巻9

木部

【村−寸+一】
764
木 1
『国字の字典』が『伊京集』を引き「榾(ほだ)」の意の国字とする。
【杁】
765
木 2
59-21
苗字に杁山(いりやま)・杁江(いりえ)がある。名古屋市昭和区の杁中(いりなか)・岐阜県犬山市杁下(いりした)・福岡県遠賀郡水巻町杁(えぶり)などの地名がある。『新撰字鏡天治本』(農業調度)に「江夫利」、『名義抄(観智院本)』に「[村−寸+旦]正(中略)杁俗」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「エフリ ハツ」、『玉篇要略集』に「ヱフリ シウ」、『弘治二年本倭玉篇』に「ハツ エフリ [村−寸+(豚−月)]同」、『増刊下学集』・『永禄二年本節用集』・『易林本小山板節用集』などに「エブリ」、『堯空本節用集』に「エブリ [村−寸+八]歟」、『天正十七年本節用集』に「杁入(こみいる)」とある。[村−寸+八]の異体字として発生した文字が「圦」・「込」の影響を受け、訓義・用法を広げていったものか。国字とするのは疑問がある。
【村−寸+力】
766
木 2
m14433
「オウコ」の意の国字とされることがあるが、『説文解字』に「木之理也从木力聲平原有[村−寸+力]縣」とあるほか、『玉篇』・『龍龕手鑑(宋本)』・『廣韻』・『集韻』・『五音集韻』・『康煕字典』・『中文大辭典』・『漢語大字典』などにある。『字鏡抄』に「リョク ロク アフコ」、『音訓篇立』に「リキ音 アフコ タコシ」、『篇目次第』に「旅得反 力音 ロク反 アフコ」、『玉篇要略集』に「アウコ リヨク」など多くの古字書に音注・反切があり、国字ではない。『温故知新書』には「[村−寸+刃] アフコ」とある。
【杢】
767
木 3
44-61
m14487
『倭字攷』に「モク 木工二合ナリ」とある。『中華字海』が『普通話[門#虫]南方言詞典』を典拠に「木釘」の意の方言とする。国字か国訓か微妙な文字である。『古語林』に「もく【木工】大工。」とある。『動植物名よみかた辞典』に「杢麒麟 モクキリン サボテン科の園芸植物」とある。
【杣】
768
木 3
59-28
m14488
『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』に「功程式云甲賀杣田上杣杣讀曽萬所出未詳但功程式者(中略)山田福吉等弘仁十四年所撰上也」、『名義抄』に「未詳 ソマ」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「ソマ」また「棺 ヒツキ(中略)杣 同」、『黒川本色葉字類抄』に「ソマ 弘仁十四年(中略)山田[福−(幅−巾)+冨]吉所作進之字也」、『異體字辨』・『和字正俗通』に「ソマ」、『同文通考』に「ソマ 木山ニ在ルナリ」、『倭字攷』に「ソマ 和漢名數 倭名抄山石類、杣、功程式云甲賀杣田上杣、杣讀曽万、所出未詳、但功程式者(中略)山田福吉等弘仁十四年所撰上也、狩谷氏攷証(中略)杣字皇國所造、見寳亀十一年西大寺資材帳及延暦二十三年大神宮儀式帳按江談抄以為山田福吉造是字者蓋誤読本書也」とある。『倭字攷』が狩谷氏攷証とするのは、『箋注倭名類聚抄』(巻1六十四)の解説のことで、『諸本集成倭名類聚抄本文篇』(臨川書店)には活字化されたものがある。『倭字攷』で省略された『箋注倭名類聚抄』の注文に「功程式、今傳本無」とある。『皇朝造字攷』にも『倭字攷』と同様の注文がある。『箋注倭名類聚抄』の注文、またそれを引用した『倭字攷』・『皇朝造字攷』の注文により、『倭名抄』が引く『功程式』の「山田福吉造」の説が誤りであることは明白である。今なお、この解説抜きで、『倭名抄』の注文が引用されることがあるのは、問題である。「そま」の意の国字とは考えられるが、『漢語大字典』などが『農政全書』を典拠に解説しているほか、『新部首大字典』に「[村−寸+志]木山」から変化した「[村−寸+志]杣」がある。『字鏡鈔』・『字鏡抄』に「ヘン ソマ 木名」、『玉篇略』に「セツ ソマ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「セン ソマ」と音注が見られるものもある。
【杤】
769
木 3
59-29
m14488'
