この劇団の公演はわりとしっかりしたつくりの事が多いので、安心して見にいけます。特に今回は再演ということもあり、それなりに安心して見に行きました。
行ってパンフをみて驚いたのは、客演のはずの松田晴行さんが、主役をはっていること。でも見終わって納得しました。今回の舞台は松田晴行さんが引っ張っています。
前回、この作品に参加したときはそれはそれで脇役ながら印象的なはじけ方をみせてくれましたが、今回は主役として芝居全体の方向付けをきちんと行いながら、演技をしていました。抑えた演技でしたが、しっかりとした感情吐露等、なかなか見ることのできない一面を見せてもらった気がします。
40歳前後の男性がおじさんではなく青年を演じるのは凄く難しいと思います。しかし、松田晴行さんは中年の男との諦念と青年の男の苦悩をこの舞台の中で見事に両面演じきっています。今のこのタイミングの松田晴行さんでなければできない演技だったのではないかと思います(ほめすぎかもしれない)
といって他の役者さんが下手というわけではなく、脚本世界にうまく調和しているので、面白い舞台に仕上がっていました。
若干、苦言を呈するならば、
●女優さんの魅力がかつての公演時に 比べると少し見劣りする。(でも、山形弁の女性の話し声は、魅力的です。吸い込まれるように聞き入ってしまいます。)
●ギャグがいまいちである。(前半のギャグっぽくしようとしているところは、何か背中が寒くなりました。無理に笑わせようとするほどならば、いっそマジにやっていただいた方が見ているほうはつらくないと思います。ただ、この劇団に対しては昔遊びが足りないと書いたことがあるのですが....)
●前回見たときは、山里の無口な男と、田舎の長男役が同じ役者さんでとても魅力的な二役だったのですが、今回は別の役者さんが演じています。前回の神戸さんがよかっただけに、その部分も少し見劣りがしてしまったような気がします。