巻5

寸部

【寸*寸】
401
寸 3
『世尊寺本字鏡』に「ツタツタ」とある。ずたずた、切れ切れになること。『音訓篇立』に「ツクツク」とあるのは誤りか。
【寸+多】
402
寸 6
「[寸+多][知*寸][知*久](スタチスチック)」もしくは「[寸+多][知−口+寸][知−口+久](同)」は、統計学のこと。前者は笹原宏之著『位相文字の性格と実態』に「杉享二が作り弟子とともに使った」とある。後者も『位相文字の性格と実態』が典拠とする『[寸+多][知*寸][知*久]復刻版』にあり、同人の作と考えられる。
【導−道+忌】
403
寸 7
苗字に[導−道+忌](いみき)がある。
【(屋−至+日)+寸】
404
寸 7
『音訓篇立』に「コハシ」とある。
【賠+寸−貝】
405
寸 8
『名義抄(観智院本)』に「ウチ禾ル」とある。
【鼡】
406
寸 5
83-75
『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「天鼡矢 クス子」とある。『大漢語林』に「ソ 鼠の俗字」とあり、「鼠」の一異体字にすぎないと考えられるが、『中華字海』には、「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。あるいは、和製異体字か。 

尸部

【屋−至+干】
407
尸 3
『字鏡鈔』・『字鏡集寛元本』に「サス サル」、『篇目次第』に「サス サル 无」とある。
【屋−至+万】
407a
尸 3
苗字に[屋−至+万]太(そわた)がある(丹羽基二著『苗字 この不思議な符牒』)。
【屋−至+孔】
408
尸 4
m7658
『名義抄(観智院本)』に「フ爪」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「フス」とある。『漢語大字典』が『改併四聲篇海』・『康煕字典』を典拠に「同尻」とする。「フス」は国訓か。
【屋−至+斗】
409
尸 4
『名義抄(観智院本)』に「ユトリ 戸歟」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ユリエ」、『音訓篇立』に「ユツリ」とある。「[扇−羽+斗]」の異体字であろう。
【屋−至+朱】
410
尸 6
2-08-16
「くぼ・しなたり」の意の国字。「[門+也]・[門+化]」などに同じ。『新撰字鏡享和本』に「朱音開也久保」、『黒川本色葉字類抄』・『温故知新書』に「ツヒ」、『音訓篇立』に「朱音保開也」とある。『天正十七年本節用集』に「開 ノヒ 玉門・玉泉・朱門・[屋−至+朱](下略)」とあるが、「ツ」のところにあり、本来注文は、「ツヒ」とあったものを書写時に誤ったものであろう。また『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「屎 ツビ」とあるのも書写時に[屋−至+朱]を書き誤ったものであろう。
【尺*加】
411
尸 6
釈迦の省画合字。『国字の字典』が『異体字解読辞典』を引いて国字とする。
【屋−至+羊】
412
尸 6
『名義抄(観智院本)』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ツヨシ」とある。『漢語大字典』が『龍龕手鑑』などを典拠に「同犀」とする。「犀(さい)」のように「強い」という意味で付けられた国訓か。
【屋−至+(口*行)】
414
尸 9
『名義抄』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「シリタフラ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「シリコフタ シリタフラ」とある。「尻臀(しりこぶた)」の意の国字か。
【屋−至+背】
415
尸 9
『音訓篇立』に「ホカニ」とある。
【屋−至+貨】
416
尸 11
『名義抄(観智院本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ノフ」とある。
【屋−至+報】
417
尸 12
『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ハナハタ」とある。
【屋−至+萬】
418
尸 12
『名義抄(観智院本)』に「カタシ ツク」とある。
【屋−至+{墨−黒+黒(旧字体)}】
420
尸 15
【屋−至+(報*足)】
421
尸 19
『字鏡鈔』に「フム」とある。『篇目次第』に「[圧−土+(報*足)] フム」とある。『国字の字典』が『慶長十五年本倭玉篇』を引き「履(ふ)む」の意の国字とする。『龍龕手鑑(宋本)』に[応−心+(報*足)]の字形がある。国字ではないものと考えられる。