「栃(とち)の木」の意の国字。『名義抄』に「朽 トチ 十千義歟」とある古い字である。ただ書写の関係か、字形が「杤」でなく「朽(くちる)」の形になっている。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『頓要集』に「トチ」、『音訓篇立』に「トチノキ トモ トチ」、『國字考』に「トチ 此字東鑑に見え(下略)」、『倭字攷』に「トチ トハ十也、チハ千也、千・十ナレハ万ナリ、字鏡鈔ミルヘシ」とある。『漢語林』国字・国訓一覧に「とち 栃の別体」とあるが、古くは「栃」が見られず、「杤」の方が、「栃」より古い字形と考えられることから、別体というのは、適切な表現とは、いえない。「栃」参照。
【村−寸+久】
770
木 3
H35-01
1-85-48
『漢語林』国字・国訓一覧に「すぎ 杉の別体」、『中華字海』に「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とあるが、「杉」の崩し字を楷書化した異体字にすぎない。『運歩色葉集』に「[村−寸+久]原 スギハラ」、『頓要集』に「スキ」、『玉篇要略集』に「スキ サン」、『音訓篇立』に「サン音 キウ音 スヽシ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「サン スキ」とある。この文字を国字とすると、「形・影・彩」などの旁が「久」になった文字を国字としなければならなくなる。この字形変化は手書き文字、特に毛筆においてはごく一般的なことであり、これをもとの漢字と別字として、国字とできないのは、当然である。
【村−寸+刄】
771
木 3
『國字考』に「サテ」とある。『日本人の作った漢字』・『漢字百科大事典』などが「扨の誤りか」とする。『温故知新書』に「アフコ」、『運歩色葉集』に「マタフリ [村−寸+叉]同」、『米沢文庫本倭玉篇』に「シン」とある。「朷」の国訓も「アフコ」であり、『温故知新書』の場合は、「朷」の異体字か。
【村−寸+口】
772
木 3
『新撰字鏡小学篇』に「牟久」とあり、『国字の字典』が「椋」の意の国字とする。『五音篇海』に「音和」とある。国字か否か難しいところである。
【村−寸+上】
773
木 3
『新撰字鏡小学篇』に「牟祢乃木」とあり、『国字の字典』が「棟(むな)木」の意の国字とする。『名義抄(観智院本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『拾篇目集』に「ム子」とある。
【村−寸+(匁−刄+刀)】
774
木 3
『新撰字鏡小学篇』に「万太不」とある。『国字の字典』は「叉木(またぎ)」の意の国字とする。この場合、『新撰字鏡享和本』を典拠に字形を[村−寸+勿]にすべきである。[村−寸+勿]参照。
【木*下】
775
木 3
『大辭典』に「[木*下]川薬師佛像縁起(きねがわやくしぶつぞうえんぎ)僧義純著。嘉暦2年成。」とある。
【枠】
776
木 4
47-40
m14576
「わく」の意の国字であるが、『漢韓最新理想玉篇』に「滑車心棒」と日本とは異なる用法が示されている。ただこの字は親字二万六千字を載せる『漢韓大辞典』などにもなく、一般的用法とは思われない。今のところ国字としておく。
【枦】
777
木 4
59-37
「櫨」の異体字で、「ハゼ・ハジなど」と読んで人名や地名に用いられる。国字といわれたこともあるが、『中華字海』が、『直音篇』を典拠に「同櫨」とする。地名の「枦谷(かたらがい)」などを除き、国訓でもない。『JIS漢字字典』・『JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に詳しい。
【枡】
778
木 4
59-38
m14577
『中華字海』が『宋史』を引いて人名用字とするが、日本の文字とは関係がないであろう。国字としてもよいと考えられる。
【枩】
779
木 4
59-32
『中華字海』に「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とあるが、国字ではなく、「松」の動用字であり、「[公+木]・[公*木]」などと同じく異体字のひとつにすぎないものと考えられる。『同文通考』に「マツ 譌字 松也」とある。『ことばの手帳 楷行草・隷書』に「枩・[公*木]」ともに「松」の書写体とある。
【枌】
780
木 4
59-35
m14534
【村−寸+勿】
781
