「ビューティフルメモリー」
「超惑星戦記メタファイト」
じゃたろう
サン電子の「アトランチスの謎」を超える(独断)珠玉の逸品である。
既に本コラムで紹介した「サンサーラ・ナーガ」と「ドラゴンボール 神龍の謎」。それに続いて登場するのがこのゲームである。
この三作品をすべてクリアした事のある人というのは、「ディスクシステムが未だ現役」という人ぐらいな少数なのではないかと勝手に想像している。
はっきり言って自慢である。
すべて難しいのも事実だが(「マイクタイソンのパンチアウト」「ドラえもん」がガキ扱い)、本作は「聞いた事もない」という人が多い。
これは小学生の時の誕生日に、おばあちゃんに買って貰った事で想い出深いゲームである(どうでもいい)。
その知名度が低いというのがなんとなく不服であるが、まあそんな事はこの際関係ない。
しかしゲームの面白さは知名度に正比例するとは限らない、というのは、贔屓のマイナーゲームがひとつやふたつある人になら判ってもらえるだろう。
こんなマイナーゲームに何が出来る。良く聞く話だ。しかし、何故か?
知らないからだ。メタファイトの魅力を。
だから、見せる(語る)。今から。
まず、このゲームの主人公はケイン・ガードナー君(確か15歳)。
彼が高性能の戦車・メタルアタッカー(戦車のくせに気味悪いぐらいよく動く)を駆り、惑星を侵略してきた悪の軍団に立ち向かうというものなのであるが…あ、いや、引かんといて! こんなもんとちゃうんやって、このゲームの魅力は!
えー…このゲームはメタルアタッカーを中心としたサイドビューのシーンと、パイロットであるケイン君がメタルアタッカーから降りて奮闘するトップビューのシーンのふたつに大別される。
サイドビュー画面でも一応ケイン君はメタルアタッカーを降りる事は出来るが、しかしメタルアタッカーに比べるとケイン君は激弱なのである(そりゃ! 当然!)。スペランカーほどではないが、高い所から落ちるとコロッと死ぬし、ショットの威力も勇次郎とマイク・クインぐらいの差がある(天と地、ということ)。
そしてボス戦は常にトップビューのシーンで展開される。つまり、抜き身のケイン君との一騎討ちという事になる。ここが燃えるんだ、ここが! 心強い乗り物であるメタルアタッカーを離れ、ボスの巣食う基地へ向かう時の不安さ。滲み出るケイン君の勇敢さ。
そこにしびれるあこがれるゥ!
ボスははっきり言って強い。
1面のボス辺りは必死で手榴弾ボタンを連射するだけで2秒も掛からずに倒せたりするのだが、3面辺りから、全8ステージもある割りには、既にボスがけっこう強いんじゃないか? という気になってくるに違いない。
そしてこのゲームが一風変わっているポイントとして、ステージをクリアするとすぐ次のステージににいくのではない、という事。ボスを倒す事によって得られるメタルアタッカーのパワーアップパーツ(飛べるようになったり、泳げるようになったり、壁を登れるようになったり、喋れるようになったり(これは嘘)する)を手に入れ、それを使う事によって次のステージへの道が開けるのだ。
これが世界を一元的なものでなく、広がりのある印象にしているのである。
道を自分で切り開いていく感覚がひしひしと伝わってくる。
ロープレに例えると、武器屋のオヤジに「はい、これあげる」と言われてアイテムを受け取るのではなく、鍵や抜け道を使ってカウンターの中に入り込み、そこの宝箱を開くような快感に通じるものがある。
「へへ、取ったった」というテイストが満喫出来るのである。
なので7面ボスを倒してから、8面に行くまでに迷ったりもする。
それがまたよし!
このゲームを難しくしている要素のひとつに、「セーブができない」というのもある。まあ昔のアクションゲームであるのでそれなりに当たり前のことなのだが、クリアしようと思うとそれなりに長い時間が掛かるだけに、これがまずネックになる。
勇敢な主人公、手強い敵、広がりのある世界、孤独との戦い。
それがコトバでの説明でなく、ちゃんとゲームとして、演出として表現されているというのは全ゲームを見渡しても稀有であるように思える。
これがマイナー、というか、世間の評価をそんなに受けていないというのが本気で不思議である。
もし見付けたら、悪い事は言いません。買っておきましょう。
小学生時、おばあちゃんに「どれが欲しい?」と聞かれて、このゲームを選んで本当によかった。
店員さんが「これはちょっと難しいからやめといた方が…」と言ったのに、「いや、これがいい!」と貫いて、本当によかった。
すばらしいゲームである。ビバ・メタファイト。