●北の洞窟
そこは、昼でさえ太陽の光も入ってくることのない森の奥。勇み足で獣道を進む傭兵が4人。ここに来るまでに大分体力を消耗したらしく、彼らは疲労の色を隠せない。
しかし、傭兵達は目の前の目的地を発見するとその疲労は一気に吹き飛んだ。
彼らの目的地は、北の洞窟。
その北の洞窟の入り口に立ちはだかる1人の中年の戦士がいた。
「警告する。汝らは、あのお方に選ばれておらぬ。早急にこの場を去るが良い。そして、選ばれし贄えを連れてくれば、汝らの求めるものをくれてやる」
傭兵達の雇い主の求めるものがそこにある事を知っている。誰もがそんなことは知っている。傭兵達は中年の戦士の言葉に素直に従うほど純粋ではない。4人は一斉に斬りかかる。しかし、その時が彼らの命のつきる時であった。
「相変わらず、強いわね。ほれぼれしちゃうわ」妖艶な男の声が聞こえてくる。
「・・・・闇の司祭か、なに用か?」剣を鞘に収めつつそう呟くのはバハトゥーン。
「あ〜ら、冷たいわね。あたしが定期的に生け贄を、あのお方に捧げているからあなたが消えないでいることをお忘れなく」
「なに用かと聞いている」バハトゥーンは男に嫌悪感を隠そうともせずに言う。
「とっても強い力が3つ、チュアランプールに来たはずよ」
「知っている」
バハトゥーンが無愛想にそう言うと、半透明なもやのようなものが現れ、気配もなく姿を現す。そこには紫色のローブを深く被る女性が1人。闇の司祭とバハトゥーンは女性を見る。
「1つは生け贄、そしてあのお方が求める力が1つ。もう1つは・・・・」
「汝が求める力か・・・・」
「珍しいわ、あたし達が利害が一致するなんて・・・・
あ、そういえば、坊やはどうしたの?」
「もう、ここに来ることはないでしょう」とローブの女性。
「・・・・おもしろいじゃなぁ〜い」
闇の司祭は真赤な唇を猟奇的な笑みでゆがめ、狂気を隠すことなく笑い続けた。
呟き尾形 2006年4月30日 アップ
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