木 4
『新撰字鏡享和本』に「万太木」とある。『新撰字鏡小学篇』には「勿」の中のはらいが一本少ない字形で「万太不」とある。『国字の字典』は、『新撰字鏡小学篇』の字形を取りながら「叉木」の意の国字としており、統一がとれていない。
【村−寸+丹】
782
木 4
『国字の字典』が『異體字辨』を引いて「紅葉(もみじ)」の意の国字とする。『中華字海』が『敦煌変文集』を引いて「同栴」とする。苗字に[村−寸+丹]檀(せんだん)があるが、この用字法は、『中華字海』と同じである。後者は国訓でもない。
【村−寸+太】
783
木 4
『名義抄(観智院本)』に「トチ」とある。
【村−寸+父】
784
木 4
2-14-35
苗字に[村−寸+父]栂木(とがのき)がある。
【村−寸+五】
785
木 4
苗字に[村−寸+五]月晦(ひなし)がある。『名義抄(観智院本)』に「音五」とある。佚存文字か。『難読姓氏辞典』は「[村−寸+丑]月晦(ひなし)」とする。苗字はこの字の異体字か。
【村−寸+尺】
786
木 4
苗字に[村−寸+尺](きそな)がある。『新撰字鏡』に「牟久乃木」とある。
【村−寸+日】
787
木 4
『名義抄(観智院本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「クヒセ」とある。「株・杭(くいぜ)」の意の国字か。
【村−寸+水】
788
木 4
『新撰字鏡』に「毛知乃木」とある。
【井#木】
789
木 4
『新字源(旧版)』に「ざんぶと」とあり、『国字の字典』が国字とする。『倭字小考』に「江談抄には、「[井#木][井#石]」という渤海国使二人の姓名の字を、「異国作字也」としている。延喜の時の紀家はこれを「木ノツフリ丸 石ノマフリ丸」と読んだのであるが、後世では「ザンブト(リ) ドンブト(リ)」(大塔物語・黒本本節用集)という擬音語に右の字を宛てている。」とある(『大塔物語』には「サンブト」とフリガナされている)。朝鮮国字であろうか。[井#水]及びその異体字[井#米]は、漢字。あるいは、これらにも関係があるか。ただ『江談抄』は、「杣」の山田福吉作字説など信を置きがたい記事もあり、国字でないとも言い難いところである。
【村−寸+无】
790
木 4
『新撰字鏡小学篇』に「久比世」とあり、『国字の字典』が「株(くいぜ)。木の切りかぶ。くい」の意の国字とする。『中華字海』に「[村−寸+無]的類推簡化字」とある。字書に載ったことのない民間俗字として存在した可能性も否定できないが、これ以上のことは、わからないので、今のところ国字としておく。
【栂】
791
木 5
36-46
m14686
木の名「つが・とが」の意の国字とされる。馬王堆漢墓ほかで「梅」の字の異体字として使われていることが知られているが、この用法が日本へ入ってきていた痕跡は見られない。別字衝突であろうが、国字ではなく、国訓とすべきであろう。『運歩色葉集』・『増刊下学集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』・『天正十七年本節用集』・『易林本小山板節用集』・『和字正俗通』に「トガ」、『撮壌集』・『温故知新書』・『明応五年版節用集』『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』に「トカ」、『玉篇要略集』に「トカ ホ」、『拾篇目集』に「ヲホシイ」、『同文通考』に「トガ 木ノ名」、『正楷録』(倭楷)に「多革」、『國字考』に「トガ(中略)三才圖會云栂倭字関東曰豆賀関西曰止賀(下略)」とある。地名「栂尾」は、『弘治二年本節用集』・『両足院本節用集』・『天正十七年本節用集』に「トガノヲ」、『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』に「トカノヲ」とある。『撮壌集』・『運歩色葉集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』・『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『増刊下学集』・『天正十七年本節用集』・『正楷録』(倭楷)・『和字正俗通』など、[栂−母+毋]のような字形になるものが多い。
【栃】
792
木 5
38-42
m14687
