|
詩吟と音楽 音楽の起源 ◆ 人間が死者の霊を慰め、幸せな未来を祈る行為。それは残された者のやるせない、やり場のない悲通のための心の治療にほかならない。 ◆ 音楽療法はここが原点なのです。音楽によって脳神経に刺激を与え、心の緊張を解かせて瞑想状態へ導き、顕在意識を超えて潜在意識の扉が開らくとそれまで自然治癒力を阻害していた有害な想念である悪癖・憎悪・怒り・嫉妬・妬み・敵意・自己卑下・嘘偽りなどが消去する。また、視点を変えて言うならば、心の中に宿る絶対神に対して、もはや逃れようとして逃れられない自身が、うそ偽りのない心で神に誓った時に奇跡が起こるのです。それは、自身に宿る自然治癒力を阻害していたものが消去したために病気が治癒するということです。 療法としての音楽 ◆ 音楽のリズム・テンポ・抑揚は主として情動を操作し、メロディーは心を操作し、共に体の動きをコントロールします。 ◆ 肉体と心を結ぶ掛け橋として、身体は医療に、精神は音楽にゆだねて心身のバランスの回復を試みる。療法として効果は音楽の三要素にあります。 ◆ ハーモニーは、整合性・協調性・安心感。 ◆ メロディーの本質は「ゆらぎ」であるが、現象面では感情を伝え、また、想像力を刺激する。特に高音域は吸気作用により精神の緊張を誘発させ、低音域は呼気作用があって精神の緩和、弛緩を起こさせます。これには、呼吸の調整と心身の浄化作用が伴います。 ◆ リズムは、音の強弱をいいます。 ◆ テンポは、速く・遅くということで、心のくつろぎに関連します。本来ゆらぎ音楽とは、周波数がf分の1という形のものに限定され、せせらぎの音や風息など、人間が心地よく感じる音がそれであります。エリーゼのために・乙女の祈り・トロイメライなど、クラシック音楽や古今の名曲は殆どがゆらぎ音楽といわれています。 日本伝統音楽の効果 ◆ ゆらぎとはいえない民族音楽・歌謡曲・演歌、軽音楽などは、別な角度から治療に効果をもたらし、健康を維持する上で大変に貴重なのであります。 ◆ 日本の伝統音楽は、古代から今日に伝えられた音域・音楽美など、日本の風土や生活の中で自然に生まれた日本人の血や心ですから、大事に後世に伝えていかねばならない。邦楽の三大美といわれる、あわれ(雅楽)・幽玄(能)・さび(古曲尺八)の芸術性は、日本民族にとっては生命力を高め、心身の失調を回復させるのに役立ちます。また、邦楽は、自然界と一体となり、音の響きばかりではなく、音と音の間に美を感じ、音を取り巻く自然音や雰囲気・情緒などが音楽美の一環として観賞されます。ですから邦楽は、西洋音楽より包容力があるといえます。 ◆ 音楽は、単に心の安らぎのためにのみ存在するのではなく、ある思想をもって構成され、生命の根源に働きかけるものであります。つまり、音楽美は心の奥深くに働きかけるのです。 ◆ 話し言葉に抑揚をつけ、あるいは小節や間の取り方に気を配り、感情を乗せて表現することによって、言葉の意味がわからなくても情感が伝わります。詩心が加われば更に感動を与える力となるのです。つまり、そこには『ゆらぎ』効果が強く働くからであります。この感動とは、脳全体が外来刺激によって完全に支配され、説得されてしまった状態をいい、それに伴って極めて大きい情動を発生させるのです。この情動が硬直化した脳神経に対して揺さぶりをかけ、失調している自律系を回復させ、治療のキッカケを生ぜしめるのです。 ◆ 生体と情動のメカニズムは、快・不快(喜怒哀楽)、また、その中間にある悲しみや喜び・憂鬱・言いようのない憎悪感・不満や抑圧・不快気分などの複雑な感情(情動という)が、自律神経(視床下部後部にある交感神経と視床下部前部にある副交感神経)に作用して内臓に影響を与えるのです。 |