アンテナ for PHS

コーリニアアンテナの構造と動作

■構造

コーリニアアンテナは、1/2λに同期する素子を、直線上に複数個配置したものです。各々の素子が同位相で励振される為、高い利得が得られます。 基地局からの電波を複数のエレメントによって効率よく捕らえるとともに、端末から投入された電力を水平面内に集中的に放射します。

コーリニアアンテナの構造

■受信の動作

1波長(1λ)の導体がその周波数の電磁波に共振する時、導体上に1周期の電圧分布が発生します。 分かり易いようにプラスのピークからマイナスのピークを経てプラスのピークまでとします。 1/2λの導体では、一方の端にプラスのピーク、もう一方の端にマイナスのピークという電圧分布となります。

1/2λに共振した電圧分布

1/2λに同期する素子を直列に多数接続することで、同位相での重ね合わせを実現しています。 これで、基地局からの電波を高効率で捕らえることが可能となります。 乾電池20本を直列に接続した時の電圧を考えると、どれほど効率が高いか容易に想像がつくと思います。 図は一瞬を切り取ったものです。1.9GHzの周波数では、プラスとマイナスの相が1秒間に19億回入れ替わります。

コーリニアアレイの電圧分布



■送信の動作

受信性能は、いくらでも高めることが出来ます。たくさんのアンテナを用い、それらに励起された電力を合成することで、可能となります。 しかし、送信の場合、どんな高性能なアンテナでも、端末から供給される以上の電力を放射することは出来ません。エネルギー保存則に反します。 PHS端末の出力は平均10mWという限られた微弱なものです。有効に使わなければなりません。 コーリニアは、不必要な方向への放射を抑制し、一定の方向だけに電力を集中させます。 この、特定の方向に電力を収束させる特性を表したのが、アンテナの「ゲイン」または「利得」と呼ばれるものです。
素子配列と指向性の関係
複数のエレメントを配置したアンテナをアレイアンテナと言います。エンドファイヤーアレイ型とブロードサイドアレイ型に分かれます。 エンドファイヤーアレイ型はエレメントの配列方向に指向性を生みます。ブロードサイドアレイ型の指向性はエレメント配列の直角方向です。
コーリニアアンテナはブロードサイドアレイ型の一種です。 アンテナに直交する面を中心に指向性が生まれます。基地局の存在しない上下方向への放射を抑えて、基地局のあるであろう水平方向へ電力を集中させることで、 遠方の基地局まで電波を届かせることが出来るのです。


  自作マニュアル



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