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感想【ストーリー】
初めてニューヨークでミュージカルを見たとき(もう、10年以上昔の話だ...はぁ(遠い目))、劇場の外に俳優さんが並んでいた時になんといえば良いか困った。
感動して声が出なかったからではない。英語でできないので、何を言えば良いのか思い当たらなかった。
が、周りの人が言っている言葉を聞いてようやく、どういえば良いかわかった。「Great SHOW」
その後、感動したミュージカルが終わり、外に出て関係者がいるとだれかれ構わずこの言葉を口にするようになった。(10年前以来あまり、俳優本人が、外にいることは無かった。今思えば、あれは、確か何かのチャリティー(確かAIDS撲滅といっていたような)のための特別な計らいだったのだ。)
この芝居を見たとき、心の中で「GREAT SHOW」という言葉がむくむくと湧いてきた。ニューヨークで傑作のミュージカルを見た時の感動が蘇り、それを作り上げた劇団員や劇団関係者に感謝の意を伝えたくてしょうがなくなった。
そして、愕然とした。日本語でそのことをどう伝えれば良いのか思いつかないのだ。
「いい芝居でした」「感動した。」「面白かった」どの言葉も、ひどく白々しく自分の感動を伝える事が消して出来ない気がした。結局、「お疲れ様でした」と照れくさそうに声をかけながら、劇場を離れた。
それほどに、感動した舞台だった。
錦糸町の近くに芝居の練習場として有名な倉庫があることは前から知っていた。そこを劇場にした舞台があることは、劇団からの知らせでわかった。面白い試みだし、この劇団の芝居の装置がなかなか大掛かりなものであることは、昔みた「風呂泥棒」で証明済みだ。楽しみにして劇場に向かったが、その期待を裏切られることなく、見ごたえのある舞台であった。
ストーリーとしては、少しありきたりな感じがあったが、それでも、ぐいぐいと観客の興味をひきつけるのは、演出がしっかりと役者達に伝わっているからだろう。(あるいは総ての役者が演出に関わっているのかもしれないが)
舞台上のひとつひとつのシーンが印象深く、記憶に残る。
池下重大の生真面目な演技や、原口健太郎の豪快な演技が、芝居全体の雰囲気をうまくコントロールしている。それを伊原裕次や板垣桃子が緩急をつけているという印象。
特に、板垣桃子さんの演技は、前に見たときより数段良くなっている。看板女優って感じがありあり。眼殺しとしての狂った感じと虎がとりついて、まともになっていく状態をうまく演じ分けており舞台に出てくるともう眼を離すことができない。凄みと凛とした美しさが、けして大きくない彼女の存在感を大きく見せる。
池下さんも、情けないお坊さんから家族を失い狂っていく様がものすごくかっこよく演じられている。心臓を揺さぶられるような演技であった。
他にも、旅一座の座長的な役割の南谷朝子さんも気になる女優さんだった。最初、ジャズ歌手の綾戸智恵にしか見えなかったのだが、役者としての達者さは間違いなく他の役者さんと一線を画している。必要なタイミングで舞台を引っ張り、あるいはすっと引くといううまさがある。
舞台装置も最後に出てくる大量の風車を初めとして、竹をうまく使った舞台イメージは、芝居のイメージとよく合致しているように思った。ここの装置の力は凄い。
なんとか、テントでやって欲しい。屋台崩し後の開放された空間に彼らが何を見せてくれるのかを考えると凄く楽しみになる。
いずれにせよ、しばらくは眼を離すことの出来ない劇団だ。
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