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感想
コクーンの舞台を使い尽くした感のある壮大な舞台装置。豪華な役者陣。それでも、大作を見た感がなくコンパクトな芝居を見た印象が残った。コンパクトであるが故に発せられたメッセージが鋭利な刃物のように、僕の心にこの舞台の印象を刻み付けた。
野田さんの舞台は、動く絵画なんだ。と改めて感じた作品。席が良かったのかもしれないが、美しい いつもながらオープニングが美しい。アラブの砂漠を思わせるイメージの中に人がゆっくりと舞台上に展開していく様は、筆舌に尽くしがたい程の素晴らしい光景だった。 恐ろしくかつ人の命を奪う砂漠の光景をこれほどまでに美しく舞台上に再現してしまう野田さんの想像力に改めて舌を巻いた。 今回は、全てのキャストが野田さんと初顔合わせということもあったせいか、とても新鮮なものを感じながらみることができた。特に片桐はいりさんの存在感、藤原竜也さんのかっこよさ、小林聡美さんの軽妙さがこの芝居の柱になっていると想った。 最近の野田マップの芝居というよりも、夢の遊眠社の芝居を見たときのように謎めいた言葉が頭の中をぐるぐるして見終わった後なかなか感想が言葉にならない舞台。 印象のみが強烈に心に残る。 連続に二回見ても、その感想に違いはなかった。 松たか子さんの狂的な演技は、今までもっていた彼女のイメージを良いほうに裏切っていてかなりいい。実力があるなぁと改めて感心した。 しかし、こんな短い感想の中に「美しい」という言葉これほど多用した舞台も珍しい。視覚的な充実度が野田マップの真骨頂だと改めて認識した。 ( 2003/5/19記) |