『大系漢字明解』に「栃 俗 レイ トチ [栃−万+萬]正 集韻に[栃−万+萬]は木の名なり。實は栗の如しと。是れトチなり。(中略)萬俗に万に作る。故に[栃−万+萬]も亦栃に作るなり。」とある。この説によれば、栃木県の「とち」が太政官報により、「栃」に定められた明治初期以前に、存在した可能性が大きい。『中華字海』にも「[栃−万+萬]的類推簡化字」とあり、字書に載ることの無かった民間俗字として存在した可能性が十分考えられ、国字でない可能性もある。ただ、日中共に古い典拠を発見できず、『大系漢字明解』の説が正しいか否かは判断できない。「杤」参照。
【柾】
793
木 5
43-79
m14675
『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『運歩色葉集』・『増刊下学集』・『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』・『天正十七年本節用集』・『大谷大学本節用集』・『易林本小山板節用集』・『國字考』に「マサ」、『同文通考』に「マサ 木ノ理(スヂ)ナリ」、『和字正俗通』(妄制)に「マサキ」とある。「木の正目」の意の国字とされることが多いが、『龍龕手鑑』・『字彙補』・『異體字辨』に「柩」の異体字としてあり、国訓である。
【村−寸+夘】
794
木 5
m14684
1-85-61
『広漢和辞典』・『日本人の作った漢字』が国字とする。『中華字海』が唐代の『辺真墓誌』を引き「同柳」とし、『龍龕手鑑(宋本)』は親字にはないが、注文にはこの字形が見られる。国訓でもなく、漢字そのものである。『玉篇要略集』に「スタレヤナキ リウ」、『玉篇略』に「リウ ヤナキ」とある。
【村−寸+夲】
795
木 5
『新撰字鏡小学篇』に「衣乃木」とあり、『国字の字典』はこれを典拠として[村−寸+本]の字形で「榎(えのき)」の意の国字とする。「夲」は「本」の異体字でもあり、一般的には、『国字の字典』の字形でもなんら問題はないとは考えられる。
【村−寸+生】
797
木 5
u680d
「長生・長命」の意の韓国国字といわれるが、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』・『音訓篇立』に「イノル」、『篇目次第』に「イノル 无」、『運歩色葉集』などに「ヌルデ」、『弘治二年本節用集』に「ヌルテノキ」、『永禄二年本節用集』に「ヌルテ」とある。「イノル」意は韓国国字と関係があるか。また[持−寺+生]の字形でも『名義抄(観智院本)』・『音訓篇立』に「イノル」とある。
【村−寸+矛】
798
木 5
u67d5
m14623
苗字に神[村−寸+矛]石(みつわきし)があり、『国字の字典』が国字とする。『漢語大字典』が『正字通』を典拠に「同[村−寸+(矛+木)]」とする。国字ではない。
【白*木】
799
木 5
【桜】
800
木 6
26-89
m14796'
『中華字海』に「同櫻。字見日本《常用漢字表》」とある。「櫻」の和製異体字か。
【村−寸+(者−日+丁)】
801
木 6
m14735
2-14-59
「たえ・たく」などと読んで国字とされることがあるが、『字彙補』に「同栲」とあり、『音訓篇立』にも反切がある。国字ではない。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「カウス」とある。
【村−寸+色】
802
木 6
H35-48
m14726
1-85-64
「紅葉(もみじ)」の意の国字とされることがあるが、『集韻』に「小杙」とあり、国字ではない。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「フナタナ フナハタ」、『音訓篇立』に「ク音 フ子ノヲヒク ヤマモモタナ」、『國字考』に「モミチ」、『倭字攷』に「モミチ 紅葉 色木二合」とあるほか、やや崩れた字形で『同文通考』に「モミヂ」、『拾篇目集』に「カケ ヒク」とある。『異體字辨』に「[村−寸+(色−ク+刀)] モミチ」とあり、『国字の字典』が「紅葉(もみじ)」の意の国字とする。字形がやや違うが、これも[村−寸+色]の字形の異体にすぎず、国字とはいえない。白土三平の忍法秘話シリーズ第2巻に『[村−寸+色][射−寸+黒(旧字体)][休−木+黒(旧字体)][泳−永+黄]』がある。益山健氏のWebページ中の「巷で見かける変わった文字達」に「イシミツ」と読む忍者文字として作者(白土三平)が作字したものとあり、漢字とも日本のものとも何の関係もない。
