前倒し受給 年齢引き上げで複雑に

  年金を何歳からもらうかは生活設計上、大きな問題です。注意すべきことを教えてください。
  国民年金を本来の六十五歳より前にもらい始めると減額されます。いまは六十歳からの支給を選ぶと、六十五歳からもらえる額の五八%に減らされます。来年四月に六十歳になる人から制度が変わり、六十歳で七〇%と減り方が小さくなります。また、いまは一歳ごとに決まっている減額の率も、一カ月〇・五%と小刻みになります。六十歳三カ月でもらい始めると、七〇%に三カ月分上乗せした七一・五%、六十二歳なら二十四カ月分上乗せの八二%になります。
 前倒しで受けるのは普通の老齢年金です。受け始めてから事故や病気で障害者になっても、老齢年金を障害年金に切り替えることはできません。障害年金のほうが支給額が高いので、よく考えたほうがいい。
  厚生年金の受給開始年齢が来春、六十歳から六十一歳に遅れます。
  正確にいうと、来年四月以降に六十歳になる男性は、定額支給部分Dを受け取り始めるのが一年遅れます。報酬比例部分Eのほうは六十歳のままなので、申請を忘れると損をします。受給開始年齢は六十五歳へ段階的に引き上げられます。
女性の場合は二〇〇六年から男性と同様に遠のいていきます。
  六十歳で定年の会社が多いから、その後の収入確保が問題ですね。
  来春以降に厚生年金を受け始める人のために、受給額を選べる制度が始まります。六十五歳以降の定額支給部分の全部か、一部を前倒し(繰り上げ)、六十歳から受け取る額を増やす制度です。全部繰り上げは、生涯の受給額が平均化される半面、六十五歳以降は本来もらうより少ない。一部繰り上げは、六十四歳まではある程度増やせ、その後も全部繰り上げほど少なくならない。どの受け取り方を選ぶかは、定額支給部分の受給開始年齢に達するまでに決めます。

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