ウキゴリ属 その3(シンジコハゼージュズカケハゼ類)
Genus Gymnogobius  →ウキゴリ属内の系統

 ジュズカケハゼ類はおもに淡水の河川・湖沼に生息する.これらの種は,「雌」が明瞭な婚姻色をあらわすため,多くの魚類とは性的二型が逆である.ただし,雄が巣を作り、卵を保護するという点では他のハゼと同じである.
 現在,ジュズカケハゼ類はジュズカケハゼG. castaneus とシンジコハゼG. taranetzi の2種に分類されているが,今後の研究でジュズカケハゼが複数種に分割される(次ページ参照)とともに,シンジコハゼとの異同が見直されることは確実と思われる.


シンジコハゼ(富山県産)
(2003.4.16向井撮影・ 二橋亮氏採集)

 北陸から山陰地方と,ロシアの日本海側に分布.写真はメス(上二段)とオス(三段目).

 メスは,繁殖期になると鰭が黒くなり,鰭と喉を広げて求愛する(二段目の写真).オスはほとんど色が付かないが,尻鰭などが,若干黒くなる.

 頭部感覚管の開孔が2対あることでジュズカケハゼ(開孔なし)やビリンゴ(3対開孔)と区別できるとされるが,実際には変異が多いようである.

 この写真の個体は,図鑑などに見る宍道湖産シンジコハゼ゙とは婚姻色が微妙に違うものの,頭部感覚管開孔があるので(写真最下段矢印),「分類学的には」シンジコハゼと同定される.


ジュズカケハゼ(秋田県産)
(2001.5.21撮影・ 篠崎敏彦氏採集)

 東北・北陸・北海道の平野部に生息するジュズカケハゼのメス(写真上).第一背びれに黒斑がある.
 オス(写真下)は第一背びれに縞状の模様があり,黒斑はない.基本的に,頭部感覚管以外でシンジコハゼと異なるところはない. 


ジュズカケハゼ(新潟県産)
(2001.8.20撮影)

 新潟平野の比較的大きな湖沼で採集した個体.体型や顔立ちはビリンゴとよく似ており,体つきに比べて小顔で,吻端がややとがるような印象がある.両目の間も狭い.


ジュズカケハゼ(千葉県産)
(2003.10.27撮影)

 利根川水系下流部につながる水路で採集した個体.上・下段がメス,中段がオス.

 関東平野の大河川中流域にいる種類とは,雌の背鰭に黒点があることで見分けられる.



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