6月定例議会が開催されました。私は、以下の課題を取り上げて一般質問を行いました。


{質問}
地域経済の活性化〜起業支援、転業支援に力を注ぐべきだ

最近の新聞やテレビニュースなどを見ていると、景気が好転したとの報道が成されていますが、音更町で
は、それら報道と別世界にいるのかと思うほどの低迷が実態だと思います。
特に地域における雇用の主要な受け皿として、長らくその地位を守ってきた建設業は、国・地方公共団体
の財政難などの影響による公共投資縮減で大きな局面を迎えて久しい。
都市圏に位置する地域ならば民間による投資が期待され、脱・公共事業での事業経営も成り立つのだろ
うが、とりたてて農業以外に力を有する産業がない音更町に至っては困難と言わざるを得ません。
その一方で、「夢よ再び」と公共事業による発注増で経営発展を期待しても、現下の国・地方公共団体の
財政体質では、厳しい発言かもしれないが、それはまさに「夢」でしかないと感じています。
そこを誤魔化して、さも、バラ色の時代もあるかのごとく表現するのは、単なる甘言であり、真に愛情のある
話ではないと思います。
しかし、地域経済・雇用の基幹を担ってきた建設業が、このまま崩れていくのをただ傍観しているのは、地域
政治の無為無策を証明していると思う。
私は、かつて、農業の余剰雇用を鉄鋼・造船・炭坑などを代表する重厚長大産業が吸収し、その重厚長大
産業が斜陽してきたときには建設業が吸収してきたように、今まさに構造的問題を抱え、もがき苦しむ建設
業を他の産業に転換させる手助けをする事は、単に建設業を救うという近視眼的観点ではなく、町内経済と
町民の雇用を守るという観点で重要ではないかと考えます。
この趣旨から、以下の観点を核にしてお伺い致します。

1、今後、公共事業(土木・建築)に投入する予算は、どのような方向で考えているか。
2、起業支援・転業支援について、町はどのように対応してきたのか。
  また、今後どのように対応するお考えか。
3、仮に積極的に関与するお考えならば、庁内に対応する部署の設置が当然かと思うが、如何か。
4、起業支援・転業支援は建設業に限らず、町民や全業種を対象とすべきとも思うが、見解を伺う。


{答弁}
地域経済の活性化に関するご質問にお答えいたします。
はじめに、公共事業に投入する予算の方向性についてでありますが、ご意見にありますとおり、国及び地方の
税財源の配分を見直す三位一体の改革により、本町の主要な一般財源であります地方交付税が年々減少し、
これに伴い公共事業に充当できる財源も縮小せざるを得ない状況となっております。
昨年度を初年度とする「財政健全化五か年計画」では、建設事業に充当可能な一般財源を5年間で45億円と
想定し、年次別では概ね9億円程度としております。
今年度の一般会計当初予算では、建設事業に必要とした一般財源が約8億6千万円で、事業費ベースでは
約24億円となっております。また、この建設事業に分類されるものとしては、土地の取得、或いは建設年賦金
等の経費も含まれることから、これらを除いた工事請負費ベースで申し上げますと、約12億5千万円で、さらに、
特別会計と水道事業会計を加えた総額では約21億4千万円となっております。
公共事業は、その整備する施設によって、補助金や起債等の特定財源の割合が大きく変動することから、
今後の事業費ベースでの総額を現時点で予測することは、極めて難しいものがありますが、「財政健全化五か
年計画」における一般財源が確保されるとするならば、工事請負費べ−スで、今年度と同様の20数億円程度
の予算規模で推移するものと考えております。
いずれにいたしましても、現在、国において「地方交付税改革」が総額抑制に向けて論議されており、今後とも
公共事業の大幅確保は極めて厳しい状況にあるものと認識
しております。
次に、起業支援、転業支援への対応について、一括してお答えいたします。
本町経済は、依然として厳しく、このような現状を打開し、雇用の拡大を図るためには、企業誘致をはじめ、新た
な起業の促進や新産業を創出する企業の育成が求められております。本町においては、今まで特に新規に起業
する事業者に対して、町独自の支援策は講じておりません
が、建設業だけでなく、町内で1年以上経営されてい
る商工業者に対しては、新たな事業の展開や新分野への進出に要するための融資として、町商工業振興資金
が活用できることとしております。この融資制度は、中小企業者への支援策として実施してきたところであり、運転
資金が貸付期間5年以内、限度額を1千万円、設備資金と税の滞納がない事業者を対象に利子補給も行って
おり、運転資金が三年間、設備資金が5年間、利率が2パーセントを超えるものに対して、その超える部分の2
パーセントを限度額とし、さらに、研究開発資金は5年間で全額、信用保証料については年次割りにより全額
補給するなどの支援を講じているところであります。
起業や転業などの支援を、ひとり行政だけで行うことは非常に厳しいものがありますが、本町経済の活性化のため
今後とも商工会や町内の金融機関とも連携を図りながら、融資制度等を継続実施してまいりたいと存じます。
新規創業や新事業展開に係る支援策は、国や道にいろいろな補助制度や融資制度があり、例えば、道の一村一
雇用おこし事業では、本町内でも平成15・16年度の2か年で2事業が採択され、貸金や設備投資に対する補助
が受けられるなど、制度を有効に活用している事例もあります。
このように、国や道に、個人や法人、そして業種を問わず支援を受けられる制度がありますので、本町内で新たに
事業を展開したり、新たな分野に進出する計画を有する方々に対し、これら制度の活用が図られるよう、相談体制
の整備と情報提供など、関係機関との連携を図りながら推進
してまいりたいと考えております。
なお、庁内にこれらに対応する部署の設置をとのことでありますが、職員定数を極力抑えてきている状況にありま
して、新たな部署を設けることは、非常に難しいものもありますので、現体制の中で、支援に当たってまいりたいと
考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。