【村−寸+虫】
803
木 6
福岡県北九州市八幡西区に[村−寸+虫]ノ木(たぶのき)、長崎県高米町の[村−寸+虫]ノ木坂(たぶのきざか)がある。『中華字海』が『篇海』を典拠に「音軟」とする。国訓と考えられる。『法華三大部難字記』に「コク ユツルハ」とある。
【村−寸+(上*下)】
804
木 6
H35-63
m14796
1-85-66
苗字に[村−寸+(上*下)](かせぎ)がある。
【村−寸+字】
805
木 6
2-14-54
苗字に[村−寸+字]子(するこ)がある。
【村−寸+守】
806
木 6
2-14-55
『新撰字鏡小学篇』に「豆伊久志」とあり、『国字の字典』が国字とする。
【村−寸+曲】
807
木 6
『国字の字典』が『饅頭屋本節用集』を引き「節(ふし)」の意の国字とする。『中華字海』が『中国古今地名大辞典』を典拠に「満族自治区」の地名をあげるが、「音待考」とあるほどで、影響はほとんど考えられない。
【村−寸+吊】
808
木 6
『篇目次第』に「トチ 无」とある。
【村−寸+在】
809
木 6
2-14-53
『新撰字鏡』に「山不支」とあり、『国字の字典』が「山吹(やまぶき)」の意の国字とする。ただ同書が典拠としている『新撰字鏡小学篇』には「山木支」とあり、『新撰字鏡享和本』に「山不支」とある。また『拾篇目集』に「カイカタ」とある。
【村−寸+(倣−攵)】
810
木 6
苗字に[村−寸+(倣−攵)]園(かせぞの)がある。
【舟*木】
810a
木 6
苗字に[舟*木]原(ふねはら)がある(『日本苗字大辞典』)。
【梺】
811
木 7
59-82
m14910
『異體字辨』に「フモト」とあり、『国字の字典』が「麓(ふもと)」の意の国字とする。『弘治二年本節用集』に「麓 フモト 山下」、『堯空本節用集』に「麓 フモト 山ノ下」、『正楷録』(倭楷)に「勿末多盖麓省文」、『倭字攷』に「フモト 麓之俗也會意」とある。『永禄二年本節用集』にもやや崩れた字形で、「麓 フモト 山ノ下」とある。『正楷録』(倭楷)・『倭字攷』にあるように、「梺」は「麓」からできたとされているが、その過程は、よくわからない。あるいは、「麓」が「山ノ下」の意であることから、「麓」と「下」を省画合字したものか。『日本人の作った漢字』に「漢字の麓と国字の梺の一致点は上部の漢字素、「林」である。このことから、国字の梺は、漢字の麓を基にして作字したのではないかという疑問が起る。仮に漢字の麓が全く影響していないのであれば、ふもとは山の下であるから、[山*下]という文字を作ってもいいはずであるが、そのようになっていない。では、麓が梺になったとして、なぜ下部の鹿が下になるのかが次の疑問である。(中略)異体字からは鹿が下になる証明はむずかしい。(中略)麓は形声文字で、鹿は発音の漢字素であり、その音の意味は「つづき」を意味する。(中略)ところが日本人には鹿の音は「つづく」の意味をもたらすわけではないから、鹿があることが特に「ふもと」概念に重要ではない。むしろ、別の漢字素で意味が明確になるものがある方が有難い。こうして山の下を表すために下が下部に付いて、梺が生まれたと考えられる。」とある。「ふもと」を表す国字が梺のみであれば、『日本人の作った漢字』のいうこともまんざらでもないが、当辞典に載せたものだけで、「梺」のほか、[圦−入+失]・[炭−灰+足]・[炭−灰+足]・[距−巨+辻]・[射−寸+(都−者+吉)]・[射−寸+(都−者+告)]がある。各種作られた「ふもと」を意味する国字の内現在に生き残った唯一のものとはいえる。[圦−入+失]・[炭−灰+足]・[炭−灰+足]・[距−巨+辻]・[射−寸+(都−者+吉)]・[射−寸+(都−者+告)]・[山*下]参照。
【桝】
812
木 7
43-81
m49165
『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「三升桝勝鬨帳貫(さんじょうます みいりのちょうじめ)弘化3年11月初演」とある。
【村−寸+臣】
813
木 7
