Welcome to Our Company
リストマーク
特許翻訳コンサルティングとは↓

リストマーク
NEW!
☆特許翻訳トークプログラム

演題サンプル
▼「フリーランス特許翻訳者 実務のポイント」
▼「社内特許翻訳者 実務のポイント」

特許翻訳の講演を開きたいが講師が見つからない---->経験豊かな元特許翻訳者が講師として実務のポイントをお話します
リストマーク
NEW!
☆特許翻訳トレーニングプログラム
☆『特許英訳マスターコース』

◆企業知財部、特許事務所の社内翻訳者育成プランとして……団体向け『特許英訳マスターコース』
◆社内翻訳者からフリーランス翻訳者へステップアップするために……個人向け『特許英訳マスターコース』
◆弁理士に必要な英文明細書翻訳テクニックのヒントとして……
団体向け『特許英訳マスターコース』

リストマーク
NEW!
☆特許翻訳者募集プログラム


▼常勤(社内)翻訳者募集プログラム
▼外注翻訳者募集プログラム


◆将来性のある社内翻訳者を募集したい!
◆すぐれた外注翻訳者を募集したい!
---->御社に最適なプランをご提案いたします

リストマーク

『特許明細書英訳の手法と実務』
廣島節也著
(日本実業出版社より2007年刊行予定)

































        CONTACTS
                              


リストマーク連載エッセイ  ●嵐が止むまで
『特許明細書英訳の手法と実務』ができるまで
特許翻訳コンサルタント
廣島節也(ひろしませつや)
〜リアルタイム出版ドキュメンタリー〜


第2回 著作権あり!


自前の特許翻訳対訳データベースを商品化することはむずかしくないと思いました。

私のパソコンにはすぐれたPDF作成ソフト、bojoPDFがすでにインストールされています。bojoPDFはプリンタドライバとして機能するため,、印刷できるものは、すべて一瞬のうちにPDF化してくれます。セキュリティ設定により「印刷不可」「コンテンツのコピー/抽出不可」を指定しておいて、サイト上から自由にダウンロードしていただき、ユーザパスワードをメールで販売すればいいのです。非常に単純なビジネスモデルですが、うまくいくビジネスほど単純なものです。

ただし、気になる点が2つありました。

ひとつは著作権です。以前、特許業界の知り合いから聞かされた話にこういうものがありました。「小説のように著作権のあるものは印税の対象となる。しかし特許公報には著作権がないから、特許明細書自体に著作権もないし、印税も発生しない」これが事実なのかどうかきちんと調べる必要があると思いました。データベースに登録してあるデータは、いうまでもなくクライアントの和文と私の英文を対訳形式にまとめたものです。もし、上記の「うわさ」が事実でないなら、著作権の侵害となります。

もうひとつは守秘義務です。フリーランス特許翻訳者は、未出願案件を預かるため守秘義務は当然です。しかしこれまでに納品した案件は、すべて出願公開され公知となっています。この場合、データを公開してもよいかどうか。

いずれも常識で勝手に判断するのは危険な気がしました。商品化の前に上記2点を完全にクリアしなければなりません。

そこで専門家に相談すると、案の定、そのまま商品化できないことがわかりました。

明細書がすでに出願公開されているのであれば、守秘義務からはすでに解放されているものの、特許明細書には著作権が認められるとの回答だったのです。仮に同じ発明であっても、明細書担当者によって当然、仕上がり内容に大きな相違が生まれます。これが「思想の表現」に当たるため著作権により保護すべき対象なのだそうです。英文についても、私に著作人格権が帰属することはあっても、財産権まで主張するのはむずかしいというのです。クライアント(特許事務所)は、出来高払いによって英文の財産権を買い取ったことになるため、たとえ自分の英文であっても勝手に再販売する権利はないのです。

これはショックでした。けれど冷静に考えれば、当然かもしれません。そもそも翻訳権はオリジナルの著作権者の意向を離れて存在しません。もし私に英文の財産権が認められるならば、たとえば有料特許データベース業者に英文使用料を請求できるでしょう。

「では、どうすれば商品化できるでしょうか」
「書き換えることですね」専門家は、電話口で明るくおっしゃいました。「英文の骨格だけ残して、固有名詞だとか、そういう部分を全部、書き直せばいいんですよ」
「apparatusをmeansやdeviceに置き換えるのは、むずかしくありませんが……」
「そういうレベルではだめです。オリジナルが容易に類推できるようではだめなのです。技術分野ごとそっくり別の話に変えなければ」
「分野ごとそっくり……」いやな汗がこめかみに流れました。
「わざわざそういう類似部分を探しまわる人もいますからね」
「そうですか……」受話器をにぎりしめた手から力が抜けました。

書き換える! それも分野ごとそっくり!

言うのは簡単ですが、大変な作業です。数千件のデータをすべて見直さなければなりません。頭上で暗雲が乱れ飛び、耳元で風がうなるのを感じました。無理です。データを加工せず、手間をかけずにそのままPDFファイルで売るところに、わずかにビジネスとしてのうまみがあったのです。売れるかどうかわからない商品のために数千件のデータを書き直す時間はありません。残念ですが、あきらめるしかなさそうです。

机の前で頭をかかえました。オリジナル著作物の権利がいかに強固なものか、あらためて思い知らされました。著作権という逆風に全身を飛ばされそうです。目をつぶると、会社のなつかしいデスクが浮かびます。翻訳に本腰をいれはじめたころ、会社で使っていた32ビットのIBMコンピュータ。いちばん最初に訳した優先権翻訳明細書。私に翻訳を熱心に勧めてくださった上司や先輩翻訳者、取引先担当者の顔、顔、顔。15年以上の年月が、走馬灯のように脳裏を駆け抜けました。

そのときです。暗雲のすきまから差し込んだレンブラント光のように救いの声がとびこんできました。

「翻訳の手引書を書かれてはいかがですか」専門家は、すでに何冊か著書をものされています。「特許翻訳なら面白いんじゃないでしょうか。よろしければ出版社に話をつなげてもいいですよ」

手引書。考えもしませんでした。本が出るならデータを書き換える意味が出てきます。正直ほっとしました。もっともこの進路変更がさらなる嵐を呼ぶことになるのですが……。

                                     (つづく)

リストマーク
特許翻訳コンサルタント 廣島節也 アメリカ出願明細書用の英訳について徹底指導。翻訳テクニック解説だけでなく、経営の視点から社内特許翻訳者育成のお手伝いもいたします。
リストマーク
スカイ特許事務所 特許事務所をお探しの方は、実績と安心の”顔が見える”スカイ特許事務所へどうぞ!
       ライン 
                           To Top Page
               Copyright (C) 2005-2007 Sphinx House Ltd. All Rights Reserved.