9(10、12)、ルームメイト

			作・斉藤友子

【あらすじ】
田舎から出てきた女の子と、その部屋に取り憑いていた女幽霊の友情物語。

【ストーリー】

4場構成。(上演時間1時間10分/キャスト女2男2)

1場
ミネソタの田舎から、大都会ニューヨークに出てきたキャシーは、
ソバカスだらけの元気な笑顔だけが取り柄の少女。

右も左もわからぬ町で、なんとかアパートメントの一部屋を借りた。
しかしそこには先客が。
その部屋にとりついた若い女性の幽霊である。

幽霊の存在を知っても、そこから逃げようとしないキャシー。
脅す幽霊に対しても、アンタが出て行けと立ち向かう。

彼女は、いいなづけのサミーを追ってこの町に来た。
サミーの農場ではとうもろこしが冷害にあい、
彼は借金の返済のため、出稼ぎに来ていたのだ。
自分も都会で働いて、その手助けをしようとするキャシー。

すでに有り金をはたいてしまい、
結婚をするまで純潔を守ろうとする彼女は、彼の所にも転がり込めない。
ここから動くことはできないのである。

一方、幽霊も理由もなくココにいる訳ではない。
やはりこの部屋から離れられずにいる地縛霊だ。

ケンカをしながら、お互いに一歩も譲らないところへ、サミーがキャシーに会いに来
る。
サミーを驚かさないために『ルームメイト』がいる、と嘘をつくキャシー。
驚く幽霊。

この日から、幽霊との共同生活が始まる。

2場
職場になじめないキャシーは、毎日へこんで帰ってくる。
田舎での暮らしと違い、人間関係に、もうへとへと。

あまりの落ち込みように、幽霊より恨めしそうなキャシー。
それを慰める『ルームメイト』。
ルームメイトの差し出すワインを二人で空けながら、互いの身の上話。

心を開いてうち解け合う二人。
そうこうするうちに、ルームメイトの死因についてふれてしまうキャシー。
ルームメイトは、急に口を閉ざす。

と、突然お隣の人が現れる。
「スイマセン。留守中届いたワイン、預かってもらっているんですってね。」
キャシーは大慌て。

3場
2場とは打って変わって、都会に悪慣れしたキャシー。
乱れた生活態度をルームメイトに諭される。

どうやらサミーともうまくいっていない様子。
それまで毎日のように電話でサミーと話をしていたのに、
今日の電話の相手は、別の男。マックス。

強引で遊び慣れたマックスは、酔ってこの部屋に押し掛ける。
キャシーはマックスを部屋に入れてしまう。
マックスはあの手この手でキャシーをくどく。

それが気に入らないルームメイトは、マックスにイタズラするが、
マックスに惹かれているキャシーは、ルームメイトを叱る。

エスカレートするマックスとキャシーの醜態に、激怒したルームメイトは、
ポルターガイストでマックスを撃退。
キャシーは、マックスを追って部屋を出ていってしまう。

一人取り残される『ルームメイト』。

4場
部屋で鳴り続ける電話。おそらくそれはサミーからのもの。
悲しくその音を聞くルームメイト。

キャシーがマックスの正体を見て、泣いて帰ってくる。
それを優しく迎え入れる。

サミーを裏切った自分をののしって、自殺をほのめかす。
しかし、それをルームメイトは許さなかった。
彼女もやはり自殺をしたのだ。

恋人との仲違いから当てつけに死んだルームメイトは、
自分の亡骸を恋人がいつか泣いて抱きしめに来ると、
その日が来ると信じて、ここで待ち続けていたのである。

キャシーを叱る内に、想い出に取り乱すルームメイト。

謝るキャシー。
今度は、彼女がルームメイトを優しく包む。
そして、元の太陽のような笑顔にもどり、二人でやり直そうとする。

サミーからまた電話がかかってくる。
ルームメイトに励まされ、勇気を出して会いに行くキャシー。

キャシーがサミーを連れて部屋に戻ってくる。
ルームメイトを紹介するつもり。

しかし、ルームメイトの姿は、もうどこにもない。


【解説】 これはベアトリス姫の作品でも1番人気の高かったモノ。 女の子ふたりの友情物語に、 恋愛、独立、長電話。 初めてのお酒、初めてのバイト、都会の一人暮らし。 幽霊、ポルターガイスト、 そして自殺。 と、当時ターゲットにしていた女子中高生に、 共感を得るコメディでした。
初演のキャストで、自主公演と演劇祭の2回上演。 (幽霊役に斉藤ベアトリス姫) 高校生ふたりが入団したので彼女たちの主演で1回。 (この時の幽霊役が遠山カテリーナ姫) 大宮西高校(?たしか。)からの以来で脚本を貸したら 市内のコンクール(?たしか。)で準優勝したとか。 高校生の片方でキャシーを演じ、 今劇団なつで活躍しているカオリちゃんの旗揚げプレ公演でも、 久しぶりに日の目を見たようです。
ポルターガイスト(騒霊現象と呼ばれる、家鳴りや家具の一人歩き) がたいへんでした。 大ホールでの上演では、バトンでテーブルを吊ったんですが、 上がったテーブルが騒ぎが済んでも片足しか着地できなかったり、 本棚をガッタガッタさせるつもりが、 揺れが小さくてブルブルしているだけだったり。本棚がブルってる。 それも怖いか。 バイブといえば。 時代設定を「現在」にすると、今では携帯電話があるので、 大分書き換えないといけない話が多いですよね。