苗字に[村−寸+臣]本(おみもと)がある。『国字の字典』が国字とする。『中華字海』が『集韻』を典拠に「同[村−寸+辰]」とし、『五音篇海』にも「音[村−寸+辰]義同」とある。日本の古字書にも影響が見られ、『名義抄(観智院本)』には「[村−寸+臣][村−寸+辰] 音真屋[村−寸+(呂−ノ)] マタキ」とある。「おみ」は国訓と考えられる。
【村−寸+〔{房−戸+戸(旧字体)}―方+万〕】
814
木 7
苗字に[村−寸+〔{房−戸+戸(旧字体)}―方+万〕]木(とちぎ)がある。
【村−寸+赤】
815
木 7
『異體字辨』に「モミヂ」とあり、『国字の字典』が「紅葉(もみじ)」の意の国字とする。『伊呂波字類抄(大東急記念文庫本)』(十巻)に「ヒコハユ」、『正楷録』(倭楷)に「末密矢」、『法華三大部難字記』に「シャク ハタ ハジカミ」とある。
【村−寸+孝】
816
木 7
苗字に玉[村−寸+孝](たまかけ たまかげ)がある。
【村−寸+佛】
817
木 7
H35-90
m14911
2-14-85
『音訓篇立』・『篇目次第』に「シキミ」とある。『漢韓最新理想玉篇』に「日本字 佛供香木」、『中華字海』に「音義待考。字出《ISO-IECDIS 10646通用編碼字符集》」とある。
【村−寸+男】
818
木 7
u3b77
2-14-69
【村−寸+呆】
819
木 7
『新撰字鏡小学篇』に「柱」とある。
【村−寸+{(神−申)+巳}】
820
木 7
『新撰字鏡小学篇』に「佐加木」とある。『漢語林』国字・国訓一覧は、漢字の正字意識からか[村−寸+(示+巳)]とする。
【村−寸+返】
821
木 7
『名義抄(観智院本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』・『拾篇目集』・『法華三大部難字記』などに「マタシ」とある。「全し」或いは「急し」の意の国字か。
【木**豆】
822
木 7
『新撰字鏡小学篇』に「也豆保也」とあり、『国字の字典』が「矢壺(やつぼ)」の意の国字とする。
【材*木】
823
木 7
『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「コケラ」、『篇目次第』に「コケラ 无」とある。
【椛】
824
木 7
19-81
m15065
苗字に椛(かば かんば こうじ たぶ)・椛山(かばやま)・椛木(かばき)・椛本(かばもと)・椛沢(かばさわ かばざわ はなさわ はなざわ もみじさわ)・椛谷(かばたに)・椛島(かばしま かばじま)などがある。『運歩色葉集』・『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』に「ナギ」、『玉篇略』に「[村−寸+毀]椛 キクワ シキミ」、『天正十七年本節用集』に「ナキ カハサクラ」、『新刊節用集大全』に「かバ」(ただし、楷書は「樺」)、『同文通考』に「モミヂ 紅葉也」、『正楷録』(倭楷)に「末密矢」、『國字考』に「モミチ」とある。
【村−寸+秀】
825
木 7
『日本大辭典言泉』や『大辭典』に稲科の二年草「とぼしがら」とあり、『中華字海』などに見られず、国字と考えられるが、『国字の字典』などにはない。
【村−寸+体】
825a
木 7
苗字に保[村−寸+体](ほたい)がある(『日本苗字大辞典』)。
【椙】
826
木 8
31-90
m15063
『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「トシカミ」また「トカミ」また「[村−寸+久](中略)杉 椙 同」、『拾篇目集』に「トカミ スキノキ [村−寸+(日*皿)]イ」、『玉篇要略集』・『玉篇略』に「シヤウ スキ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「杉 サン スギ 椙同」、『同文通考』に「杉也倭名鈔ニ杉俗ニ[村−寸+(日*皿)]ノ字ヲ用非ナリ[村−寸+(日*皿)]ハ音於粉ノ反柱也按ニ[村−寸+(日*皿)]亦訛テ椙ニ作」、『和字正俗通』に「スキ」、『倭字攷』に「古事記傳九、椙ハ[村−寸+(日*皿)]ヨリ誤れるナラン(下略)」とある。『拾篇目集』・『同文通考』の注文にあるように、国字ではなく、[村−寸+(日*皿)]の異体字にすぎない。
【椦】
827
木 8
59-91
