● 出会い 「クッキー」(meet 1)

私がクッキーと出会ったのは4年前、関東に珍しく雪が降り積もった
2月の日曜日でした。
テレビ番組の小犬プレゼントに応募したのがきっかけで
キャバリアという犬種と暮らすことを家族が望んだのです。
ペットショップに問い合わせ、キャバリアがいることを確認して
急いで電車に乗り込みました。
生まれた中で一番小さかったというクッキーが私の腕の中で
驚くほどシッポを揺らし愛らしい瞳で”私と遊んで〜”と
訴えていました。
一週間後、赤いリボンを付けて小さなダンボール箱に入り
クッキーが我が家にやってきたのです。
手のひらに乗るほどの小さな身体の茶色が焼けたクッキーのようなので、
その名前に決まりました。
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● 初めてのお泊まり

小犬はなんと可愛いのでしょう。見ているだけで心が和みます。
室内犬を飼うことが初めてでトイレの躾に戸惑いました。
本を読んで勉強してもなかなか現実は思うようにはならず
オシッコをジュータンにされて何度泣いたことでしょう・・。
それでも繰り返すうちにトイレで出来るようになりなりました。
そんなある日、思いがけず私が病気、手術入院となりました。
子供達は実家に預け、クッキーはペットホテルへ預けることになり
まだ7ヶ月のクッキーのことが気になって気になって、
毎日ペットホテルに電話をしてまったほどです。
食が細く、臆病な性格なので知らない所に預けることが
どんなにストレスを感じるかと思うとベットの中で何度も
”ごめんね、ごめんね・・・”と自分を責めたりもしました。
退院してクッキーを迎えに行った時、飼い主が病気なんかしていられない
とペロペロされながら強く思いました。
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● ももとの出会い(meet 2)

クッキーは大人しくて人間は大好きだけれど、犬は苦手。
散歩中も犬を見かけると、クルッと後ろを向いて
逃げようとするほどです。
それが、突然ももが我が家にやってきたのですから
どんなに驚いたことでしょう。
苦難の道がまっているとはクッキーは夢にも思わなかったのかも知れません。
ももとの出会いは一冊の本が始まりでした。
イギリスのブリーダーさんのジョン・エバンスさんの書いた
”キャバリア この愛すべき友人たち”を主人からプレゼントされたのです。
丸ごと一冊キャバリアのことだらけの本は初めてで
ページをめくると美しいキャバリアの写真が目にとまる魅力的な
本です。翻訳者の坂井さんに感想メールを差し上げ、
毎日お話ししている内にすっかりトライカラーの魅力にはまり
クッキーの妹分として我が家にやって来たのです。
犬が飛行機に乗ってやってくる・・・私には信じられませんでした。
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● クッキーの苦悩

ももはクッキーの小犬時代よりもずっと大きくてコロコロとして
飛行場で会った瞬間”バッグに入らないかも・・”が第一印象でした。
バス、電車と乗り継いでも吠えることもなくなんと良い子!
我が家に着くとバーバリーのバックから飛び出して、ピョンピョン
跳ね回ったと思ったら、クッキーのオッパイを吸ってしまったのです。
突然の出来事に驚いたクッキーの表情が忘れられません。
離乳して間もなかったのでママと間違えのでしょうね。ふふふ
犬嫌いが犬にオッパイを吸われ、望んでいないのにピタッと
隣りに寄り添そそうももに、クッキーはどんな思いだったのでしょうか。
先住犬をまず優先にすることが多頭飼いの大切なポイントだと
アドバイスされ、そうしたつもりなのですが、ある日クッキーは
ストレス性の下痢となってしまったのです。
成犬となってからは外でしか排泄をしなかったのに絨毯に洩らして
部屋の片隅ですまなそうにしている姿を見ると涙が溢れ
抱きしめながら多頭飼いの難しさを感じました。
薬で治ったものの、愛嬌だっぷりに擦り寄ってくるももに
クッキーは横目でチラリ・・・”いやだなぁ・・”言葉は発しなくても
その表情で気持ちが十分理解できました。
一ヶ月、二ヶ月・・少しづつ家族として認めてくれるようになり
隣りにももがくっ付いていても諦めるクッキーの姿が見られるように
なり、ようやく私も胸の痞えがおりた気がしました。
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● お散歩

