小学生時の私にとって、格闘ゲームといえばこれであった。
格闘ゲームの走りにして白眉の逸品である。
スパルタンXなどのよいゲームもあったが、これはファイナルファイトとストUの違いみたいなもんである。
このゲームは大勢の敵を次々と仕留めていくというゲームの基本スタイルとは違い、1人の強敵との息詰まる攻防が繰り広げられる、昔としてはけっこう珍しいスタイルのゲームだった。
主人公はリー(李)という、笑顔のステキな爽やかな青年である。
正拳、しゃがみ正拳、下段蹴り、上段蹴り、足払い、飛び蹴り、三角飛び蹴りなど多数の技を持つクンフーの達人である。
鐘撞きキック2連という奥義もあるが、それが実戦の場で披露される事がないのは実に残念と言えよう。
さて、それではこのゲームの魅力のほぼすべてを占める、敵キャラたちの魅力に迫ってみよう。
1面の敵はワン(王)。
棒術をよくし、棒だけでなく蹴りもすさまじいキレをもつ、いきなりの強敵である。
こちらの攻撃の届かない間合いをキープしたまま棒をブン回してきたり、棒でいくぞいくぞとフェイントをかけておいていきなり前蹴りを出してくるという、このゲームの中でも最も実戦的な戦い方をする恐いキャラである。
初めてこいつと出会ったときなどは飛び蹴りだけで勝てたりするのだが、2周目、3周目と進むにつれて、その本来の力を発揮していく。
スパルタンXの棒使いは接近してしまえばどうとでも料理できたが、ワンはその見た目に反してものすごくフットワークが軽快なので、とても密着戦など望めるべくもないのだ。
2面の敵はタオ(桃)。
これは蛭田のばあちゃんに似ているらしいが、蛭田のばあちゃんを見た事がないので私判らない(注:超ローカル)。
養老院からの電報はさておき、タオの得意攻撃は「火吹き」である。そう、口から火を吹いてくるのだ。火はまっつぐ飛んで来る。
しかもタオのすごい所は、口からの火吹きなのにも関わらず、下段にも吹いてくるところだ。下段に火を吹く時のタオは顎をほぼ床につけるほどしゃがみ込むので、その肥満体の割りにものすごく柔軟な体をもっているという事も判る。しかし何もそこまでして下段に火を吹かなくとも…
回を重ねるとやはり強敵になり得るのだが、最初のタオはひどく弱い。たぶん戦闘力はそれこそ蛭田のばあちゃんぐらいである。
3面の敵はチェン(陳)。
鎖分銅使いである。動いちゃだめよ、アタマ飛んじゃうから、という感じだ(注:使い回しすぎ)。
このキャラは初心者止め。初心者にとっての壁であるといえる。分銅つき鎖をブンブンと回していたかと思うと、ほぼノーモーションでそれを投げ付けてくる。
しかも分銅はこちらに向かってくる時だけでなく、引かれて元に戻る時にも攻撃判定を持っているので、かわしたと思って油断していると、後頭部に分銅の一撃を喰らってしまう事になる。
前述のタオをはじめ、他の敵も何かしらの武器を使うが、それらはパンチやキックで止める事が出来る。
しかしチェンのこの分銅だけは…いや、止めることは出来るのだが、スピードが段違いなだけに、とても狙って突き蹴りで弾き落とす事など出来そうもない。
アウトレンジであればそれも可能だが、接近戦でいきなりこれをブン回されると、気がついたらアタマを割られて絶命してしまう(注:割れません)。
本当に恐ろしい相手である(パターンを読めば別)。
しかし回を重ねてもそれほど強化されていかないのが救いである。
動きのパターンなどは変わるのだが、そんなに手強い相手とはならない。
チェンを倒すとボーナスステージを挟む。
画面の両脇から刃物であるとか扇であるとかが飛んで来て、それを突き蹴りで叩き落していくのだ(注:アーケード版のイーアルカンフーに刀使いと扇使いがいて、ファミコン版ではいなくなったため武器だけ登場という感じ?)。
失敗すると刺さる&即ボーナスステージ終了。
しかし刺さっても、ボーナスステージであるので残機が減る事はありません。
そして一息ついての4面の敵はラン(藍)。
このゲームの紅一点である。やはり格闘ゲームに女格闘家ははずせないでショウ! 絵的に。
しかしのちの格闘ゲームになると半分ぐらいが女キャラだったりとかして、一体どういう人気を狙っているのか、こういうのは1人ぐらい入ってるからいいものであって、女性というのは慎みを持って、ウンチクウンチク…
とまあ個人的な(注:最後の辺りはカイエン)関係ない話は置いておいて、ランの武器は手裏剣。
まあこれもタオの火吹きと同じで、そんなに気にする必要のない攻撃だ。接近戦でいきなり打たれるとキツいけど。
ランの最大の強みは体が細いせいで、攻撃が当たりにくい所だ。
このゲームの敵は、他は全員太いのである。
ま、まあ、太いというよりいい体格をしているという事なんでしょうが…(タオ以外)
もしかしたら判定は同じなのかもしれないが、それでも絵的に細いのはこちらにとってプレッシャーになる。
しかしそれより何よりランの最大の特徴と言えば、そのハイキックにある。
ハイキック自体はどうでもいいのだが、そのハイキックにしゃがみパンチを合わせると、ランの股間をちょうど打った絵になる。
マ○○パンチ!
と小学生時代には言っていたものだ。
…大変すみません。
小学生のやる事ですから許してください。
そして最後の5面の敵が、ウー(呉)である。
このゲームで唯一、主人公と同じく非武装で戦うキャラである。彼の非武装へのこだわりは美学にまで昇華されます(嘘)。
では彼はどのようにして戦うのか?
それはと言うと、飛んでくるのである。サイコクラッシャーアタックから回転とオーラを引いたような攻撃である。スーパー頭突きの方が近いかもしれない。
この飛び攻撃は上段飛び攻撃と中段飛び攻撃に分類される。
さすがに下段は飛ばない。というか、それだと床を這ってしまう。
この飛び攻撃はパンチやキックで落とす事が出来るが、今まで武器を落としてきたのとは違い、本人が飛んできているので、弾き返せば当然ダメージを与えられるというのが最大の特徴ですな。
というかそれだけで勝てる。
タイミングは武器を叩き落すよりは厳しいものの、上段はあまり使わず主に中段飛び攻撃を仕掛けてくるので、方向キーを後ろに入れっぱなしにしていて、タイミングよくパンチボタンを押せばそれでヨシである(注:方向キーを後ろに入れるのは上段対策のため。こうしておけば、上段を飛んできた時にキックボタンを押すとハイキックとなり、落とせる)。
ゴンタイ(マヌケ)という感じである。
5面まで来た時にこのキャラの命(ミン)は尽きていると言える。
敵はこの5人ですべてで、その5人となんべんもなんべんも戦う事になる。
しかも周を重ねるごとに確実に強くなっていく敵たち。
結局友人宅で84面までいったのが私の最高記録だが、ここでひとつ気になる事がある。
友人の家に遊びに行って、ずっとゲームをやってる奴っていたよなあ…という事である。
お母さん「あの子はうちにゲームやりに来とる」
皆さんも友人の家ではゲームはほどほどにしましょう(半端なオチ)。