
春 それから突き当たりを左折、外濠公園に沿って南下すると、しばらく心地良い木陰の道が続く。
四谷駅前に出たら、双葉学園の建物に沿って左へ回り込むと、正面の主婦会館エントランスに見えてくるのが、 猫を従え、フルートを吹く等身大の少女の座像、「春」
ブロンズの金属色一色で、リアルに彩色されているわけでもないのに、妙に生々しい存在感がある。
それと気付かず通り過ぎようとして、「えっ!?」と驚いて半歩飛び退く通行人がいる中、 このコースのメンバーはお茶目にも、その隣に座ったりしていた。

そこから四谷駅に向かって立つと、小さな緑地が見える。
次のターゲットはその中にある可愛らしい「とんぼ釣り」...のはずだったのだが、 この日はフリーマーケットに占領されていて、みんな一斉にショッピングモードに突入してしまった(笑)
とんぼ釣り [1]
「春」(1998) 黒川晃彦

[2]
「とんぼ釣り」 伊佐周

[左写真]
1
23
45
[3]
緑地はフリーマーケットに占領されていた。みんなもつい物色中。

[4]
何度もここを通りながら、像の存在に気付かなかった人もいた。

[5]
「聴く」 富田憲二
予期せぬ障害 聴く
駅前の広い通りを南下し、左折して新宿通りへ入る。
北側の歩道をゆっくりと200mほど走るうち、車道側に少女の座像 「聴く」が待っているのが見えてきた。
ただ、我々も試走の時に感じたのだけれど、ここらは中だるみの真っ最中で、 はっきり言って飽きちゃっている。
ちょうど食後の眠くなってくる頃合で、殆ど走らないので緊張感が無い上に、 弦楽四重奏曲のような小品が並ぶのだ。
リーダー氏も疲れてきたのか、もう殆ど前を通り過ぎるだけ(笑)
[左写真]
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[1]
作品名/作者不祥

[2]
「永遠なる少女」鈴木清貴

[3]
「夏の思い出」 吉野毅

[4]
「そよ風」 伊佐周
二番町/麹町の小品群
[5]
疲れてきたので、自転車に乗ったまま観賞。

「聴く」を含めて道路の北側にある2点を観賞後、南側に渡って「永遠なる少女」、続いて「夏の思い出」を見る。
何故かこれだけ男の子。
そして最後に、麹町1丁目交差点の南西にある「そよ風」の前に到着。
そよ風
でも、ここも殆ど信号待ちのついでのようにあっさり通り過ぎて、また靖国通りの北側へ渡って右折、東へ進む。
ただもう対象作品の数をこなすだけ、次第に「百名山」のカウントダウンの様相を呈してくる。
弧の仕掛/風の橋
12
3
[左写真]

[1]
麹町署と東条会館の間のビル(ZENITAKA ANNEX)に西側から近付くと、前方左に黄色い構造物が。

[2]
「弧の仕掛/風の橋」(1996) 生形貴春

[3]
メンバーの身長と比べると、その巨大さが分かる。
ふれあいを楽しむ やがて前方左手に黄色い構造物が見えてくるが、ビルのエントランスの看板塔のようにも見える。
特徴となる弧の部分が、手前のビルの植え木で隠されてしまうので、直前までそれが彫刻だとは分からない。

辿り着いたビルの広いエントランスに自転車を停め、振り仰いで見上げた大作、 瞬時に目が醒めた
空の青を切り裂いて鋭角の黄色が食い込んでいるが、弧の部分がそれに添えた手のようで温もりを感じさせる。
張られたワイヤーが血脈のように見える。
ビル風が吠える日は、このワイヤーも共鳴するのだろうか。