クッキーの初めてのお散歩デビューは4ヶ月、シッポをフリフリ
小犬独特の可愛さで、すれ違う人の視線を浴びて私も少し得意げでした。
当時('94年頃)近所にはキャバリアはまだ少なく、会う人ごとに”なんという犬なの?”と
聞かれることが多くありました。キャバリア・キング・チャールズなんて
長い名前を言うとちょっとたじろぐ様子がおかしくて
わざと早口で言うイジワルな私です。
近所のミニチュアダックスのダウくん(牡犬)に乗られてしまってから
犬嫌いになったような気がします。
人間は大好きで寄っていきたいけど犬が恐い、クッキーはそんな子でした。
クッキーに物を投げて取ってくるという遊びを覚えさせると
お散歩に行こう!と誘うたび、嬉しそうに何かしら玩具を咥えてくるように
なりました。熊のぬいぐるみだったり、デンタルコットンだったりと
その日の気分で咥える物が変わるのです。
そういう場合は気が大きくなるのか堂々と散歩する妙なクッキーです。
きっと子供がするような指しゃぶりと似ていると私は解釈しています。
犬の気持ちが知りたいな・・・。
田んぼのあぜ道を歩いていると雀やカラスが舞い下りて来ますと
前足を片方上げるポイントの仕種に遠い昔、狩りをしていた頃の様子が
思い浮かべられました。臭いものを発見すると身体をこすり付けたりと
野生的な姿も不思議な行為に見え 、ますます犬の行動と心理に
興味が湧いてきます。
お散歩は飼主との楽しいひとときでもあり、犬本来の姿を発見する時でも
あるのかもしれませんね。
ももは好奇心旺盛で恐いもの知らず、お散歩行こう!の言葉で興奮して
ワンワン廊下を走りまわる姿が可愛いです。
二匹になってからは二股のリードでお散歩をしています 。
別々のリードだと絡んで楽しいはずのお散歩も私が疲れてしまうから。
ももが成犬になるまではキャバリアと優雅にお散歩するなんて遠い夢・・。
私の横に二匹が並ぶ順番を決める様子がなかなか興味深かったです。
クッキーが右になるとももが右に・・左になると左に・・・。
歩きながら位置を変えるので結局リードが絡んでしまいます。
ももは他の犬と出会うと挨拶をしたくてグイグイ引っ張り、クッキーは
出来たら逃げたい・・まったく性格が反対で見ていて笑えます。
ももが我が家に来てクッキーが犬らしくなりました。
先住犬の特権なのか、ももに対しては唸ったりして威厳を
見せるようになりました。
ゆっくり食事するクッキーを横に早食いのもも・・・もっと欲しくて
ついクッキーのお皿に顔を入れるとガルルゥとの一声でビビルもも 。
上下関係が出来てやっと多頭飼いも落ち着きました。
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● 恐がり屋さん

