Windows XP の CD 書込機能Windows XP よりも前は、OS 付属の標準ツールでは、CD-R / CD-RW メディアへの書き込みは不可能で、サードパーティ製の ライティング ソフト が必要でした。 Windows XP になって初めて、CD-R / CD-RW へのライティング機能が標準で搭載されました。 Windows XP のライティング機能には Roxio 社 の技術が使われていますが、その機能は単純な データCD と 音楽CD の作成に限定されています。 以下に CD-RW を使って、書き込みの方法を説明します。
|
| 1. | テンポラリ領域に置かれたファイルからイメージファイルの作成 |
| 2. | データ の書き込み |
| 3. | CD を読めるようにするための最後の手順の実行 |
「最後の手順の実行」 というのは、記録データの後ろに書く 「リードアウト」 と記録データの前に書く 「リードイン」 の書き込み処理のことを意味しています。

書き込みを終えたディスクのプロパティを左に示します。
「ファイルシステム」 が 「CDFS」 となっていますが、これはハードディスクの 「FAT32」 や 「NTFS」 に対応する CD のファイルシステムのことです。
書き込んだファイルの CD 上での占有バイト数の合計は 206 KB なのに、この画面では 「使用領域」 を 286 KB と表示しています。
また、「使用領域」 と 「空き領域」 を加えた 「容量」 は 631 MB となっており、ブランクの時の 654 MB から 23 MB 減っています。
これらのことは、「トラックアットワンス」 という書き方をしているために必然的に起きることで、5章 で改めて説明します。

上記の書き込みを終えたディスクに、新しいファイルを追加書き込みしてみます。
コピー&ペースト や ドラッグ&ドロップ で、このディスクに新しいファイルをコピーする操作を行なうと、左に示すような表示になります。
メニューの [これらのファイルを CD に書き込む] をクリックして、ウィザードを起動し、新しいファイルの書き込みを完了させます。

書き込みの完了したディスクは、左のように表示されます。
左図では隠れてしまっていて見えませんが、フォルダの日付が新しくなっており、フォルダが作り直されたことが分かります。
このディスクのプロパティは、次図のように表示されます。

書き込んだファイルの CD 上での占有バイト数は 324 KB なので、「使用領域」 は、この値に書き込み前の合計 206 KB を加えた 530 KB なのに、404 KB と表示されています。
実は、この 404 KB という表示は、2度目に書き込んだデータ領域の占有バイト数のことで、新しく書き込んだファイルの 324 KB に、「ファイル管理領域」 分の 80 KB を加えた数値なのです。
こんな数値の表示は利用者を混乱させるだけですが、多分ディスク全体の占有バイト数を集計するのが大変なので、中途半端な表示になっているのでしょう。
また、「使用領域」 と 「空き領域」 を加えた 「容量」 は 617 MB となっており、書き込み前の 631 MB から 14 MB 減っています。
既に書き込んであるファイルと同じ名前のファイルを書き込む、いわゆる上書きについて、下記に説明します。

コピー&ペースト や ドラッグ&ドロップ で、ディスクに既に書き込んであるファイルと同名のファイルをコピーしようとすると、左に示すような 「上書きの確認」 画面が表示されます。
「はい」 をクリックして次に進みます。

すると、「CD に書き込む準備のできたファイル」 という項目の下に、このファイルが表示され、「現在 CD にあるファイル」 から、これまで見えていた同名のファイルが消えて表示されます。
メニューの [これらのファイルを CD に書き込む] をクリックして、ウィザードを起動します。