赤字で記した部分が、私の意図するところと一致しないので、以下の点について再質問などを行いました。
でも、質問の意図と答弁とに交わるところが無く、すれ違いに終わってしましました

{再質問以下の要旨}
今後の公共事業投入予定額は、財政健全化計画後にあっても…のトレンドをシンプルにお伺いしたつもりだ。
これまでの起業支援と転業支援に関しては、融資などで設備資金等への対応を行ってきたとの回答だが、そうした
対応を否定しないし、事業者の資金面での不安を払拭させたいという対策は必要不可分。
が、こうした資金面への支援策は、国や北海道や財団法人、特殊法人等々の制度もかなりのメニューがあり、町が
これらと重複する支援策を設定するのはあまり効果がない。そこを主に質しているのではない。
私は、事業者が転業を考える最初の段階で悩むのは、こうした制度が多種多様にあるが故にどこに、どういう制度
があるのか混乱すると言うことではないかと感じている。
そして、運営ノウハウ面でも、彼等はどこに相談して良いのか判らない。
このとっかかりの段階で意欲が萎えてしまい、従来行っている資金面の支援の段階にさえ行かないケースが多いの
でもったいないと感じている。
商工会もあるが圧倒的な情報を持っているのは音更町内では役所なので、「用があるなら相談に来い」と言った
体制ではなく、転業に際して悩む事業者に整理された的確なメニューを親身になって”能動的”に提示し、背中を
押してあげる行為
をこそ、強く求めたい。

その行為を行う部署は、現在は経済部商工観光課だ。しかし”経済部”と言っても圧倒的に農業にまつわる部署で占
められ、件の部署には4人しかいない。しかも労働問題と観光問題もこの4人で兼務対応をしている。
基幹産業は農業なので、こうしたバランスもある種仕方がないのかも知れないが、かたや農業政策をも担う農協が、
町内には2つもあり、更にこれだけの人員を役所内に抱えていることに対し、羨望すら感ずるという声も聞く。
兼務体制の中、4人では、答弁にある融資や補助金の窓口業務だけで精一杯。
私が提案した「産業企画・産業支援政策立案」の分野まで対応するとなると、少しバランスを再考しなくては成らない
のではないか。決して職員の純増を求めてはいない。あくまでも、時代にあった適地適数配置だ。

”親鳥からの給仕”になれてしまった、ひな鳥が即応するのかについては一抹の不安もある、だからといって放っておい
ては一歩も前に進まない。
音更町に限らないが、建設業にまつわる産業政策は、建設部と総務課契約係での「公共事業を発注すること」でしかな
かったというのは、言い過ぎか。
私は、大きな転機に来ている建設業を新しい発想で育てていくためには、ただ”発注”するのでは駄目。
しかも、今後は公共事業費が潤沢に出されることなど、構造的に無理であるならば、転業を支援し、経営の柱を複数持た
せ、雇用を守り、町内経済を活性化させるためには、役所は産業企画というコンサルタント的役割を担う必要があるし、
むしろこれからは、それらが中心的役割と成っていくべきと思う。
蛇足だが、現在の企画部というセクションは将来、各現業部門にこそ必要ではないかと思っている。
私は、これからの役所には孵卵装置(インキュベート)としての役割を望みたい。

自治体大競争時代を生き残るため、特に産業企画政策で音更町は特色を出すべきと提案したい。
道南地区は、団塊世代のリタイア層に移住してもらう件とか、起業・転業支援でも生き残りをかけて北海道庁などから、
積極的に情報を収集し、自ら発信もしている。北海道庁も建前では、すべての市町村を公平に見るとは言っても、積極的
な姿勢の自治体を優先的に取り扱うのは、自明の理。
なのに十勝は好調な農業に寄りかかっているのか、いつかお上が何とかしてくれるという”拓殖根性”からなのか、役所
も世間も危機感がなさ過ぎる。
先日の新聞で、音更農協がにんじんの栽培作業に”帯広の”建設業者と委託契約を結んだと報道されていたが、
町内・庁内に情報連携がない証拠ではないかと、凄くガッカリさせられた。
団体長会議は何のためにあるのか、機能を発揮していないのではないか
とさえ思う。

北網地区では建設業が、砂利採取の跡のくぼ地にじゅんさいを作って、相当額の売り上げを上げ、経営の柱としている
業者がいる。寒冷地での栽培については北限が設定されていたけど、東北の大学の研究室とタイアップして事業化に
着手したという、産官学の連携が成された事例だ。
少し横道に逸れるが、愛知県の村ではトヨタ関連で、交付税削減も何のその。法人税が潤沢に入る村があると聞く。
立地条件に恵まれた事例とはいえども、交付税に左右されることのない町財政を構築する具体的努力が必要だ。

上記の提言と指摘をしたのですが、何とも空回り。少し凹んでいたら、一般質問を行った翌々日の地元新聞に帯広市が
建設業などの転業支援を行うとの記事が掲載されていました。
『ほら、見たことか〜』と、鼻が膨らむより、『あ〜っ、やられた〜』と、情けなくなりました。



平成18年6月14日 十勝毎日新聞1面(企業名などはカットしています)

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