もう時効だと思うので書いてしまいますが、96年に私、無謀にもこの脚本を福岡で上演したことがあります。出演こそしませんでしたが、音響効果担当だったので、各シーンごとに音楽をあわせる為、脚本はそれこそ穴が開くほど読みました。
この脚本は、野田さんの作品の中でも傑作のひとつだと思っています。
なので、1997年の再演時には、二度も見ています。(福岡で上演した後で94年の初演時のビデオも見ました)。今回のチケットも何としても取りたいと思い、なんとか取ることができました。
すごいもので、それだけ思い入れがあると舞台上でしゃべる役者より先に台詞が頭の中に浮かんできます。
キャスト一新、不安ではありましたが、妻夫木さんは思ったよりもよかったです。主役の弱さと強さを兼ね備える雰囲気が上手く出せています。ただ、長台詞はまだつらいですね。コクーンの広い舞台を埋めきる存在感が続かない気がしました。
広末さんは、ちょっとおバカでそれでいて純粋なシルクでした。でも、ちょっと年齢がいっているのがなぁ。それは、野田さんも同様ですが。今回全キャスト入れ替えている中で唯一の初演から変わらぬキャストが野田さん。さすがに「おとーたまー」というのは限界がある気がしますが、かといって他にこの役をやれそうな人がいない....やむなしというところでしょうか?
それよりも問題だと思ったのは仇役ともいうべきカルダンとイマダ(テムジンの父/蒼い狼)が迫力にかけたことではないでしょうか?仇が尖がっていないと主役も霞むんだなと思いました。