クッキーは小さい時から恐がり屋さんでした。
テッシュの空箱を側に置いただけでビクッとして後ずさりするほどです。
特別恐い思いをさせたことが無かったで性格なのでしょうか。
トイレの躾がまだ出来ず絨毯にしてしまった時、主人が頭を叩いたことが
ありました。とっさのことだったので止めることが出来ませんでした。
驚いたクッキーは部屋の隅でじっとうずくまって震えてしまいました。
キャバリアは感受性が豊かなので叩いたりしてはいけないだけに
どうなるのか心配でした。
翌日、クッキーを抱っこして主人の側にいると、私の脇に顔を隠し
時々恐いもの見たさにチラッと主人を見る姿に思わず笑ってしまいしまた。
そんなことがあった週末、私と子供達が実家に泊まりに行くので
クッキーと主人がお留守番となったのです。はっきり言って心配でした。
しかし、予想を反して二人は留守中に仲良しになっていたのです。
それ以来、クッキーのボスは主人になりました。
クッキーは雷や花火が苦手でとてもパニックになってしまいます。
ソファーの後ろに隠れ、息をハアハアさせそれはそれは一大事。
そんな時抱っこをしても効果はありません。
ひたすら穴を掘ってそこに隠れたいという行動をするのです。
姿が見えないので名前を呼ぶと洋服タンスの中から出てきたり
本箱の下の棚にかくれていたりと首を傾げるような不思議なことが
起こるのです。
せっかくスキッパーがあるのに何故なんでしょう・・。
今年はそれがエスカレートしてしまったので困りました。
仕事を終えて帰ってくると、クッキーの手足が真っ黒になり
息使いも荒く様子がおかしいのです。
急いで部屋の様子を見ると、なんとキッチンが荒らされていたのです。
椅子やゴミ箱がひっくり返り、食器棚の引き戸があけられ中味が出され、
流し台の下の扉が開きフライパンが飛び出していたのでびっくり・・・。
クッキーは大人しくて悪戯をすることがなかっただけに驚きました。
留守中に、いったい何か恐い物音がしたのでしょうか。
ももはその間何をやっていたのか・・・謎です。
そんなことが数回おきて、やっと夏が終わりました。
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● 海での出来事

ももがもうすぐ一歳になるという頃に湘南の海に出かけました。
犬と一緒に家族が出かけることは珍しいので早起きも苦では
ありませんでした。早朝の海は気持ちのいいものです。
潮風がキャバリア達の飾り毛を揺らし、可愛い足跡が残る砂浜・・。
サーファー達に可愛がられて幸せな気分でした。
そんな時、思いもよらない出来事が起こったのです。
ももは恐いもの知らずで先へ先へとリードを引っ張り
クッキーは波の音が恐くて反対側へ行こうとするので
私は、慌ててリードを離してしまったのです。
ももは波打ち際から海に向かって無邪気に走り出しました。
名前を呼んでも嬉しそうにどんどん遠ざかってしまいます。
波がザブンとももの身体をさらっていきそうになりました。
”あっ危ない!”とっさのことで何も出来ないで悲鳴をあげると
側にいたサーファーが海に入って、ももを助けてくれたので
難をのがれることが出来ました。
いざという時に何も出来ない情けない飼主・・・大切な命が
何ごとも無くて本当に良かったとももを抱きしめていました。
その後、恐いもの知らずのももが水が苦手になったということを
付け加えておきます。
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● 悪戯

ももは今年で2歳になりました。
今はちょっぴり落ちついてレディに変身中です。
パピー時代のももは好奇心旺盛でじっとなんてしていられない子でした。
クッキーが特別大人しかったということを、ももが来て気がついたほどです。
ピョンピョン飛びはね、ぜんまい仕掛けの人形ような動きをして愛嬌たっぷりの
ももは我が家にたくさんのハプニングを運んできました。
キッチンマットや靴を運び、ゴミ箱の中身をこっり咥えてソファーの後で
食べたりと叱りながらも”これが犬本来の姿なのね”と笑っていたのです。
そんなある冬の日曜日、家族で中華街に食事に出かけた時のことです。
留守番させたことに後めたさを感じつつ帰ってくると、二匹が嬉しそうに
ペロペロして挨拶をしてくれ、ほっとしたのもつかの間、リビングに入ると、
なんとコタツのコードが食いちぎられていました。
クッキーの時は平気だったので知らずに油断していたのだと思います。
スイッチは当然切ってあったものの、コンセントは入ったままだったので
スッチを中心に左右どちらかを契るかで、ももの運命が変わっていたかも
知れないと思うとゾ〜っとしてしまいました。
時間が経っていたので叱っても意味が通じてくれなかったようで
私の声に驚いて机の下に隠れて恐がるももでした。
コード契りはまだ続きました。
娘が毎朝使うドライアー、アイロンのコードを2回。
私の叱り方が甘かったのですね。今度は首を掴みひっくり返して
今までないくらい猛烈に怒るとやっと懲りたようで、その後は
一度もありません。わざとコードを見せて脅かすとスタコラ逃げる
ようになり、やっと悪戯の最盛期が過ぎていきました。
今、思い返すと、そんな時代も懐かしさで一杯になります。
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● 想像妊娠

