円生と志ん生といえば、落語に疎い僕でも知っている昭和の大名人。その二人が終戦前から戦後にかけての大連で一緒にいて、日本に帰ってくるまで大変な道中を送った物語。チラシでそういうのを読んで何としても見たいと思っていた作品が再演。ようやく見ることができました。
こんなに期待が高いと見終わった後に不満が残りそうなもんですが、ほとんどありませんでした。またあったら見たい作品に確実にひとつ加わりました。
角野さんは、三谷さんの舞台なんかで見るときはどっちかというと堅物で律儀な人のイメージでしたが、今回は博打好きで酒好き、どうにもうまく立ち回れない志ん生を見事に演じています。ちょっとイメージ変わりました。
辻さんは恐らく初めて見た役者さんですが、歌も上手くて達者な役者さんだなぁと思いました。
本当のところ、戦後の大連なんてもっと悲惨だったのだと思いますが、重苦しくなりそうな雰囲気をふたりの落語を題材にした掛け合いと音楽でとても軽やかなものになっています。
志ん生をキリストと間違えてしまうラストシーン近くの修道院の話は個人的にはツボにはまりました。
拡大解釈すれば、どんな会話もキリストの言葉に思えてしまうというのは、ある意味示唆に富んでいると思いました。
ちょっと、最後の日本に帰れるシーンがあっけなかったかなとも思いましたが、とても楽しい気分を味わい、かつ名前しか知らなかった円生と志ん生について、ちょっと興味をもった作品でした。