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感想安定した演出であり隙のない舞台。但し、上演時間の長さ、脚本の難解さ、に加え役者の固さが取れているとはいえず、退屈な印象を残す舞台であった。 海抜3200メートルにあるホテルにたどり着いた退役軍人(?)の一行。彼らや、この山を下りて新しい生活を始めるはずだった。十分な食料を備蓄したホテルで、一晩だけの雨露をしのぐはずだった一行は、そこより先に進む道ががけ崩れで進めなくなっていることに気づき愕然とする。 一行は、春になり雪が解けてふもとの人々が助けにきてくれるまでの半年間をそこで暮らす事を決意する。 そこに、まったく別の女性登山家たちの一行が合流し、奇妙な半年間の共同生活が始まる。 評価の難しい舞台。役者の出来も悪くないし、演出にも破綻がない。 しかし、休憩を挟んで2時間半にも及ぶ大作。1930年代のフランスを舞台とした脚本。ファシズムと共産主義、そして神学をも含む哲学的な論議を闘わせる危機感無き山岳遭難者たちの物語。翻訳物という今回の脚本の選択は納得できない。 脚本として、この本を選んだ時点で、興行としての成果を上げることを放棄しているのではないかという疑念を捨てることができない。 今の時代/今の観客にこの脚本で何を訴えたいのかが、まるで伝わってこない。 翻訳のせりふをそのまましゃべる演出にもかなり閉口した。「君」という二人称や「〜しなくってよ」「〜しましてよ」なんて言葉づかいでしゃべる人は、少なくとも僕の周りにはいない。その口調が、全編とおして、繰り広げられるとさすがに見ているこっちの苛立ちが頂点に達する。役者たちが、(あるいは演出家が)せめてこの脚本のせりふをもっと自分たちの身近な言葉に直す作業をすれば(当然に個々のキャラクタの理解をかなり深く行った上でだが)、もう少し見やすいものになったのではないかと思う。 役者の熱演は、前見たとき以上だし、ここの役者の技量も相当のものだと思った。 だからこそ、もったいないなぁという思いを強く感じた。
印象に残った役者は、以下の三名。 小悪魔的な役どころをうまく捕らえており、華のある役者だと思った。子供と大人の中間の雰囲気をよく出していると感じた。(ただ、子供っぽい印象が、地なのか演技なのか不明だが。大人の女ができるかといわれるとちょっと不安ではある) ・アルマン役(岩瀬真教さん)声量があり、体の動きもしなやか。存在感があると思う。但し、少し演技が硬い。砕けた自然体の演技を見たい。 ・イレネ役(加藤大我さん)前回見たときは、非常に硬いだけの土方のにいちゃんだったので、今回の役回りは意外だったがはまっていたように思う。身長だけのせいではあるまいが、目立っていた。 ( 2002/1/29記) |