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感想脚本、演出、役者、装置、音効のほぼ全てが非常に高いレベルにあり、安心して見ることが出来る舞台であった。民俗学とか東北の山中に暮らす山の民と里の民の対立といったテーマが元々好きということもあるかもしれないが、最後まで緊張感が途切れることなく見ることが出来た。最近見た中でも秀作のひとつ。 奥羽連山の中腹に位置する羽黒山、湯殿山、月山は出羽三山と呼ばれ、霊山として崇められていた。
山形弁で語られるセリフの音色が他の地域の出身者である僕が聞いても心地よい。ある意味東北方面の言葉が持つ独特の雰囲気は、日本人の全ての心に響く何かを持っているように思える。 東北(山形)を舞台にしたこのこのストーリーは、そのセリフが語られる山形弁と同じく郷愁の感情と夢見心地の幻想感を僕に与えてくれる舞台であった。いいところをついてきている。 全体に構成力や演出力の高さを実感した舞台であった。音、セリフ、脚本、装置、照明にいたるまで細かく配慮されており、この舞台として伝えようとしているメッセージ(というか雰囲気)から外れるものがほとんどなく結果として見ている側が非常に心地よく芝居を見ることが出来た。 特に装置のすだれは、その表に施されたペインティングも含めて雰囲気にあっており感心した。 時制がいきつもどりつしつつも観客に状況を間違えなく伝える構成力、演出力はさすが。力のない劇団がやったらとっちらかって訳がわからないものになるところだった。 しいて、難点をあげれば全体に役者が少しおとなし過ぎるというか雰囲気が均質化されすぎていて面白くない印象があった。その中でも、松田さんがいろいろな意味で場面の雰囲気をぶち壊し続けた事がこの芝居全体のテンポになっており良かった。 また、神戸さんは田舎のにいちゃんと山の民の寡黙な男の役の対比を短い時間でうまく切り替えきれており、力のある役者さんなんだなと感じた。 女優では、秋場さんは雰囲気のある協力な女優さんだった。彼女の存在無しに、この芝居のキーコンセプトである山の民の隠れ里という説明はつかなかったのではないだろうか? いずれにしても素晴らしい舞台で、次回作を見て見たい劇団がまた一つ増えた。 ( 2003/5/5記) |