▼13:10 半蔵門〜馬場先門

半蔵門交差点で右折して、内堀通りの三宅坂を下る。
広い内堀通りを挟んだ対岸は、皇居の緑が美しい。
ほのかな秋風に吹かれながら国立劇場、最高裁判所の前を下り、三宅坂交差点に差しかかると、 その角でまた停車。
入口が最高裁への階段のようで紛らわしいのだが、交差点の角に 三宅坂小公園があるのだ。
ここにも子供の像が2点と、女性の群像が1点置かれているが、 由来も作者もまったく不明。
釈然としないが、とにかく観賞する。

公園の史跡案内には「渡辺華山誕生の地」と説明があり、実際この幕末の蘭学者・画家は、 生涯の大半をここで過ごしたと言われているが、渡辺華山の生誕の地は実は、愛知県渥美郡田原町にもある。
本物はどっちだ?
国立劇場付近を下る
[右写真]
1
23
45

[1]
国立劇場付近を下る一行。
三宅坂小公園
群像 [2]
三宅坂小公園の入口(南側)。最高裁判所の前庭のようにも見える。

[3]
群像を見上げるメンバー。

[4]
作品名/作者不祥。3人の女性像。それぞれが何かの象徴なのだろうか。

[5]
作品名/作者不祥。球体に乗った小さな子供の像。2体あった。
上ばかり見ていて首が疲れたので、三宅坂交差点を皇居側へ渡って、お堀端の歩道を走りながら肩をほぐす。
風に揺れる柳も清清しいが、お堀と皇居の緑豊かな佇まいが、乾いた目に潤いを取り戻してくれる。
それから、都心のど真ん中の巨大な緑地が生み出す、新鮮な酸素を胸一杯吸い込もう。

お堀端を散策する観光客に注意しながら、三宅坂を下って祝田橋に至ると、日曜日に限り、内堀通りはそこから道路封鎖されている。
パレスサイクリングだ。
本来はこの前を素通りして日比谷交差点の向こうまで行く事になっていた。
それは先代(?)のリーダーにも確認していた事だったが、これも土壇場になって、参加者の希望で進路変更。
ああやっぱり、でもここなら並走しながら走行中の写真が撮れる。
[み]はすかさずダッシュしてリーダーに並び、

[み]:どこまで行くんですか?

と訊ねてみるが、返事が無い。

[み]:出来れば、平川門往復3km弱を走ってくれるといいんだけど....。

希望的観測だが、とりあえず加速してリーダーを追い越し、二重橋の前で停車して後続を正面から捉えようとカメラを構えた。
が、徒労に終わった。
リーダーを始め、殆どが、一緒に加速してすぐ後ろに付いてきていたのだ。
結局、鳴沢さんと[直]、唯一の女性参加者だけが、自分のペースを守って走っていた。
[1]
三宅坂交差点を、皇居側へ渡る。この先は歩行者が多いので、速度の出し過ぎに注意。

[2]
堀側の歩道から見る景色は、「東京とは思えない!」と歓声が上がった。

[3]
毎週日曜日、開催されているパレスサイクリングに寄り道。
[右写真]
1
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三宅坂交差点を皇居側へ渡る
三宅坂を下る パレスサイクリング

何だか歯車が噛み合わないまま、一行は二重橋前を右折して馬場先門へ抜け、丸の内仲通りへと向かった。

▼13:30 丸の内仲通り

このエリアは、これまでと違って毎年展示作品が変わる。
これは三菱地所株式会社の主催で、彫刻の森美術館 から作品をお借りして展示する企画があるからで、昭和47年から始まり、2003年現在で31回目になると言う。

丸の内仲通りは、荒川サイクリングや東京シティサイクリングで何度も横切っているのに、 そんな展示があったなんてちっとも知らなかった。
富士ビルの角を右折すると、早速2体の人物像の出迎えがある、「であい」だ。
これは女性同士だろうか、同性が対峙する様子はきな臭さが漂うが、題名が穏やかだから、そちらを信じるとしよう。