クッキーとはペットショップで出会いました。
両親犬がどんな犬なのか、どのような暮らしをしているのかは知りません。
血統書上の名前だけで想像しては会いたいなぁと思ったこともありました。
クッキーの初めてのシーズンは生後6ヶ月で訪れました。
子供の頃、牡犬しか飼ったことしかなかったので室内で
どう対応して良いのか色々と戸惑いました。
まだトイレの回数が多く、パンツをはかせると、その中で
お洩らししてしまうことがあり、初めてのシーズンは
小犬にとってちょっと可哀相な気がします。
人間よりもその期間が長く、やっと終わってしばらくすると
食欲が無くなってしまいました。もともと小食でウナギキャバの
クッキーが益々痩せて元気もなく心配になりました。
それが終わると今度はお乳が膨らんで赤くなり、心配して獣医さんで
症状を訴えると”想像妊娠ですね。乳腺が腫れているんでしょう。
放っておいても大丈夫ですよ”と言われ素直に従った無知な私です。
その後も毎シーズン事に同じような症状が続きました。
ホルモンバランスが悪いということは、もしかしたら婦人科系の病気に
なっているのかもと急に不安になり、白血球の検査を依頼しました。
結果は正常・・・ほっとはしましたが、これからずっとこんな心配を
続けることが果たして良いものだろうか・・。
逃れる為には避妊手術という方法を選択しなくはなりません。
想像妊娠とはいえ他は健康な身体です。それにメスを入れるなんて
想像しただけで恐くて出来ませんでした。病気になったら
その時手術すればいいのだから・・・と自分に言い聞かせたのでした。
パピーだったももに、オッパイを吸われてから益々本格的な
想像妊娠の徴候が現れました。
指で押すとミルクが出るようになったのです。
それに巣作り行為として夜中に押し入れをガリガリしたり、日中は
娘のベットの下に潜り込み、私が仕事から帰ってきても
顔をちょっと見せただけで引っ込むようになりました。
これでクッキーは幸せなんだろうか?
抱きしめながら何度も何度も自分に問い掛けました。
ペットとしてこの世に生を受け、楽しい時を飼主と過ごすこと。
それがこの子の一番良い生き方ではないだろうか。
悩んだ結果、やっとそう結論を出したのです。
手術は私の仕事が長期に休める夏に決めました。術後ずっと
側にいてあげられるように、それがクッキーにとって精神的にも
安心できるだろうというせめてもの気持ちでした。
世間では一般的な手術であっても心配はつのりました。
いつもはお転婆のももも、クッキーが入院中は解っているかのように
大人しいのが印象的でした。
思っていたよりも犬の回復力は早くて、私を驚かせてくれました。
現在では食欲も出て一年を通して楽しい時を過ごせるようになり
手術を選んだことに後悔はありません。
ずっと健康で楽しいだけの犬生を送ってもらいたい・・それだけです。
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● ハートチェック