『玄應一切經音義』に「[村−寸+卷]律文作椦非體」とある。『字鏡鈔』に「ちきり」とある。この場合は漢字と同義である。『JIS X 0208:1997』(附属書7(参考)区点位置詳説)に「群馬県前橋市[村−寸+勝]島(ぬでじま)町が『国土行政区画総覧』に現れながら未採録であり、おそらくこの“ヌデ”字の誤写であろう」とある。『玄應一切經音義』の典拠は、私が発見し、通産省に送ったことから『JIS X 0208:1997』(附属書7(参考)区点位置詳説)に暗合としてのったものであるが、これ以前にも「ちきり」と解説したものはあった。『玄應一切經音義』・『字鏡鈔』以外の典拠をご存知の方はご教示をお願いします。
【椥】
828
木 8
60-09
京都の地名「椥辻」は天文元年(1532年)には使われていたことが明らかになっている。椥辻・椥原などが苗字としてある。『名義抄(観智院本)』に「俗匙字」とあるが中国などの佚書の影響を受けているのであろうか。『字鏡集寛元本』にもあるが注文がない。『漢語大字典』に越南の地名で使われるあり、台湾の漢字規格にもあるので無視できないが、典拠がなく詳しいことはわからない。
【椨】
829
木 8
60-13
たぶの木の意の国字であり、『森林家必携』には「タマグス」とある。地名としては長崎県世知原町に椨ノ木、鹿児島県金峰町に大椨がある。苗字に椨(たふ たぶ とう)椨木(たぶき)大椨(おおたぶ)がある。『音訓篇立』に「芳主反」と反切がつけられているが、日本人がつけたものか、『中華字海』にも日本地名用字としかない。
【椪】
830
木 8
60-14
笹原宏之著『「JIS X 0208」における音義未詳字に対する原典による同定』に、JISの典拠として『国土行政区画総覧』から「宮崎県東臼杵郡北方町 三椪(みはえ)小学校・中学校」が引かれている。苗字に椪田(はいだ・はえだ)がある。『国字の字典』にある「椪柑(ぽんかん)」は中国本来の表記である。
【椚】
831
木 8
60-15
m15064
『早大本節用集』に「クギヌキ」、『音訓篇立』に「モム音 スル トル」、『拾篇目集』に「タラヒ」、『書言字考節用集』に「クヌギ クノキ」、『和字正俗通』に「クキヌキモン」とある。「クギヌキ」は『旺文社古語辞典』などに「【釘貫】門・柵の一種。柱を立てならべて横に貫を通した簡単なもの。町の入り口にたてた木戸」とある。
【椣】
832
木 8
60-16
椣原(しではら)は、奈良県生駒郡平群町の地名。
【椡】
833
木 8
60-17
三ツ椡(みつくぬぎ)は、新潟県北蒲原郡豊浦町の地名。
【村−寸+苻】
834
木 8
ufa13
苗字に[村−寸+苻](たぶ)がある。
【村−寸+茂】
835
木 8
2-14-88
苗字に[村−寸+茂]木(もてぎ)、[村−寸+茂]野木(たものき)がある。
【村−寸+宝】
836
木 8
苗字に[村−寸+宝]尻(ゆるじり)がある。
【村−寸+舎】
837
木 8
『新撰字鏡小学篇』に「宇豆木」とあり、『国字の字典』が「空木(うつぎ)」の意の国字とする。
【村−寸+(毟−毛+手)】
838
木 8
『新撰字鏡小学篇』に「宇太知」とある。
【村−寸+定】
839
木 8
H36-28
m15060
「榊」の意の国字とされることがある。『漢語大字典』など「碇」の俗字とするものが多いが、典拠は新しく清代のものである。これでは『新撰字鏡』に「榊」の意で出ている方が古くなる。『漢語大詞典』が『荘子』に対する唐の『成玄英疏』から「棧編木為[村−寸+定]」と引く。国字ではない。『法華三大部難字記』に「カキ カタ」とある。
【村−寸+命】
840
木 8
[村−寸+命]田(はばた)は秋田県大曲市の地名。『国字の字典』は国字とする。『漢韓最新理想玉篇』に「筧」の意の韓国国字とあり、『韓國固有漢字研究』は地名用字として北[村−寸+命]寺と[村−寸+命]村をあげる。[村−寸+命]田の地名は歴史的に新しそうであるが、韓国の影響以外に、国字「掵」の異体字ということも考えられる。
【例*木】
841
木 8
『名義抄(観智院本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「イチシルシ」とある。
【村−寸+金】
842
木 8
『国字の字典』が『いろは字』を典拠に「木釘」の意の国字とする。
【恷−休+(村−寸+勿)】
843
木 8
『新撰字鏡小学篇』に「加木」とある。「柿」の意の国字か。『国字の字典』・『大字源国字一覧』は誤って[村−寸+忽]の字形とする。