だが、その少し南には、紛れも無く物騒な像が立っていた。
「鼓笛手」と名付けられたそれは、闘いのドラムを鳴らし、 目に見えない本隊の戦意を煽る。
武器を持たない癖に威圧感のある兵隊は、下から仰ぎ見る事を計算した、下半身が強調されたプロポーションだ。
それは我々には馴染み深いテクニックで、加えてこの表面処理とあっては、[直]が興味を持たないはずがない。
試走で初めて見た時は、つい2人して大きな声を上げて駆け寄ってしまった。
丸の内仲通り [左写真]
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[1]
高級ブランド店が並ぶ、瀟洒な丸の内仲通り。

[2]
作品は毎年替わるが、30年以上も続く企画なので、展示エリアなどしっかり確保されている。

[3]
「であい」(1990) 六崎敏光

[4]
「鼓笛手」(1985) マイケル・サンドル
「であい」を観賞 であい 鼓笛手
パレスサイクリングでルートが変わったので、丸の内仲通りへは途中から入ってしまった。
最南端の作品を探すため、鳴沢さんが斥候に出て、蚕糸会館の近くまで南下して止まった。
そこで道路の東側へと渡ると、等身大より二回り大きな女性の像が待っている。
「女の習作」だ。
彼女は、向かって右側から見た顔が美人に見える。
そして、輪王坐の如意輪観音像に見えなくもない(本当か?)
そう言われると、ありがたく思えないだろうか。
.....そんな事は無いかな。

ここでUターンして、今度は東側の歩道の北上を始めると、すぐに次の1点。
試走でこれを見た時、[直]が

[直]:ああこれ染色体だ。

と言った「闘うデボラ」
[右写真]
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女の習作
[1]
「女の習作」(1990) エルネスト・アスカラテ

[2]
頭部アップ。エキゾチックな美女。

[3]
ここからUターンします。
顔のアップ
闘うデボラ 通り過ぎちゃうんですか? [4]
「闘うデボラ」(1977)岡村謹史

[5]
「あれ、通り過ぎちゃうの?」と振り返るメンバー。やっぱり気になるよね。
確かにこれ、「X」染色体に見える。
ヒトの細胞の中の染色体は全部で23組、そのうちただ1組の違いだけが、男女を分ける。
染色体の種類が「XX」なら女性、「XY」なら男性。
作者は女性本能の象徴として、その決め手となる「X」染色体を選んだのではないだろうか。
しかし、題名にもあった女性本能が「闘う」相手は?

だがこれ、リーダーは前を通りながら省略してしまったので、それに気付いたメンバーがいぶかしげに振り返っていたが、 その分、次の「マルセラとその光」 の前では観賞時間をたっぷり取った。
[右写真]
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マルセラとその光
[1]
「マルセラとその光」(1980-1982) フリオ・ロペス・エルナンデス

[2]
ショッピング中の奥様達には目障りだったかもしれないが、こうした精緻な作品は、 つい身を乗り出して細微まで見入ってしまう。
マルセラとその光(部分)
[3]テーブルの上の手は、コンタクトレンズをケースに納めたところか。

[4]テーブルの上の鏡に映っているのは、レンズを外して洗浄するまで。

[5]コンタクトレンズの装着が終わったところだと思う。これから1日を過ごす。

[6]「東は東」(1990) ベンボー・ブロック

彼女−マルセラは、コンタクトを装着している間だけ、鮮明な世界が見えている。
そしてその間に起きる出来事は毎日変わり、彼女もそれにつれて変わっていく。
つまりコンタクト着脱の儀式は、彼女の変化の為にあるのだが、それ自体はいつまでも変わらない。
変化する彼女が個性だとするなら、着脱儀式は没個性
一見、マルセラの個性を表現しているように見えて、実際に表現されたものが没個性の部分とは、不思議な気がする。

