Limited EditionVOL72
−ジャライノール露天掘り鉱山 Jalainur Opencast Mine−


Report by DML61-ZB

 2007年12月29日から2008年1月5日までの日程で、中国内モンゴル自治区のジャライノール炭鉱へ行ってきたので当地の状況をご報告します。
 ジャライノールはロシアとの国境の街・満州里からハイラル方面へ約25qのところにある炭鉱町です。グーグルアースで北緯49度26分・東経43度31分あたりを見ると露天掘りの炭鉱とその周囲が高精細画像で見ることが出来ます。露天鉱自体の大きさは南北約4キロ、東西約1.4キロの細長い形をしています。有名な遼寧省撫順の西露天鉱よりはだいぶ小さいものです。炭鉱の最盛期は石炭の暖房需要がある11月から4月で、夏期は最盛期の半分程度の稼働だそうです。
 ここで使われているのは全て上游形です。炭鉱の責任者・徐氏によると、現在の在籍数は54両とのこと。ただしこれは廃車体も含まれているようで、実際に稼働しているのは40両前後と見ました。
 炭鉱の鉄道は、露天鉱内と鉱外の2系統に分かれています。露天鉱内には常に10〜20両の蒸機が24時間態勢で稼働しています。一度鉱内に入ると何日も出てこないようです。給水・給炭や簡単な整備は鉱内でし、大がかりな整備が必要になると地図左上の修理工場に入場します。乗務員のみ鉱内で交代していました。カマの向きは露天鉱内は全てそろえてあります。
 鉱外線は露天鉱内から地下ベルトコンベアで鉱外の東方紅站構内にある積み込み場に送った石炭を貨車に積み国鉄線に引き渡すのと、いくつかある小規模な坑内掘りの炭鉱からの石炭を積み込み場に送ること、郊外にある発電所への石炭輸送などに使われています。東方紅站付近の入れ替えと国鉄線との受け渡しに使われている線は結構頻繁に運転されているようですが、それ以外はあまり動きは見られませんでした。ただし、私たちが行ったときは東方紅站構内は立ち入り禁止とのことで撮影できませんでした。
 露天鉱内の列車運行形態は運炭列車とズリ(土砂)捨て列車の二通りあります。運炭列車はひたすら鉱内下層の採掘現場と上層の石炭積み卸し場までを往復します。積み卸し場に乗り入れる関係から必ず貨車はカマの後ろに6両連結し、一番カマ寄りの1両は控車代わりになっています。
 ズリ捨て列車は貨車をカマの前に10両連結して石炭以外の土砂を鉱外のズリ捨て場まで運びます。こちらの方が列車重量があるので、ドラフト音も大きく空転も頻発します。
 撮影ポイントは主に露天鉱内になります。鉱内で撮影するには1日あたり一人50元の撮影料が必要で、手配を依頼した旅行社を通じて撮影許可を取り、撮影初日に現地で支払いました。外部から撮影する分には不要ですが、せっかく来たなら撮影料を払って露天鉱内に入ることをおすすめします。地図にある炭鉱事務所の前あたりから鉱内に入る道があります。この道を降りていき最初に線路に接するのが510站付近です。ここは露天鉱内に出入りする列車が必ず通ります。また、毎朝7:30頃と9:00頃に露天鉱内で働く職員通勤用の客レ(カマ+客車1両)もここから出発します。線路を横断するとさらに下へ続く階段がありますからそれを降りたところが石炭積み卸し場構内です。ここから先は線路に沿って歩き回るも良し、線路のある段の反対側から俯瞰するも良し、と撮影者の好み次第です。ただし、下層にある採掘現場付近は立ち入り禁止です。ダイナマイトを使用して岩盤を崩す発破作業が行われて危険だからです。それ以外はどこに行ってもとがめられることはありませんでした。職員はみなフレンドリーで、特に乗務員は手を振ると必ず笑顔で手振り返してくれます。言うまでもありませんが、多くの蒸機に夢中になり事故等のないように十分気をつけて撮影してください。
 当地の正月の日の出は8:30ごろ、日の入は16:10ごろでした。だいたい15:00ごろから日没後20分位がクライマックスタイムです。夕方の斜光線がカマや線路を光らせ、すばらしい光景が目の前に広がります。フィルムやメディアがいくらあっても足りない位です。同行者の中には「こんなに蒸機がいると飽きたなあ」なんて贅沢なことを言う人もいました。
 私たちの現地5日間の行動パターンは、朝ホテルで朝食のあと8:00出発。炭鉱に8:40頃着いてまず9:00頃の通勤用客レを撮影。午前中は露天鉱内にはほとんど陽が当たらないので鉱外線のロケハン&探索。街中の食堂で昼食のあと鉱内に戻り日没まで自由に撮影してホテル帰着17:30頃、というものでした。8:00出発なんて遅いと思われる方も多いでしょうが、初日6:30に出発し、7:00過ぎに到着したのですが当然真っ暗、日の出の方向も列車と合わないことから以後早朝の撮影はしませんでした。また、夜間撮影も炭鉱内には照明施設がほとんどなく、たとえバルブでも撮影不能でした。
 気温は滞在中最低が-25度、最高は-5度でした。緯度から見てもっと寒いと思っていたのですが、ちょっと拍子抜けしました。
 宿泊は当初ジャライノールで考えていたのですが、手配を依頼した旅行社からジャライノールには適当なホテルはないとのことで満州里国際飯店になりました。確かに欧米のホームページの情報でもみな満州里に宿泊しているようです。ジャライノール市街を全て見たわけではありませんが、小さな飯店・招待所程度のものはあるようですが、外国人が泊まるようなところはなさそうでした。
 今回の撮影では現地で日本人ファンには一人も会いませんでした。欧米人ファンもドイツ人に一人会っただけでした。こんなに撮影者に出会わないのはこの10年で初めてです。北京からも遠く、行きにくい場所であるのは確かです。
 以上が現地状況の簡単なレポートです。これから行かれる方のお役に立てれば幸いです。

 




















Back