「CD 書き込みウィザード」 の画面で、「CD 名」 を 「データ保存」 と書き替えてみます。
「次へ」 をクリックして、CD への書き込みを完了させます。

書き込みを終えたディスクのプロパティは、左のように表示されます。 「CD 名」 が 「データ保存」 と書き替えられています。
書き込んだファイルの CD 上での占有バイト数は 2 KB ですが、「使用領域」 は、82 KB と表示されています。
既に説明したように、この 82 KB という表示は、3度目に書き込んだデータ領域の占有バイト数のことで、新しく書き込んだファイルの 2 KB に、「ファイル管理領域」 分の 80 KB を加えた数値です。
また、「使用領域」 と 「空き領域」 を加えた 「容量」 は 603 MB となっており、書き込み前の 617 MB から 14 MB 減っています。
Windows XP でのファイルの書き込み機能について、詳細を開示しているドキュメントはありませんが、実際に試してみると、CD のフォーマットについては、CD-ROM XA の FORMAT 1 を使い、ファイルの名前の付け方に Joliet を使って、トラックアットワンス で書き込んでいます。
このフォーマットでの CD 上のセクタ、すなわち占有最小バイト数は、2,048 バイトです。 また Joliet を使っているため、ファイル名に スペースを含む 64 文字 までの ロングネーム を使用でき、同時に (8+3) 文字の DOSファイル名 も記録されるため、ロングネーム をサポートしない OS でも読み出すことが可能です。
トラックアットワンスは、後からでもデータを追記できるようにする書き込み方式です。 追記のたびに、新しく書き込まれるデータ (ファイル) は、新しい1つのトラックとして纏められます。 最初にデータ (ファイル) を順次書き込んでいきます。 すべてのデータを書き終えた後に、データの後に リードアウト が書き込まれ、次いでデータの前方位置に リードイン が書き込まれて、1つのセッションとして閉じられます。 リードイン は予め確保しておいた領域に書き込まれるため、並びは リードイン、データ、リードアウト の順になります。
リードイン、データ、リードアウト をひとまとめにして 「セッション」 と呼び、リードイン と リードアウト を書き込むことを、セッションをクローズするといいます。 上述した 「CD 書き込みウィザード」 で、処理の進行状況を示す画面に表示される 「最後の手順の実行」 というのは、このセッションクローズの処理のことです。
また、データ書き込み部の先頭には、「ファイル管理」 のための領域がとられ、ここにはファイル管理情報が書き込まれます。 この領域を使って、下に示す概念図のように、既に書き込んであるファイルを 参照したり、参照しないようにしたりして、あたかもファイルが連続して書き込まれたり、上書きされたり、削除されたりしたように見せているのです。 この領域に割り当てられるバイト数が、上述の 80 KB に当たるわけです。

トラックアットワンスの書き込みでは、書き込むたびに、書き込むデータ以外に 14 MB もの領域を消費します。 規格上、99回 まで追記が可能ですが、45回 も追記すると、この付加データだけで 630 MB も消費されてしまいます。 追記を頻繁に行なう場合には、このことを念頭におく必要があります。

書き込みのある CD-RW は、内容を消去してブランクディスクに戻すことができます。
左図に示すように、[この CD-RW を消去する] をクリックすると、ウィザードが立ち上がり消去が行なわれます。
音楽CD の作成には、標準添付となっている Windows Media Player を用います。 こちらの手順も比較的簡単で、Windows Media Player の [書き込み] タブを開いて、左側に表示される [書き込みリスト] 画面に、CD に書き出したい曲のリストを作成し、[書き込み開始] ボタンを押すだけです。 曲データは、Windows Media Player で再生できるものなら、WAVEファイル でも、WMA (Windows Media Audio) ファイル、MP3 (MPEG-1 Audio Layer-3) ファイルの何れでも構いません。 WMAファイル と MP3ファイル の場合には、WMA → WAVE、MP3 → WAVE のファイル変換が行われた後に、書き込みが行なわれます。
作成される CD は、ディスクアットワンス で書き込まれた CD-DA (Compact Disc Digital Audio) です。 従って、このディスクを作るためには、何も書き込まれていないブランクの CD-R / CD-RW を用意しなければなりません。 ディスクアットワンス で書き込まれますから、曲データの追加を行うことはできません。
音楽CD の作成には、このように、パソコン内に取り込んである曲データを書き出す方法しかありません。 従って、上記のようにして Windows Media Player から 音楽CD を作る場合には、音質の劣化の問題があります。 Windows Media Player は、音楽CD から曲データを取り込む機能を持っていますが、WMAファイル、または MP3ファイル の何れかに圧縮して取り込む方法しかサポートしておりません。 従って、音楽を取り込む際に過度な圧縮を行なっていれば、圧縮された曲データを使って書き出すことになり、劣化したままの CD-DA が作成されることになります。
Windows Media Player をどのように使うのか、以下に具体的に説明します。