東は東
ここでまたひとつ、警告
丸の内仲通りは人通りも多いので、自転車に乗らずに引いて回る事もあるが、くれぐれも足下に注意する事。
歩道の石畳の境目に微妙な段差があり、よそ見をしていると足を取られる事がある。
実際[み]も試走時の歩行中に足をくじいた。
咄嗟に自転車を支えの杖にしたから転倒しなかったが、かなり危険だと思う。

次の「東は東」は、の作品群の中で、唯一彩色されたものだ。
青い円は地平線か水平線か、2つの三日月の間にあるのは、雄鹿の角だそうだが、 赤く燃える太陽が炎の舌を差し込んでいるようにも見える。
イスラム文化に精通した作者にとって、「東」は何を意味するのだろう。

それから、今回路上にあって最も自然な驚きを引き出してくれたのが、この「傷ついた大きな頭像」
地面からぬっと生えた頭は、一見モアイ像のようで、レゲエのおじさんのようで、よく見ると頭髪が指。
あまり苦悩しているようには見えず、みんなユーモラスな顔付きに1度笑った後で、題名を見て「しまった」と口元を強ばらせる。
世界に名だたる法治国家だったはずの日本も、こんな微妙な表情に怯えるほど平和では無くなってしまったようだ。
円形の大きな建造物 傷ついた大きな頭像
円形の大きな建造物の部分観賞 [左写真]
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[1]
「円形の大きな建造物」(1969) アルナルド・ポモドーロ

[2]
「傷ついた大きな頭像」(1981) ライナー・クリスター
[3]
こんな感じで、とてん、と置かれている。叩いてみると、案外軽そうな音がした。

[4]
この土台がちょうどいいサイズで、通行人にベンチ代わりにされていた。

[5]
実は色違いの2本立てだった作品。表面処理は[直]好み、まさにツボにはまった様子で嬉しそうだった。

和田倉門と東京駅を結ぶ行幸通りに出る直前、立て続けに2つの塔が並ぶ。
「円形の大きな建造物」と名付けられた塔は、 同じブロンズの素材を黒と金に仕上げた対の作品。
そしてその表面処理がまた、[直]にとっては激しい既視感を伴うのだ。

....そのままだ

髭もじゃの画家がそう呻いているのを、[み]は試走の時に聞いた。

丸の内仲通りには、あと2点の作品が展示されていたが、それは試走でも観賞を断念していた。
次にどこへ向かうかと思えば、行幸通りを渡った左前方の東京海上本館だった。

▼13:45 大手町〜神田

東京海上の前庭へと上がり込んだ一行は、高層ビル群に縁取りされた青い空を見上げた。
眼前に立つ、これまた巨大な作品「波がしら」は、 「東京海上」の名前や歴史にちなんで創られたのだろうか。
しかし、何も無い広大なエントランスの中では、その存在が唯一のよりどころ。
「波がしら」と言うより、羅針盤、あるいはタイル張りの大地に打ち付けられた楔のようにも思える。
その影はさしずめ、丸の内の時を刻む日時計といったところか。

それから同じ建物の南西の端には、「恵比寿様」
七福神の恵比須の正体は、イザナミ、イザナギが国生みの前に生んだ、最初の子供「蛭子」だ。
骨が無く立てない子供は海に流され、竜宮で育てられた後、戻って来て豊漁をもたらす海の神として復活したのだという。
ざっくり水紋が刻まれた白い土台に鎮座する、黒光りする翁の像は、出来れば常世の国のある東を向いていて欲しかったが、 皇居の新宮殿の方角でも、御利益はあるのかな。
波がしら [1]「波がしら」 流政之

[2]広大な前庭に威容を誇る構造物。取り囲み、見上げるメンバー。
作品の周囲をうろうろ
[右写真]
123
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[3]
「恵比寿様」の周囲をぐるぐると....。

[4]
「大黒様」 流政之

[5]
「恵比寿様」 流政之
大黒様
それから一同はリーダーに引かれて本郷通りを北上し、大手町交差点で右折して今度は外堀通りを北上し始めた。
鳴沢さんが首をかしげる。

本郷通り沿いに、さっきの「恵比須様」と対の「大黒様」があったはずですが、 すっ飛ばしましたよね?

