力とかたち
曲げ

 部材を多く使い、太く重く作れば強いものが出来る。比重の小さい材料を使えば、軽いものは出来る。同じ材料で、軽くて強いものを作るには、知恵が必要だ。力に耐える“かたち”、知恵の鍵のひとつは、ここにある。

はりの曲げ
 棒を橋のように渡してみよう。これは、「両端支持梁(はり)」と呼ばれている。この梁の中央部に力がを加えると、梁は力に耐えて形を保とうとするが、力が大きくなると変形してやがて壊れる。
 
つまようじに力を加える 曲がり、やがて真中で折れる

 このとき、部材には、どのような力が働いているのだろう。
 つまようじブリッジコンテストを想定して、スパンが500mmで、梁の中央部に60kgfの荷重がかかった梁を想定してみよう。両端の支えの部分にはそれぞれ30kgfづつの反力(R1,R2)がかかる。梁は、荷重(60kgf)と反力の力を受けている。曲げモーメントは、この場合3つの力を受けて回転することなくつりあっていることから、考える。梁の左側を考えると、ある地点の曲げモーメントMは、M=R1×(R1からの距離)になる。R1から離れるほど大きくなる。梁の右側では、ある地点の曲げモーメントMは、M=R2×(R2からの距離)になる。したがって最大曲げモーメントは、中央部で7.5kgf・mになる。つまようじが、中央部から折れたのは、そこに最大曲げモーメントが働いていたかららしい。


 では、梁は、外から受ける力にどのように抵抗しているのであろうか。断面が長方形をした梁について考えてみよう。

 変形がわかりやすいように、スポンジで作った梁に上から力を加えてみる。
 梁の上部は縮じみ、下部は伸びているのがわかる。上部には圧縮の力が、下部には引張の力が働いている。
最大の圧縮応力は最上部、最大の引張応力は最下部に生じている。

 部材に力が加わると、力は部材を動かすか、動かないとすれば変形をさせるように作用する。変形をさせようとする外部からの力に、部材は抵抗をして形を保とうとする。部材の内部に生ずる抵抗する力を内力と呼び、単位面積あたりの内力を応力と呼んでいる。上の図の梁で言えば、上部が圧縮をされ、下部が引張られている。梁にとっては、つぶされる(圧縮)ことも、伸ばされる(引張)ことも、“いや”なのだ。だから、抵抗する。
 引っ張られ、あるいは圧縮される度合いは、各断面で同じではない。とすれば、抵抗しやすい配置、つまり形が大きく効いてくる。
 どのような形が、抵抗しやすい形なのだろうか。机の中にある、プラスチック製の定規で試してみよう。

定規を横にして錘をつけると、大きく曲がる 縦にすると、ほとんど曲がらない

 同じ材料、同じ錘、錘をつける位置も同じなのに、定規を縦にしたほうが、力にうまく抵抗していることがわかる。このことは、力の方向に対する断面の形状の違いよるものである。

 断面の形状に関係する係数(断面係数)をZ、曲げモーメントをMとすると、最大曲げ応力(σmax)は、次のようにあらわされる。


 長方形の断面では、断面係数(Z)は、


 となる。
 
縦長になるほど断面係数(Z)が大きくなる

 断面の形状が縦長になればなるほど、断面係数は大きくなり、最大曲げ応力(σmax)は小さくなる。つまり、細長断面にすればするほど、強い梁になる。しかし、あまり細くすると、ねじれて壊れるので注意が必要。

 断面係数・断面二次モーメント・・・形が決まれば公式に入れて求めることができるけれど、いったい何者なのかわかりにくいですね。そんなときには、この本で勉強をしてみれば、「納得!」となるかも。




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