平成21年 5月
ついてはなれん親のよび声
先日、拉致被害者の田口八重子さんの兄・飯塚繁雄さんと田口さんの長男・耕一郎さんが大韓航空機
爆破事件の実行犯・金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚と韓国で面会されました。政治的な背景は、
言及しませんが、耕一郎さんが何もわからない1歳の時、母親が拉致されてから早くも30年以上の
年月が過ぎた今もお母さんと呼べない、抱かれたこともわからないのです。しかも交通事故死したと
聞かされたお母さんが生きているんだろうかと疑心を抱き、がんじがらめになって、苦しみをもち、
悩みをもち、涙していた日々でありました。金賢姫さんは、初めて見たその耕一郎さんを抱きしめ、
「だいじょうぶ。お母さん、生きていますよ。大きくなったね。お母さんに似てますね。私たちが会っ
ているように必ず会えますよ」と目を見つめ、涙ぐみながら言葉をかけました。その日本語は、まさ
に耕一郎さんの母親が教えたものでありました。後の記者会見で、耕一郎さんは、「金賢姫さんは、
私を韓国のお母さんと呼んでくださいと言われたのがうれしかった」と言われました。金賢姫さんの
言葉は、そのまま母親の言葉、未だにお母さんと呼べない私をいつでもどこでも呼びかけてくださっ
ていることに気づかされたのです。
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われとなえわれきくなれど ついてはなれん親のよび声
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わかれても おなじみおやの慈悲のなか み名 となえれば
呼びつ呼ばれつ
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同様に阿弥陀如来の親様は、どの道も進めない煩悩具足の私をすでに見抜いてだからこそ見捨てずに
おけない救わずにおれない、南無阿弥陀仏、我が名を呼んでおくれよ、あてたよりにしておくれよと
今ここで私に呼びかけ働きかけ下さっているのです。阿弥陀さまの御恩に感謝のお念仏を申しながら
朋に日暮らしをさせていただきましょう。