課題2、太いケーブル、
      高価なケーブル程良い音がするか?


 インターネットのQ&Aコーナーや、AV関連の雑誌には、「太いケーブル、高価なケーブルを選べば
良い音が保証される。」と言った発言や、記事を目にします。これってホントでしょうか? 
 又、太い、高価なケーブルを購入したために、優越感を感じ、その呪縛により、良い音がすると
暗示をかけて聞いている、大金持ちの貴方は存在していませんでしょうか? 

 太いケーブルの音;
太い導体のケーブルの問題点に付いて、課題1で少し触れました。即ち、ケーブルと言う低域濾波器は
表皮効果が発現する周波数帯で歪を持つ可能性があると言う事です。(詳細は⇒導体⇒表皮効果へ)
ではどの辺から表皮効果は問題となるのでしょうか? 表皮効果とは導体に流れる信号の周波数が
上がると電流が導体の表面に近い方により集まって流れる性質で、導体表面からの深さ”表皮深さ”で
語られます。
(低い周波数の電流は導体の中心部を流れる??と言うようなことは起こりません。低い周波数の電流は導体中を均一に分布して流れます。)
 例えば外径2mmの導体は下図の様に表皮深さ1mmから表皮効果の影響が顕著になります。
その周波数は約4.5kHzです。音楽的にはもっとも重要な周波数帯で減衰量カーブに変極点を
持つのです。課題1の挿入伝送量の解析から分かるように、太い導体のスピーカーケーブルは
低域強調型である可能性が大です。この様な見方をすると、太い導体を安易に選ぶのは
良くないでしょう。
 シースの厚さを厚くしたり、更に必要の無いネット等を被せる事は静電容量をアップする等の
音質には悪い方へ向かう事もあり、必ずしも推奨できるものではありません。 
又、価格面でも高価になります。





 高価なケーブルについてはどうでしょうか?
 ケーブルの原価を考えると特殊な導体や絶縁体を使えば汎用ケーブルより高価になるのは
理解できます。最近は銅やプラスチック材料の価格は以前に比べ大きく変動していますから、
価格アップは仕方の無い所ですが、それを差し引いても明らかに高過ぎるものがあります。
その根源には趣味には高級品志向があり、高い方が値打ちがあると、購買者の”優越感”を
満足させる、この買い手のこの意識を逆手に取って高値を付けて大きな利益を得る売り手の
構図が見え隠れします。その為には高価にする何か理由付けが必要となり、在らぬ、
へんちくりんな理屈が出てきて、正当な購買者を惑わしています。
この様な悪循環がはびこる市場が一部に形成されてしまっているのでは無いでしょうか?

 屁理屈の落とし穴に落ちない為には、きちんと理に適った設計がされているか見抜く目が
必要です。一方、音楽、趣味には好みがあり、万能なケーブルは無く、色々な設計があって
しかるべきです。ケーブルの設計者又は販売者は、どの様な狙いを持って当該ケーブルを
設計したか、出来ればデーターを持って明らかにすることが大切であると思います。
この様な作業がないと、紆余曲折、詐欺まがいの製品に対する謳い文句が出てきてしまいます。


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