そう、「大黒様」は三和銀行東京本店にあったが、 リーダーは構わず次のサンケイビルへと北上を続けた。
そこには今回最大級の、「イリアッド・ジャパン」があるのだ。
実はこの作品は、ビルの南面に隣接した道路を西から近付いてくると、 街路樹の影から劇的な登場をする。
それはもう、BGMを付けて映画館で上映したいくらいで、[み]は試走の時、リーダーのその演出に歓喜の声を上げた。
しかし本番では南側から真直ぐに近付いてしまったので、ちょっと迫力に欠けてしまったと思う、残念。
イリアッド・ジャパン [1]
「イリアッド・ジャパン」(1987) アレクサンダー・リーバーマン

[2]
今回観賞した中で、最大の作品。「イリアッド」はトロイ戦争をうたった、ホメロス作と言われる叙事詩。 その日本版なら、さしずめ古事記だろうか。まさかゴジラとは思いたくないが...(笑)
下からはただ見上げるだけ [左写真]
1
2
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[3]
「豊展観守像」(1991) 山下恒雄

[4]
由来書によると、千代田区の繁栄を願って寄贈されたとの事。
豊展観守像
さて、残りの作品はもうあと10点も無いはず。
まだ14時になったばかりだし、そう慌てる事もないのだが、どうも落ち着かない。
何となく、去年の武蔵野三十三観音巡りを思い出す(笑)

一行は西へ向かって本郷通りを北上、首都高の下、薄暗がりの神田橋に到着。
金色の「豊展観守像」の前で立ち止まると、 一斉に「ああ、これ!」と声が上がる。
この前を通り過ぎる機会は少なくないので、一度はこの像を見ていたのだ。
だが今回、初めてここで立ち止って由来を読み、別のイントネーション、語尾上げの「ああ?」が響き渡った。
それには「こがね虫の擬人化」だと書かれているが、 神田橋のたもとに設置されていたせいか、メンバーはほぼ全員、金色の河童だと思っていた。
しかも、よく見ると女性ではないか。
そりゃ豊穣神は女だけど、何となく承服し難いものが....。

それに、今回やたらと大黒様や恵比須様など福の神が目立ったが、 本来こんな所にあったのは、旅人の安全を願う道祖神ではなかっただろうか?

続いて外堀通り沿いにある女性像、「昇」 (内神田1-18-12 北原ビル)である。
男性参加者は、大喜びで並んで写真を撮ったりしていたが、女性がやると顰蹙を買う。
そう言えば、コース全体を通して、女性像と抽象作品の比率が高い。
日本の都市に男性像は合わないのだろうか。
力強さは流行らないご時世なのかな。
[1]
「昇」 星恵三

[2]
何を楽しんでいいのか、次第に怪しくなってきた参加者。

[右写真]
12
34
56
昇
森の神 森の神の観賞 [3]
「森の神」 宮田亮平

[4]
喫茶店の外壁にひょこんと飾られているのだが、店内からもこちらがまる見えで、恥ずかしい。

[5]
金色の卵の中に、アボカドの種が混じっている。実はこれ、2週間前の試走の写真にも、しっかり映っていた(笑)

[6]
作品名/作者不祥の大黒天
無名の大黒天

神田警察通りに入ると、雑居ビル(内神田1-16 サニービル)の1階の喫茶店の壁に、 忽然と三等身キャラクタの「森の神」が出現する。
大変可愛らしいのだけど、この親しみやすさの代名詞のような形を、ブロンズの格調高い質感で作られると、 作者が何を迷っているのか気になってしまう。

それがいつまでも気にかかったのか、次の、作者も名称も不明の 大黒天(内神田1-16-8 三立社ビル)の前は、殆ど素通りしてしまった。
もっともこれ、顔付きが即身仏のようで、何となく怖いのだけれど..。

