感想
ゴシック調の美術の効果もさることながら、男二人の白熱する演技が、すごい。
演出も凝っており、芝居中何度と無く背筋に「ぞぞぞ」という悪寒が走る久々に見た恐怖ものの芝居で、まさに傑作であった。
【ストーリー】
物語は現実と重なる劇場という設定で始まる。ただし、観客のいない劇場。忌わしい恐怖の体験をした中年弁護士キップスと彼に雇われた若き俳優が、かつてキップスが遭遇した数々の出来事を再現してゆく。キップスは若い頃、顧客の老婦人の葬儀、遺産整理の為に、人里離れたイギリスの片田舎に向かった。しかし、地元の人々は、彼女の名を聞くだけで震えあがり、彼を遠避ける。彼女が住んでいた館は、海霧が晴れたときにしか訪れることが出来ない、イールマーシュの館。身寄りのなかった彼女の葬儀にたったひとり参列したキップスは、墓地でやせ細った黒い服の女を見かける。その夜から、彼に次々と不可解で、奇妙な出来事が襲いはじめる。そして、最後は場内を騒然とさせる結末が…。
(公演紹介HPより)
【感想】
斎藤晴彦さんと上川隆也さんという素晴らしい役者でなければ、これほどの緊張感を維持し続けることはできないのかもしれない。
演出家が、ロンドンのオリジナルカンパニーから来ているせいか、完成度は高く、道具立ての使い回しもうまい。劇場の雰囲気も、渋谷の真ん中にいることを一瞬忘れさせてくれるようなゴシック調の舞台美術でなかなかよい(できれば、パルコではなく本当にこういう雰囲気の劇場でやってくれればより楽しめると思ったが、東京にはないのかな)
黒いドレスの女性の登場シーンに一二度ちょっと首をかしげる(前に出てきすぎのような)シーンもあったが、全体としては恐怖ものとはこうやるといったお手本のような脚本であり演出であったと思う。
(2003/11/09記)
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