左に示したのは、音楽CD を Windows Media Player 10 で演奏している画面です。
この画面の右上にある ▼ 印をクリックするか、左図上部の青い枠で囲んだ部分で右クリックし、[ツール] → [オプション] をクリックして、各種設定用のオプション画面を表示させます。
オプション画面の [音楽の取り込み] タブの中で、デフォルトで設定されている内容を、左下に示します。

| 1. | Windows Media オーディオ |
| 2. | Windows Media オーディオ (可変ビットレート) |
| 3. | Windows Media オーディオ 可逆圧縮 |
| 4. | MP3 |
その下の 「音質」 調整は、設定した圧縮形式におけるデータ速度を設定するためのものです。

オプションの設定をデフォルトのままにして、音楽を取り込んでみましょう。
[取り込み] ボタンをクリックすると、左のような画面に変わります。
この画面で、左図に示すように、[音楽の取り込み] をクリックします。 すると、初めて取り込みを行なう場合には、次のような取り込み方法の設定のための画面が現れます。
この設定場面は、上に示した 「音楽の取り込み」 に関するオプション設定のためのもので、2回目以降の取り込みの際には、表示されません。

画面 (1/2) は、コピーガードを付けて取り込むか否かの設定で、上に示した 「音楽の取り込み」 に関するオプション設定の画面で言えば、「形式」 のすぐ下にある 「取り込んだ音楽を保護する」 にチェックを入れるかどうかの設定です。
「コピー防止を追加する」 を選ぶか、左図に示すように、「コピー防止を追加しない」 を選び、その下に書かれていることを理解するにチェックを入れるかして次に進みます。

画面 (2/2) は、音楽の取り込み に関する 圧縮形式 の設定画面です。
デフォルトのままで良ければ、「現在の設定を変更しない」 を選んで完了します。
完了と同時に先程の画面に戻り、音楽の取り込みが始まります。

音楽の取り込み状況は、左図のように表示されます。
取り込まれた音楽は、「マイ ミュージック」 の中に、次のように保存されます。
マイ ミュージック
┗ アーティスト名
┗ アルバム名
┣ 01 曲名01.wma
┣ 02 曲名02.wma
┣ ・・・・・・
┗ nn 曲名nn.wma
「アーティスト名」 や 「アルバム名」 が不明の場合は、「アーティスト情報なし」、「アルバム情報なし」 などというフォルダが作られます。
音楽の書き込みを行なうには、先ずブランクの CD-R または CD-RW を CD-RW ドライブに挿入し、Media Player の [書き込み] ボタンをクリックします。
この画面左側の 「書き込みリスト」 を作成するには、[再生リストの編集] ボタンをクリックして 再生リストの編集画面 を開いて作成するのが普通ですが、下に示すようにドラッグ&ドロップでリストを作る方法も便利です。

すなわち、「マイ ミュージック」 内に保存された音楽ファイルの中から、書き込みたいものを選び出し、左図のように Media Player の 「書き込みリスト」 に ドラッグ&ドロップ すれば、これらのファイルがリストに登録されます。

また、「マイ ミュージック」 内の 「アルバムフォルダ」 をドラッグして、Media Player の 「書き込みリスト」 にドロップすれば、このフォルダ内のすべてのファイルを一気にリストに登録することができます。

「書き込みリスト」 の一番下に表示されている 「合計時間」 が、ディスクの容量以下であることを確認します。
準備が済んだら、[書き込みの開始] ボタンをクリックします。

