海外の原作とは思えないほど、日本の時代背景にぴったりな話と途中までは思っていました。
それでも、舞台を見終えて感じるのは、やはり海外(イギリス)の話なんだなという感覚でした。この物語の根底にある階級意識とか階級社会に対しての怒りというものが、何か日本人には少しピンときにくいもののように思えたのです。
それを現実的な話にしているのは、昭和15年という絶妙な時代背景を選択したことによるのでしょう。(実際、この時代しかこの脚本(というか階級思想を含む話の展開)は日本ではなりたたないのではないだろうか?)脚本家の八木さん(故人)のすごさに感心せざるおえません。
この舞台は不思議な舞台です。コメディではなく、舞台上の誰も楽しい経験をしているわけでもないのに、なぜか会場から絶えず笑いが漏れてきました。自分は無関係と思い込んでいた登場人物たちが次々と警部の話に巻き込まれていくという部分が秀逸で、思わず身を乗り出してみてしまう魅力があり、割と長い上演時間もほとんど飽きることなく舞台に集中することができました。
全体には、やはり倉持家の当主役の堂々たる恰幅と演技力、存在感はすごい。他の小劇場の役者さんでは出てこない雰囲気はさすが.です。
逆に、警部役の外山さんの演技は少々もったいぶりすぎていて鼻につきました。(役柄上しょうがないのかもしれませんが)
小劇場の舞台ではなかなか見ることのできない、豪華なセットと確かな演技。たまには俳優座なんて劇場に足を運ぶのも悪くはないなと思いました。
でも、客席の異様な年齢層の高さには驚きましたが(自分らが最年少ではないかとマジで思いましたし)