山部

【乢】
422
山 1
54-06
m175
苗字に乢(たわ)がある。『国字の字典』は、「鳥取県岩美郡岩美町高住字乢(たわ)」などの地名を国字としてあげるが、同書には、『康煕字典』にあることも書かれている。『大修館現代漢和辞典』国字索引や『新字源(新版)』・『漢語林』の「国字・国訓一覧」も国字とする。『漢語大字典』が『龍龕手鑑』を引いて「音盖」とし、『中華字海』が『朝鮮本龍龕手鑑』を典拠に「同丐」とする。国字ではなく、国訓であると考えられる。
【山+乙】
423
山 1
m7870
2-08-23
国字とされることがあるが、『字彙』に「山曲也」とあり、国訓でもないと考えられる。
【岬−甲+又】
424
山 2
[岬−甲+又](たわ)は鳥取県岩美郡岩美町白地の字名。乢または[岬−甲+乙]の異体字か。
【屶】
425
山 2
54-07
山刀(なた)の合字で、なたの意を表し、苗字や地名に用いられる。『龍龕手鑑(宋本)』に「音会」、『中華字海』に「同会」とあり、国訓である。笹原宏之著『「JIS X 0208」における音義未詳字に対する原典による同定』に、JISの典拠として『国土行政区画総覧』から山形県長井市九野本通称屶柄(なたづか)が引かれている。ただ原典の『国土行政区画総覧』は「屶」の「刀」を「力」に誤植しているとのことである。
【山*川】
426
山 3
1-47-67
丹羽基二著『知ってなるほど苗字の謎』(珍姓京都府)に[山*川]本(ほきもと)がある。岡山県英田郡作東町大字五名に字小[山*川](こぼき)がある。
【嵐−風+(凪−止+ヽ)】
427
山 3
『合類節用集』に「[嵐−風+(凪−止+ヽ)]アラシ ラン 嵐也」とある。[鮎−占+{嵐−風+(凪−止+ヽ)}]は、グループ名として用いられた「ブリザード」の宛字。[嵐−風+凡]の字形で、『漢語大字典』が『正字通』を引いて「同嵐」とする。親字は、この字と同字であると考えられ、国字ではない。ブリザードの意の文字を諸書が[鮎−占+嵐]とすることも典拠のあることだということがわかる。
【岬−甲+与】
428
山 3
苗字に[岬−甲+与](しま)がある。国字ではなく、「嶼」の異体字と考えられる。
【岬−甲+下】
429
山 3
『国字の字典』が『日本姓氏大辞典』から「下[岬−甲+下] しもあくつ」を引くが、原本にはない。「圦−入+下」の引用誤りか。
【炭−灰+下】
429a
山 3
『国字の字典』が『國字考』を典拠に「嵐(あらし)」の意の国字とする。『國字考』は、「颪」の頭注にこの文字が見られるが、二字とも見え、そのためか別途立項されていない。
【岬−甲+尺】
430
山 4
2-08-26
苗字に[岬−甲+尺]田(エキタ エキダ)がある。[岬−甲+(驛−馬)]の和製異体字か。
【岬−甲+夫】
431
山 4
『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「大和国[岬−甲+夫]嶝(やまとのくにめおとざか)寛保2年12月初演」とある。
【岬−甲+五】
432
山 4
『名義抄(観智院本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「タツ」とある。
【岼】
433
山 5
54-16
苗字岼(ゆり)や京都府天田郡三和町の地名岼(ゆり)に使われる。国字とされることが多く、『中華字海』にも日本地名用字とある。『新撰字鏡』・『世尊寺本字鏡』に「彼萠反豆也」とある。この「豆」は「たかつき」のことと考えられる。山腹にある「たかつき」の様な上の平らな地形という意味で、この字が当てられたのかもしれない。反切もあることから、佚存文字に対する国訓ということも考えられる。
【峅】
434
山 5
54-18
苗字に岩峅(いわくら)がある(丹羽基二著『知ってなるほど苗字の謎』(珍姓富山県))。岩峅寺(いわくらじ)・岩峅野(いわくらの)・芦峅寺(あしくらじ)は、富山県新川郡立山町の地名。
【岾】
435
山 5
54-19
大岾(おおはけ)・岾野(はけの)は埼玉県所沢市大字南永井の小字、岾(はけ)は同市大字坂ノ下の小字。JISの原典典拠の京都市左京区浄土寺広岾町(じょうどじひろやまちょう)は『JIS X 0208:1997』(附属書7(参考)区点位置詳説)に「現在では広帖町(こうちょうちょう)に改められている」とある。『世尊寺本字鏡』に「コ音 古都反 [岬−甲+己]也 无草山」、『篇目次第』に「テウ反ヤマ」、『法華三大部難字記』に「タカシ」とある。[岬−甲+古]などの異体字であろうか。国字といわれることもあるが、嶺の意の地名用字として永郎岾・楡岾寺が韓国にあり、即断はできない。音をセンとつける字書があるが、典拠はあるのだろうか。
