深夜ラジオ番組で、それは起こった。

「クロマジュツ……呪いのかけかた、教えてほしいんだ」

マサトの相談に、鬼目村彩子(きめむらあやこ)は、絶句した。



メトロポリタン・ラジオ、土曜午後11時放送

『きめむらあやこの新ホリーサタデー』。

視聴者を励まし、なぐさめるための電話セッション――そのはずだった。


マサトは、励ましも、なぐさめも、必要としていなかった。

彼が望んだのは、ただひとつ、復讐の魔術――

「彩ちゃんだって、使ったろ?
教会で教わった黒魔術で、あの四人、
黒焦げにしたんだよね?
あんなことされれば、当然だけどさ」

そう。彩子も、被害者だった。

見知らぬ連中に、美しい顔を、めちゃめちゃにされた。

この世は、闇が深い。

彩子はそれを知っている。

マサトも叫ぶ。

「現実は、理不尽だらけだ。
あちこちで、ねじれて、腐ってる。
こんな世界で、神を信じろっていわれてもねえ」

「だけどマサト、自分で復讐しようなんて、考えちゃだめ」

すると、マサトは、せせら笑う。

「彩ちゃん。
火だるまになったんだぜ、あの四人。
気分爽快だったよね?」

「私は復讐なんて、いちども考えなかった」

「うそだ。
あの連中に、復讐したいって、
願ったはずだ」

放送終了までに、説得しなければ――

彩子は、十字架をとり、祈った。

主イエス・キリストの名において、マサトを救うために。



この世に救いはあるのか


光と闇の闘争をあますところなく描く


クリスチャン・サスペンス巨編

壮大な第一章が、

2007年、いよいよ、幕をあける

















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