今年クッキーはクリスマスイブで5歳になります。
去年、4歳の誕生日のプレゼントにハートチェックをしました。
心臓のエコーは初めてで、クッキーはガダガタ震えてしまい
エコーに写った心臓がバクバク激しく動いて、思わず先生達も
笑ってしまうほどでした。
私には何がなんだか解らない画像ですが、先生が途中で良い映りで
ストップして詳しく説明してくれたので、なんとか理解できました。
僧帽弁が開いて閉じて開いて閉じて・・と正常な働きを目の当たりにして
ほっとしました。4歳という心臓病になるピークであるだけに、結果が
悲しい知らせとなったら・・と恐い気持ちで私の心臓もバクバク気味。
取りあえず健康であると解り、喜びの誕生日が迎えられました。
記念にエコー写真を頂きました。
今の所、1年に一回ですがキャバリアとして生まれてきた以上、
ハートチェック続けていこうと決心しました。
エコー代は4000円、健康を維持するためなら安いですよね。
3歳の春ごろ発見したクッキーの角膜ジフトロフィーなのですが
表面の白っぽい膜が以前よりも薄くなり良く見ないと解らないほどに
なりました。避妊手術が何か影響があったのか・・先生は関係ないでしょうと
言っていましたが他には原因はないし・・・取りあえずほっとしました。
アメリカの眼科の先生に相談してくれたそうなのですが、キャバリアは
失明するまでにはならないから大丈夫だと言われたそうです。
クッキーは色々と問題を抱えていますが、このまま元気でいて欲しいと
願っています。
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● 初めての取材

99年2月友人からの知らせで時々行く相模原公園で愛犬雑誌『チャンプ』の
取材があるからと誘われた。雑誌に投稿することもほとんど無かったので
取材っていったいどうな風に???と好奇心を掻き立てられた。
ももがタイミング悪くシーズンになってしまい、急きょ犬嫌いで怖がり屋の
クッキーを連れて参加することにしました。
電車では怖がって暴れないようにとバッグを肩から降ろさず耐え、
バスに乗り無事公園へ・・・クッキーと電車では初めてのお出かけだったので
辿り着いたことがなんだか無償に嬉しかった。
やった〜と叫びたいほどの達成感を覚えたほどです。
これだけでも十分行った甲斐がありました。
公園の常連さんでも無いのにクッキーと一緒でこんな機会はもう無いだろうと
ちゃっかり前列に並び集合写真を撮ってもらう。なんて親バカなんだろうか。
クッキーは外に行くと不安を解消する為に石をくわえるのが習慣で
この時もしっかりと石を探しくわえていた。
それが笑っているように見えるのが面白い。
その頃はキャバリアが4色が揃うことはまれで、トライカラーも珍しいほど。
それが揃ってしまうのがここの公園の凄いところだ。
各色ごとにベンチに座り写真撮影が行なわれた。
犬を撮るのはタイミングが難しい上、数匹だと予想以上に時間がかかる
作業になる。飼い主さん達が『待て! 待て!』と命令する声が青空に響く。
撮影だったのが次第に『待て』の我慢大会へと変貌・・。
クッキーは石をくわえていたので最後までただ1匹ベンチに残った。
拍手をもらいなんだか優勝したような気分になってしまう自分が笑えました。
本が発売されページを開いた瞬間、予想していたよりも大きく掲載され
ちょっと恥ずかしいですが、クッキーとの記念すべき思い出となりました。
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● 股関節脱臼