【岬−甲+半】
436
山 5
2-08-31
苗字に[岬−甲+半]畑(さこはた)・岡[岬−甲+半](おかさこ)がある。
【岬−甲+田】
437
山 5
苗字に中[岬−甲+田](なかしま・なかやま)がある。『有坂本和名集』に「クヰ」とある。国字であり、かつ特殊な読みと考えられるが、『有坂本和名集』札記には、ふれられていない。
【岬−甲+玄】
438
山 5
苗字に[岬−甲+玄]山(はやま)がある。
【峡−一】
439
山 5
苗字に[峡−一]下(はげした)がある。
【峡'】
440
山 5
苗字に[k440]下(はげした)がある。
【岬−甲+北】
441
山 5
『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「けいせい桜花[岬−甲+北](けいせい はなのきたやま)寛政10年1月初演」とある。
【岬−甲+台】
441a
山 5
苗字に岩[岬−甲+台](いわくら)がある(『日本苗字大辞典』)。
【炭−火+大】
443
山 5
『篇目次第』に「ニハカニ」とある。
【炭−灰+布】
444
山 5
『名義抄(観智院本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「サカシ」とある。
【炭−灰+(診−言)】
445
山 5
『篇目次第』に「ヤマ 无」とある。
【峠】
446
山 6
38-29
m8068
中峠(なかびょう)は千葉県我孫子市の地名。『運歩色葉集』・『異體字辨』に「タウゲ」、『同文通考』に「トウゲ 嶺也嶺ハ高山之踰テ而過ク可キ者也」、『和字正俗通』に「トウケ」また対応する漢字として「嶺」、『倭字攷』に「タウケ 嶺 ○和爾雅 和漢名数 音訓國字格(中略)从山从上下、皇國會意之字」とある。韓国の漢字規格にあるが、『漢韓最新理想玉篇』は日本字とする。『中華字海』にもあるが典拠がなく、新しい文字であろう。国字であると考えられる。→「峠」の世界
【炭−灰+光】
447
山 6
『世尊寺本字鏡』に「ヒカル」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ヒカリ」とある。『五音類聚四聲篇海』が『俗字背篇』から「音究」と引く。国字ではない。国訓か。
【炭−灰+宇】
448
山 6
『世尊寺本字鏡』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「タカシ」とある。
【炭−火+天】
449
山 6
『篇目次第』に「ニハカニ 无」とある。
【岬−甲+(ム*天)】
450
山 6
『世尊寺本字鏡』に「サカシ」とある。
【岬−甲+臣】
451
山 7
『世尊寺本字鏡』に「サカシ」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』に「ソハタツ」、『字鏡集寛元本』に「ソハタツ サカシ」とある。
【炭−灰+足】
452
山 7
『名義抄』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「フモト」、『世尊寺本字鏡』に「ヤマノフモト」、『篇目次第』に「フモト 无」とある。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「麓 フモト ロク 山足」とある。「山足」を「ふもと」と読むことから合字してできた「梺」とは別系統の国字か。
【炭−灰+希】
453
山 7
『名義抄(観智院本)』に「サカシ」とある。
【岔−分+宋】
453a
山 7
苗字に[岔−分+宋]山(おうやま)がある(『日本苗字大辞典』)。
【嵐−風+(凪−止+百)】
455
山 8
苗字に五十[嵐−風+(凪−止+百)](いがらし)がある。『国字の字典』は、『日本姓氏大辞典』から「百」の部分を誤って[百−ノ]の字形で引用する。
【炭−灰+放】
456
山 8
『名義抄』・『世尊寺本字鏡』に「スル」、『字鏡鈔』に「爪ル」とある。
【炭−灰+奇】
457
山 8