それから神田警察通りを西へ進み、錦城学園高校に近付くと、白いビル(神田錦町3-1 富士総合研究所)のエントランスに、 「シュプリンゲン」の銀の波頭がキラキラと輝くのが見える。
イルカの集団ジャンプ1/10スケールぴょんぴょん、夜間ライトアップのサービス付きで、 通行人も多く振り返って行く。
この作品の良さは、裏へ回ると見物人の表情の観察も出来ること。
さながら、イルカになった気分、なのである。

[下写真]シュプリンゲン 宮田亮平

シュプリンゲン
次の交差点を渡ると、角の建物(神田錦町3-3 竹橋33ビル?)に、鋭い爪を持つ銀色の手のような形 「豊穣<七つの莢の豆>」が目を射る。
随分マメが多い手だなあと思って見たら、マメはマメでも作物の豆、手指と思ったのも莢(さや)だった。
メタリックな質感が、背後のガラスと仲良く都市を映して、綺麗にマッチングしている。

それに対抗するかのような作品「響」が、 信号を渡った次のビル(神田錦町3-20 錦町安田ビル)にある。
こちらは艶かしく生気に満ちた形状で、切り開かれた心臓のような中から覗いているのは、 なんと争い合う二頭の牡牛。
がっきと絡ませ合ったままの角が、緊張感を煽る。
だが、作者はそれ以上はインパクトが強すぎると思ったのだろうか、 目の勢いは殺してあるような気がするし、 鼻の穴も呼吸の荒さを感じさせない。
[1]
「豊穣<七つの莢の豆>」(2003) 池田政治

[2]
「響」(2002) 丸山智巳

[3]
この作品には、鳴沢さんのメッセンジャーっぽいファッションがマッチしていた。

[4]
シュールな舞台装置の前で、現代劇の登場人物はこれから何をするのか....。
向かい合わせの作品
[右写真]
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力作の連続にさすがに足が止まる
最後に千代田通りを北上し、2003年完成したばかりの神保町三井ビルディングへ。
ここも小さな建物を整理して、1つの高層ビルへと変換した一角で、巨大な影が落ちる前庭は、よく風が通る。
だが庭園の一角はまだ工事中で、目当ての作品も工事用のバリケードとフェンスに囲まれていた。

まだ通行人からは隔てられた「Global Fusion」は、 絡み合うリボン状のベースに、漢字、アルファベット、ハングル、アラブ文字など、様々な文字が彫り抜かれている。
Global Fusion/工事中 回線がそこまで来ているのに、あと少しで繋がらない。
ふと、そんな会話をした頃を思い出した。

広場の中心には弧を描いた水の壁が、音も無く空の色を映し出し、揺らしていた。
北の隅にひっそりと立てられていたのがこれ、照明装置なのか監視カメラが内蔵されているのか、 もはや工業製品なのかオブジェなのか、境界が判然としないが、とにかく綺麗な形だ。
近くに「スパティウム」の銘板があった。
しかしこれはラテン語で「Space」の意味らしいので、庭園全体のデザインの名称かもしれない。
Global Fusionの観賞 [左写真]
12
3
[1]
「Global Fusion」 作者名失念
神田神保町1-105 神保町三井ビルディング

[2]
「スパティウム」 作者不祥

[3]
工事のフェンス越しに作品観賞。遺跡の発掘現場を見学しているようにも見える。

▼14:30 反省会と帰路

これで終わりです。

リーダーから声がかかると、あからさまに終業のベルが鳴ったような顔をするメンバー。
いや、リーダーも含めて、の話(笑)

後は学士会館でミーティングがありますから、レンタサイクルの人は、 先にグリーンチャリ東京へ返しに行って、他の人はここで待ってて下さい。

で、学士会館に駐輪場はあるんですか?