犬と暮らすということは楽しいことばかりではありません。
思いもよらない出来事が待っているとは当時予想も出来きませんでした。
毎年夏になると怖がり屋のクッキーのパニックが始ります。
99年は早くからそれが起こりました。
朝から強風だった5月下旬、
仕事に行く支度をしていると不安そうな表情で後をつけてくるクッキー。
その日に限って半日の仕事が1日となり急いで帰ってくると
子供達が『お母さん、クッキーが変だよ。足がダラ〜として痛がっているよ』
ヨロヨロと痛みをこらえながら歩いて、私に挨拶しようとする姿に驚いてしまいました。
すぐ掛かり付けの獣医さんへ・・・。
レントゲンの結果”大変なことになっていますよ、股関節が外れています。
こんな風になるにはよっぽどのことがないとならないです”と言われました。
レントゲンを見ると外れた骨が関節の上に乗っている形に見えました。
いつも通りのお留守番だったし、風が強かったから窓も閉めて
おいたのに、それでもまだ怖かったのでしょうか。
娘のクローゼットの棚をガリガリして中味を掻き出してありました。
でも前足なら解かりますが、何故後ろ足なのか・・・謎です。
内科的な治療方法と(ギブスで固定させ自然に付くまで待つ)
外科的な治療方法(金属の針を通し固定させ後で抜き取り2度と外れないようにする)
早急にこの二通りから選択しなければならず一瞬迷いましたが完全に治す外科的方法を選びました。
これから先も元気に走り回れるようにと・・・。
避妊手術の時はあれほど悩んだのに今回は悩む余裕もありませんでした。
クッキーは応急処置としてギブスをして、3本足でピョコピョコ移動。
痛みはないようなので救われました。
手術当日、先生から連絡が来るまで生きた心地がしませんでした。
2、3週間はギブス生活でその後はリハビリとのこと。
クッキーといろいろな経験をするたび一歩気持ちが深まった気がします。
運命っていつ何が起こるか分からないものだとつくづく感じました。
クッキーの経過は順調で予定通り退院。
診察室で対面した時はちょっとびっくりしました。
右下半身が剃られて肌が丸見えだったのです。
痛々しい傷跡はL字型で避妊手術の時よりも深く大きかったのが印象的でした。
術後の生活は特に気をつけることはないようで普通で良いとのこと。
一ヶ月後には金属ピンが抜かれ(簡単な手術で抜ける)その後はリハビリになると聞かされました。
化膿止めの抗生剤を6日分貰う。
お泊まり中の排泄は外じゃなくケージの中でしたと聞き
頑固で絶対外でしかしてくれない子だけに我慢しきれなかったと思うと可哀想でした。
用心深いクッキーは獣医さんでは食事はほんの少ししか食べなかったのですが
帰ってきてすぐ薬と一緒にいつものフードをあげたらガツガツすごかったので
ほっとしました。やっぱり家が一番安らぐのですね。
退院した時、ももはクッキーから何か臭いがするようでクンクン嗅ぎまわっていました。
ももはいつも通りのように見えたけれどクッキーに会ったら生き生きした表情。
やっぱり二匹いなくちゃ寂しい。
心配だったけどもう目の前にいるからやっと安心しました。
抜糸が終わった。これでとりあえず、一段階突破。
一週間後レントゲンで正しい位置に固定されているか見るまでは安心出来ない。
ギブスは足の間接の通り折り畳み巻き付けて固定をするのだが
固定した部分の膝に食い込んで傷が出来ていのに気が着かなかった。
朝一番に獣医さんに行って、今度は膝の傷(昨日は血がにじむ)を
外した形でしっかーーーーり固定してもらいました。
クッキーのレントゲン画像を見ながらの説明では、
経過は順調でしっかりと固定が出来ていた。
足を伸ばしてレントゲンを撮る時も痛がることもなく
これならあと、2週間したら金属ピンを取り外しても大丈夫とのこと。
二週間後の土曜日に簡単なピンを取り出す手術をすることに決定。
今回は鎮痛剤程度で傷もほんの少しで、日帰りが出来るそう。
そう思って安心していたが迎えに行くと麻酔がまだ覚めず
瞬膜が出ていてトローンとした目が痛々しかった。
そんな状態でも私を見ると嬉しそうにシッポを振る姿がいじらしくて
目頭が熱くなってしまいました。クッキー本当に頑張ったね!!
術後はギブスもはずして4本足になるとのこと。
初めは歩けないだろうけど、少しづつ距離を伸ばして練習。
今後どうなることか、やってみないと解らない。
でも外科手術を選んで良かったと思う。
内科的だったら、まだまだギブスだったろう。
その後予想以上に回復が早く、テープで固定したまま距離は短いが
近所にお散歩も開始。
3本足も慣れてピョンピョン歩く姿も見慣れて犬の適応能力に関心しました。
4本足になったとたん走り出すクッキー。
先生も驚かれていたのでなんだか嬉しかったのを覚えています。
1年以上過ぎた今は遠い昔の出来事だったように感じます。
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● マルコヴッチの穴?!