『広漢和辞典』・『大漢語林』・『日本人の作った漢字』に「国字 さき」とある。『中華字海』が、謝霊運の『山居賦』を引き「山高峻」とする。この意味は、「崎」の漢字本来の意味と同じであり、「崎」の動用字と考えられる。「崎」にも国訓「さき」があり、[炭−灰+奇]も同じく国訓である。『漢語林』では、「キ」の音のみで、国字とはせず、「崎」に同じとする。「国訓 さき」を入れるべきではないかと考えられるが、国字としないという点では、改善されている。『大漢語林』では、「嵜」のJISコードが、この文字に与えられていたが、『漢語林』においては、JISの字体が、「嵜」であることが示されており、この点も改善されている。
【炭−灰+科】
458
山 9
H27-54
山科の合字で「やましな」を表す国字とされる。『中華字海』に「音義待考。字出北大方正《漢字内碼字典》」とあることや台湾の漢字規格にあることも無視はできない。『臺語大字典』・『漢語大字典』・『中華大字典』などになく、台湾での意味用法等は未詳である。
【岬−甲+卸】
459
山 9
『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「浅間岳色[岬−甲+卸](あさまがだけ いろのやまかぜ)文政12年9月初演」とある。
【炭−灰+是】
460
山 9
『世尊寺本字鏡』に「弓フクロ」とある。
【岬−甲+首】
461
山 9
『名義抄(観智院本)』・『世尊寺本字鏡』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「サカシ」とある。
【岬−甲+重】
462
山 9
『世尊寺本字鏡』に「キヒス ツク ツイテ」とある。
【岬−甲+風】
463
山 9
『世尊寺本字鏡』・『篇目次第』に「ヲカ」とある。
【嵶】
464
山 10
54-46
『地名レッドデータブック』に岡山県荘内村迫間嵶(はざまだお)・同県可知村鳥打嵶(とりうちとうげ)・同県鶴山村嵶山(たおやま)などがある。
【岬−甲+座】
465
山 10
『名義抄(観智院本)』・『世尊寺本字鏡』に「サカシ」とある。
【炭−灰+翁】
466
山 10
苗字に[炭−灰+翁](ところ)がある。
【炭−灰+婆】
467
山 11
m8441
『名義抄(観智院本)』に「俗婆字」とある。『中華字海』が『龍龕手鑑(宋本)』を典拠に「音婆。義未詳」とする。国字ではない。
【炭−灰+菜】
468
山 11
『篇目次第』に「タチハシカミ 无」とある。
【炭−灰+脚】
469
山 11
『名義抄(観智院本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「山ノフモト」、『世尊寺本字鏡』に「ヤマノフモト」とある。[炭−灰+足]と同様の考えで作られた国字か。
【炭−灰+植】
470
山 12
やや崩れた字形で、『名義抄』・『字鏡鈔』などに「イタヽキ」とある。「巓」などの和製異体字か。
【岬−甲+{応−心+(曽−ソ)}】
471
山 12
『国字の字典』が『伊京集』を引き「山路・山道(やまち)」の意の国字とする。
【炭−灰+葵】
472
山 12
富山県東礪波郡平村に[炭−灰+葵]谷(わさびだに)がある。『増刊下学集』・『早大本節用集』に「ワサビ」とある。『有坂本和名集』に[炭−灰+癸]のやや崩れた字形で「ワサヒ」とある。
【岬−甲+(繰−糸)】
473
山 13
『世尊寺本字鏡』に「モクヰ」とある。
【岬−甲+(嚊−口)】
474
山 14
2-08-70
『国字の字典』が『伊京集』を引き「山の鼻(はな)」の意の国字とする。『中華字海』に「音閉、地名用字、赤[岬−甲+(嚊−口)](即赤壁)」とある。国字ではない。『世尊寺本字鏡』・『字鏡集寛元本』に「芳移反 嵬也 峻也」、『篇目次第』に「ヒ反 サカシ 无」とある。『字鏡鈔』・『字鏡抄』にもあるが注文がない。
【炭−灰+(青+青)】
475
山 16
『倭字攷』が『太平記十九』を引き「ソヽロ」とする。
【炭−灰+墾】
476
山 16
『字鏡鈔』に「ホル」、『篇目次第』に「ホル 无」とある。山を開墾するために掘る意の国字か。
【(山+山)*(石+石+石)*(石+石+石)*(石+石+石)】
477
山 48
『法華三大部難字記』にあるも注文なし。[{(岩+岩+岩)*(石+石+石)}*聞]と同様の文字か。
【{(岩+岩+岩)*(石+石+石)}*聞】
478
山 50
『国字の字典』が『天正十八年本節用集』を引いて「いわくら」の意の国字とする。『法華三大部難字記』に「(山+山)*(石+石+石)*(石+石+石)*(石+石+石)」があり、注文はないが或いは同様の文字か。地名に残った岩峅(いわくら)などとともに、中国にない難解な文字を作り、神の鎮座する神聖な場所をあらわそうとしたものか。