書き込みの順序は、次のように進みます。
| 1. | WAVE ファイルへの変換 |
| 2. | 各ファイルの書き込み |
| 3. | クローズ処理 |
この手順に対応して、表示は次のように変わります。
| 1. | 変換しています |
| 2. | 変換されました |
| 3. | CD に書き込んでいます |
| 4. | 完了 |
| 5. | ディスクを閉じています |
書き込みが済むとディスクが排出されます。
WMA ファイルや MP3 ファイルは、人間の耳では殆ど聞こえない周波数成分を切り捨てるなどの方法で、元の音楽データを圧縮しています。 従って、通常の形式で圧縮されたこれらのファイルは、音質が劣化しており、元に戻すことはできません。 「Windows Mediaオーディオ可逆圧縮」 という形式を使って音楽を取り込めば、元の音質を保ったディスクを作成することができます。 但し、通常の WMA ファイルや MP3 ファイルが 1/10 位に圧縮されるのに対して、この圧縮率は僅かです。
尚、音楽CD の内容を圧縮せずにそのままの形で取り込む操作を 「リッピング(吸出し)」 と言います。 市販のライティング ソフトには、通常リッピング機能が付いていますが、フリーソフトにも CDex のような有名なリッピング・ソフト (リッパー) がありますので、これを使って WAVE ファイル を作り、この WAVE ファイルを書き出せば、音質劣化の問題を避けることができます。
上で示した例では、音楽CD の 「アルバム名」、「曲名」、「アーティスト名」 などが表示されていますが、これらは、Windows Media Player が 「CDDB (CD Data Base)」 のあるサーバーに自動的に接続して、このデータベースから情報を読み出して表示しているのです。 CD-TEXT という形式で作成された 音楽CD には、これらの情報が書き込まれていますが、通常の 音楽CD には、これらの情報が書かれているわけではありません。 そのため、このデータベースを検索して情報を得ないかぎり、曲名の表示などはできないのです。
CDDB は 1995年、純粋なボランティア運営による CD 情報蓄積サービスとしてスタートしました。 有志の利用者が CD の楽曲情報を入力して CDDB サーバーにアップロードし、その情報をネット経由で広くユーザーに提供する仕組みです。 現在、このサーバーは Gracenote 社 によって運営されています。 Microsoft 社 は、自分のサーバーに CDDB を構築しています。 パソコンで音楽を扱うには、今や CDDB は不可欠なものとなっており、WinAMP、Windows Media Player、RealJukebox などの主要なメディアプレーヤーは、CDDB との連携機能を内蔵するか、連携機能を持たせるためのプラグインソフトが提供されるようになっています。
この仕組みは、CD のリードインにある情報書き込み領域に、CD の曲数や時間などの目次情報 (TOC: Table of Contents) が書き込まれているのを利用しています。 CD プレーヤーに CD を挿入すると、曲数と時間が表示されるのは、TOC を読み込んでいるからです。 CDDB は、データベース上で、この TOC 情報と楽曲情報を関連づけています。 TOC には、時間の情報が 100分の1秒単位 まで記録されています。 100分の1秒 まで一致する CD というのはそう滅多にあるものではありません。 そのため、タイトル数が膨大になっても CD を区別できるのです。
以上、見てきたとおり、Windows XP の CD-R / CD-RW ライティング機能は、非常にシンプル且つベーシックなもので、機能的には市販のライティング ソフトには遠く及びません。 一応それなりに簡便な機能とは言えますが、市販のライティング ソフトに慣れた方は、物足りなさを感じるでしょう。 CD への理解を深めるには、市販のライティング ソフトを使ってみることもお勧めです。
次世代の Windows には、次世代の CD-RW 規格 Mt. Rainier (マウント・レイニエ) が搭載されるだろうと言われてきました。 Mt. Rainier というのは、Microsoft、Philips、Compaq、ソニー の4社が先導する企業グループの名称で、Mt. Rainier 規格 と呼ばれる 「CD-MRW」 は、このグループで標準化を進めてきたものです。 この規格は、従来からあったパケットライトを大幅に改良したものとなっています。 これが本当に導入されたら、CD-RW の使い方が大きく変化することが予想されます。
このテキストが CD の理解に少しでもお役にたてば幸いです。
<以上>