「いちばん好きなゲーム」
「街」
じゃたろう
「いちばん好きなゲームはなんですか?」
ゲーマーならすぐに答えられそうでいて、返答に詰まってしまう質問ではないだろうか。
しかし私は幸いにも、他の良質なゲーム群の中においても一線を画すゲームとの出会いが過去にあった。
それがこの、チュンソフトの「街」である。
あまり売れなかったみたいだが、プレイした人の評価は高い(らしい)。
こういうゲームこそ売れるべきだと思うんだけどなァ…
近くのセブンイレブンに静岡一番茶アイスというのがあって、私はこれを大変に気に入っていたのだが、すぐに店頭から消えてしまった。
コンビニの商品というのは一定期間に一定以上売れないと消滅らしいから、売れていなかったのだろう。
あんなにおいしかったのに…
セブンイレブンに来るたびに買おうと…思ってたのにィッッ!(注:出た…あの言葉…)
やはりパッケージなども含めた第一印象?
売れ行きなどそんなもんで決まってしまうのだ。
つ…強さと体格は関係ない…(注:お前は二度死んだ)
という事か。
いやしかしそのような世情も判らんではない。実際私も、これを買ったのは偶然でしかないし、買わなければ当然本作の面白さも知らなかったわけなのだから。そう、一歩間違っていただけで、このゲームに出会わなかったかもしれないのだ。
こんな良作に!
ものすっごく好きなゲームを語ろうとすると、なんだか言葉が出て来ない。
おもろい!
メッチャおもろい!
とにかくええゲーム!
良作!
こんな言葉しか出て来ない。
街への思いの丈を表せるだけの修辞が出来ないのも忸怩たる思いだが、真の感動の前に言葉は無力というのもまた至言であるかもしれない。
つまりだ。それぐらいこのゲームは「いい」のである。
簡単にゲーム内容を説明すると、個性豊かな(注:ゲーム界では実に使い古された表現)8人のキャラの選択肢を、正しいものを選びながら、彼らの5日間の物語を完成させるというサウンドノベルである。
このサウンドノベルというジャンル自体、チャンソフトのオリジナルであるわけだし、だからなのか、サウンドノベルの最大の魅力というのをよく把握している作品だと思える。
音楽さえ我慢すればゲームブックとかでも実現できるんじゃないか? などという馬鹿げたイメージなどあっさりと払拭してくれるに違いない。
そしてやはりこのゲームのシナリオの白眉は「花火」である。
「花火」は8つのシナリオをクリアして、しかる後にとある操作で登場する隠しイベントだ(注:PS版の「街〜運命の交差点〜」では、隠しではないという噂も聞いたが、真偽は確かめていない)。
このシナリオに関し、先が読めてしまってつまらなかった、という意見を聞いた事があるが、臍で茶が沸く話である。
「先が読める」というのは脚本にとって、必ずしもマイナスにはならないのに。ま、確かに稀なケースではあるけどネ。
世に数ある批評の中で「先が読めてよくなかった」というような文章を幾度も目にしてきたせいで、自分が心の底から「悪い」と思ったわけでもないのに、「先が読めた」事実だけで「イコール悪い」と結びつけて語る人というのも世の中にはいるような気がするが、果たしてその感想を口にした人がどうであったのかは私には判らない。
「さあ来るぞ、さあ来るぞ」と思っていて、そして来た瞬間にホロリと来た。これが演出というものだ。
いやまあ、受け取り方なんてものは千差万別だろうから、否定的な意見を持った人を「ワカってない」と非難する事は出来ないけどサ。
ただ、ひとつのゲームに否定的な意見を述べる人がいたとすると、彼女ないし彼は、そのゲームに対して肯定的な人の意見を否定しているとも取れるわな。
まあ、どちらも愛。ゲームへの愛。
それはワカってるのだけれど、ここは敢えて言わせてもらおう。
肯定派として否定派を否定させてもらおう。
このゲームの面白さが判らない人は、ゲーマーとしての真の喜びを知らずにいる。
ま、まあ、個人的にそう言いたくなるくらい気に入っているゲームだという事ダネ(ちょっと及び腰)。
他人のこういうのを聞かされて、どうせえっちゅうんじゃ、みたいな文章になってしまった事をお詫びします。