巛部

【流−(泳−永)−(亠*ム)】
479
巛 0
m8674
【(米*舛)+巛】
480
巛 12
2-83-91
『新字源(旧版・改訂版とも)』に「すはま」とあり、改訂版には国字とある。『正楷録』では[(米*舛)+(巛−く)]の異体字、『古今字樣考』では俗字とされている。『和字正俗通』(借字三)には「[(米*舛)+(巛−く)]すはま」とある。『日本永代蔵』(岩波文庫版)異體字表においても、「すはま」と読み、異体字関係が示されている。清代の『字學擧隅』にもあり、国字でないばかりか[(米*舛)+(巛−く)]の和製異体字でもないであろう。

巾部

【帖−占+午】
481
巾 4
『世尊寺本字鏡』に「ソムク」とある。「叛(そむ)く」の異体字あるいは誤字か。
【帖−占+台】
482
巾 5
よし。典拠未詳のNEC外字(拡張文字ではない)。人名用字か。
【帖−占+各】
483
巾 6
『国字の字典』が『大字典』を引き「つむ」の意の国字とする。[情−青+各]の筆記体を誤って活字化してできた異体字にすぎない。『大字典』の他、『新大字典』・『難訓辭典』にもあるが、ともに『安政四年本雲上明鑑』を典拠に「ツム 名乗」とある。典拠的には、江戸期以前からあった古いものであることがわかるが、三書とも国字としない点でも同じである。
【窟−屈+(奈−示+巾)】
484
巾 8
苗字に[窟−屈+(奈−示+巾)](さかばやし)がある。[窟−屈+巾]の和製異体字か。
【市+耕−井】
485
巾 8
苗字に[市+耕−井]崎(いちざき)がある。
【市+来】
486
巾 9
苗字に[市+来]崎(いちざき)がある。
【諜−言+巾】
487
巾 9
『漢字百科大事典』「歌舞伎外題」に「諸[諜−言+巾]奥州[馬+黒](もろたつなをうしうぐろ)宝暦2年初出」とある。
【帖−占+被】
488
巾 10
『大字源国字一覧』に「ずきん」とあるが、典拠はない。
【帖−占+豈】
489
巾 10
やす。典拠未詳のNEC外字(拡張文字ではない)。人名用字か。典拠をご存じの方は御教示ください。
【帖−占+當】
490
巾 13
苗字に[帖−占+當]豆(はず)がある。
【帖−占+頭】
491
巾 16
西鶴の『武道伝来記』(岩波文庫版)に「づきん 頭巾の合字」とある。この字は、『日本永代蔵』にもあるが、岩波文庫版は、巻末の異體字表にのみ載せ、本文は、頭巾と二字表記にしている。
【帖−占+雙】
492
巾 18
2-12-02
『国字の字典』が『大辭典』から歌舞伎脚本を引き「取る」意の国字とする。『漢語大字典』が『集韻』を典拠に「同[村−寸+雙]」とする。国字ではない。

干部

【平+民】
493
干 7
『国字の字典』が『譬喩尽』を引き「平民。庶民」の意の国字とする。

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大原 望<n-oohara@mue.biglobe.ne.jp> Copyright (C) Nozomu Oohara,1998-2000