リーダーは首をかしげた。
実際、この界隈の建物の多くは、車寄せや駐車場はあっても、駐輪場が無いように見える。
この日は、盗難に遭いやすい人気車種のBD-1だけで何台か集まっているので、歩道に放置するのは危険だ。
結局交渉の結果、駐車場の一部に駐輪スペースを作ってくれる事になった、ああよかった。
と埃まみれの姿で格調高い建物に入るのは気が引けるが、 赤い絨毯の廊下など見なかった事にして、 用意された会議室に潜り込んで他のグループの到着を待った。

[右写真]
「これで終了」と聞いて、解き放たれたように走り出す一同。レンタサイクルの人など、 これが本日最後の走りになるのだから無理もない。
さあ終わった
お茶とお菓子をいただきながら、のんびり休憩していたら、何やら慌ただしい。
おのさんがPowerBookを開いて、プロジェクタに投影する準備を始めた。
撮影係が撮ってきた写真を整理してくれるそうだが、我々のグループを担当した[み]は不安そうだ。
こんな移動速度が遅いイベントでは、撮影枚数が1日200枚を超えてしまうのを、 おのさんは知らない。
その他に、試走の時に撮影した作品単体のデータ60枚もある。
全部の上映などするはずは無いだろうが、撮った場所や状況など、たぶん本人以外には整理が出来ないだろう。
だが、カメラからメモリカードを抜いておのさんに渡すと、データのコピーの後の指示は何も無かった。

[み]:本当にいいのかな?

後ろ髪を引かれながらも背後の気配に踵を返すと、大判の白地図が運ばれてきてコースを書込む作業が始まっている。
鳴沢さんと相談しながら、[直]が赤いサインペンでコースと、彫刻の場所を描き込んでいく。
面白そうなので、つい[み]も自分の地図を持って参戦。
その間に参加者の皆さんが、「良かった事」「問題点」を付箋に書き込み、出来上がった地図に張り付けて完成させた。

そして始まった反省会は、各グループごとに、スライドの上映の後、地図を示しながら感想を発表し合う。
我々が参加したAグループ「街角アートコース」の発表は、担当して下さった方がプレゼンテーション慣れしていて、 お見事な出来映えだったが、観賞した50点もの作品についてはいちいち述べている時間が無かった。
もちろん、スライドもおのさんが整理しきれなかったので尻切れとんぼ。

[み]:言ってくれたら手伝ったのになぁ....。

作業中のおのさん [左写真]
1
23
Bグループの「建物で見る時間の旅コース」は、見学する対象を絞って 充実した時間が過ごせたようだ。
Cグループ「千代田ぐるっと満喫コース」は、当初の走行予定20kmが30km近くになった上、 ママチャリには酷な首相官邸横の激坂上りもあったのだが、 思いっきり走って清清しい笑いが漏れていた。

こうして全部のグループの発表が終わると、次は各自の感想を述べ合って、お開きになった。
発表会の様子 [1]
撮影班(!)から集めたデータを整理するおのさん。しかし....。

[2]
地図を使って反省会。

[3]
他のコースも楽しそうだ。隣の芝生は青い?
[右写真]
学士会館の駐車場の一角に、臨時に作っていただいた駐輪場。

この後二次会があるそうだけど、お酒が飲めない我々には関係無い。
大体、これから走り慣れない道を1時間以上走って帰らなければならないのだ。
まきさんも疲れて具合が悪そうなので、一緒に帰る事にした。
学士会館の駐輪場
だけど、帰りのルートはまったく何も考えていなかったので、無芸にも靖国通り一本。
そのまま新宿通りに突っ込んで大混雑の歩道を歩き、まきさんを余計に疲れさせてしまった(ごめん)

それにしても、何て疲れる1日だったのだろう。
18km間で50点の作品を観賞したら、単純計算で360mごとに停止した事になる。
その他に信号もあるし、歩いた距離も含めると、要するに殆ど走っていないのだ。
やっぱり自転車は走っている時の方が楽だと、しみじみ思った。
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