夏になり花火の音が聞こえると私までどきっとするようになった。
それほどクッキーの怖がり屋が年々エスカレートして来たのだ。
それはマンション内の夏祭りの出来事でした。
近所の主婦友だちと盆踊りを見ながら楽しい宴会でもりあがり
そろそろ帰ろうかと思ったころ、先に帰ったはずの息子が
『大変だよ、クッキーが・・・』驚いて家に戻ってドキドキしながらあたりを見回すと
和室の押し入れにぽっかりと穴が開いていました。破片が室いっぱいに
散らばっていました。
側には舌をびろ〜んと真っ赤にしてハアハア息遣いの荒いクッキーが
私を見ていました。どうやら留守中に花火の音があちこちからして恐怖から逃げようと
押し入れをガリガリ掘ったようだ。ぽっかりと開いた直径20cmほどの穴を見て私は
最近見たばかりの映画をふと思い出した。『マルコビッチの穴』と名付けられた
押し入れはその後主人の技術によりふさがり一見落着となりました。
今年で7歳の彼女が益々穴掘り名人のパワーが上がり先が思いやられそう。
ももは花火でも槍でも雷でもなんでも平気なのになんで何故クッキーばかり。
今年は雷も多くクッキーの心臓が高鳴る回数が多かった。
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● お宝取材

2000年夏の終わりに我が家に1本の電話がかかってきました。9月末発『Dog days』
のキャバリア特集に私の集めたキャバリアグッズを載せたいので取材させて下
さいとの依頼の電話だった。なんでも皆が欲しがりそうな高級グッズを要求さ
れた。『えっ? そんなのあるかな・・』と一抹の不安がありつつも、ちょっと
わくわくその日を待っていました。当初、カメラマンさん一人撮影に来てくれ
るという話しだったのにピンポーンとチャイムが鳴って玄関に出てみると、な
んと三人も!! カタログ風に載せたいのでそのプロのカメラマンさん、そして
アシスタントの女性、編集者さんの三人である。オバタリアンの私でもちょっ
とびびった・・。機材が運ばれスタンド式のライトが設置され、狭いマンショ
ンのリビングの片隅がフォトスタジオに変貌する様はちょっと面白かった。
いよいよ撮影となり、テーブルにご自慢のグッズ達を並べてみる。
編集者さんの好みか大手有名なグッズ、見たことのあるグッズは撮影されず、
手作りのまだ知られていない他社では掲載されていないような物を優先に撮影は進められました。
あれもこれもと出してみたが採用されたのは半分程度。無事撮影がおわった所を
『せっかくプロのカメラマンさんが来たのだから、クッキーとももを撮ってもらえますか?』と
図々しく言ってみた。気持ち良く了解してくれ、おやつのササミで釣って無事撮影を済ます。
愛犬を紹介する投稿型の雑誌とは違うのでおやつシスターズは掲載はされない予定でした。
本の発売まではどのようにグッズが掲載されるのか、はたまた没になるのか謎のままでページを開くまで心臓は高鳴るばかり。
結構こう見えても私って小心者である(笑)。オールカラー見開き2ページという豪華さで
自分の持っているグッズなのに本物以上の写りでさすがプロと思わず唸ってしまうほどでした。
それになんとクッキー達がまるで置き物化したようにドーンと掲載されていて目を疑ってしまうほど良い記念版となりました。
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● フィラリア

幸せそうに眠るクッキーとももを見ていると、ある出来事を思い出しては目頭が熱くなることがあります。
私が子供の頃飼っていた雑種のブクのことです。
それは野良犬がいるのは決して珍しく無い時代、実家の前の薮に住み着いた野良犬の親子がいました。
どこかで数匹の兄弟で生まれたブクはダンボールごと川に捨てられ母犬のフジが1匹だけ決死の覚悟で
くわえて持ち帰ったのが牡犬のブクでした。
その頃は野良犬には寛大で食べ残しをあげたり、地域によって名前を付け可愛がったりと結構黙認していた時代でもありました。
私が学校に行く時、親子一緒に付いてきました。
危ないからシッシッと追い払ってもトコトコ付いて来るのが可愛いかったです。
駅が近づくと親子で踏切りの前に座り、私が乗っているであろう電車を見送る姿が子供心にジーーンと感動したことを今でも覚えています。
ある日、母犬のフジがなんと私と一緒に電車に乗り込んでしまい次ぎの駅で降り、その後行方不明になったのです。
学校から帰ってあちこち探しましたが見当たりませんでした。子犬を残してどこに行ってしまったか・・。
それからブク1匹の野良生活が始りました。
どんなにか心細かったことでしょうか。
私と兄はこっそり自分の食物をあげ見守っていました。
近所から見るとまるで家で飼っているかと思われるほどすっかり住み着いて仲良くなっていました。
交通事故に合い瀕死の姿で生きようと怪我と戦った事もあり見兼ねて、
母に『ブクちゃんを飼ってもいい?』と頼んでみることにしました。
『誰が世話をするの? 』となかなか許可が出ませんでしたが、情熱が伝わったのか
やっと許しをもらえ晴れてブクは飼い犬へと昇格しました。
その頃は犬は外で繋いで飼うのが当たり前、私が学校から帰る時間になると
急にそわそわするので母にも私が帰ってくるのだと分かったそうです。
『只今?』の声と同時にブクと私は芝生の庭を転がりながら戯れ合いどこに行くのも一緒でした。
友だちと喧嘩して泣いていると、ペロペロ嘗めてくれるブク。
ある日顔にダ二がいっぱい付いてしまいDDTを嫌がり逃げ回るブク。
身体のあちこちが禿げて無惨な姿になり母親が保健所に連れて行くと言い出し悲しい思いをしていると途中で逃げだし難を逃れたブク。
夜中こっそり首輪を抜いて近所の雌犬に子供を産ませてしまったプク。
ある年、咳をして元気が無くなってしまい、犬に詳しい人が『それは心臓に虫がグルグル巻き付いてしまう治らない病気だよ』と教えてくれた。
当時、今のように獣医さんに連れていくことは無く、ただ様子を見守ることしか出来なかった。今だったら絶対連れていったのに・・・。
ある年の冬、クッキーが居なくなった。探したけれど見つからなかった・・。
数日してから家の前の薮の中で息を引き取ったブクを見つけた時は死に対する恐怖と悲しみで言葉が出ませんでした。
あんなに大好きだったのに亡骸を触ることも出来なかったのです。
保健所に引き取ってもらう時はわんわん泣きました。ごめんね、ブク。
学校に行っても写真を見ては泣いて男子にからかわれたこともあります。
初めて出会った愛犬なのに子供だった私は何もしてあげらなかったことが大人になっても後悔の念でいっぱいでした。
もう犬は絶対に飼わない、あんなに悲しい思いは二度としたくないと・・・。
そんな私も結婚をして子供に恵まれ、『お母さん、犬が飼いたいよ』と言われた時、
ブクの可哀想な死を思い出し、『ここはマンションだからダメよ、誰が世話をするの?』と
母親に言われた言葉と同じ様なことを言ってしまう自分がいた。
しかし子供達の犬を飼いたいという気持ちが十分伝わって来たので許可してしまい
今度は今度こそは同じ失敗をくり返さないようにと自分に誓いました。
その後クッキー達と巡り会うことが出来き、楽しい思い出をいっぱいもらっいています。
でも、命に永遠ということはありません、悲しいけれどいずれこの子達を見送る時が訪れることでしょう。
でもそれが飼い主としての責任になるのですね。
ブクちゃん、天国から私達を見守ってね。ブクちゃん本当にごめんね。
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つづく
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