【村−寸+苗】
844
木 8
『新撰字鏡小学篇』に「太呂」とある。
【村−寸+(至+力)】
845
木 8
『新撰字鏡小学篇』に「加太久弥」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』に「キリ」とある。
【(村−寸)▽口▽皮】
846
木 8
『新撰字鏡小学篇』に「波万由加」とある。
【椿】
847
木 9
36-56
m15090
『国字の字典』が『皇朝造字攷』を典拠に「我国で作られた「つばき」の字」とする。確かに『皇朝造字攷』には「(上略)皇國所製會意字蓋是木以初春開華(下略)」とあるが、「椿」の傍らに○を附けており、これは「字傍ニ圏ヲ附ル者ハ西土既ニ其字有リ(下略)」とあるもので、典拠とすべきものではない。
【楾】
848
木 9
60-25
m15214
苗字に楾(はんぞう・はんどう・ばんどう)がある(芝野耕司編著『JIS漢字字典』など)。『JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に「財団法人地方自治情報センター“全国町・字ファイル”に愛知県楾ヶ角(はれがすみ)があるが、現地の役所では確認できない」とある。『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』に「[医−矢+也] 説文云[医−矢+也]移爾反一音移和名波迩布 柄中有道以注水之器也俗用楾字所出未詳但和名之義或説云有柄半挿其内故呼為半挿也」、『名義抄』に「未詳 ハンザフ」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「ハムサウ」、『字鏡集寛元本』に「ハムソウ」、『明応五年版節用集』・『大谷大学本節用集』・『元和三年板下学集』・『異體字辨』などに「ハンザウ」、『増刊下学集』・『國字考』などに「ハンサウ」、『拾篇目集』に「ハンソヲ」、『篇目次第』に「ハムサウ 无」、『米沢文庫本倭玉篇』に「セン ハンザフ ハンザウ」、『玉篇要略集』に「ハンソウ セン」、『弘治二年本節用集』に「楾盥 ハンサウタライ」、『永禄二年本節用集』に「楾盥 ハンザウダライ」、『堯空本節用集』・『両足院本節用集』に「楾盥 ハンザウタライ」、『易林本小山板節用集』に「楾手洗 ハンザウダラヒ」、『新刊節用集大全』に「楾手洗 はんぞうだらひ」、『書言字考節用集』に「ハンザ 本朝俗字出順和名」、『同文通考』に「[医−矢+也]也説文[医−矢+也]ハ柄ノ中ニ道有リ以水ヲ注ク之器也倭名鈔ニ柄有半ハ其内ニ挿故呼ンテ半挿(下略)」、『和字正俗通』に「ハンソ」とある。[瓦/泉][瓦/樂]参照。→サントリー美術館収蔵品
【榁】
849
木 9
60-35
m15217
苗字に榁井(むろい)・榁木(むろき)・榁田(むろた)がある。『運歩色葉集』・『増刊下学集』・『大谷大学本節用集』・『和字正俗通』(妄制)などに「ムロ」、『元和三年板下学集』に「ムロ 倭字歟」とある。『国字の字典』は『國字考』・『広辞苑』を典拠に「杜松(ねず)」の意の国字とする。
【榊】
850
木 9
26-71
m15352
『新撰字鏡小学篇』に「佐加木」、『名義抄』に「龍眼木 サカキ 榊 賢木 坂木 並未詳」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「サカキ 龍眼木 坂樹 日本記用也 賢木 本朝式用也」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』に「[村−寸+申] 同也 サカキ」、『音訓篇立』・『和字正俗通』に「サカキ」、『玉篇略』・『米沢文庫本倭玉篇』に「シン サカキ」、『玉篇要略集』に「サカキ サカシハ シン」、『弘治二年本節用集』に「サカキ 倭字歟或垣木作」、『永禄二年本節用集』に「サカキ 日本字歟或作坂木」、『堯空本節用集』に「サカキ 日本字歟又云坂木」『大谷大学本節用集』に「サカキ 倭字也或作坂木也」、『同文通考』に「サカキ 神ヲ祭ル之木也」、『國字考』に「此字日本後紀に見え(中略)神木乃二字を合せて一字に(中略)日本紀に真坂木(下略)」、『倭字攷』に「サカキ 龍眼木 和爾雅八 神木二合、所謂會意 日本後紀十六有此字(中略)新撰字鏡 榊 [村−寸+{(神−申)+巳}][村−寸+定] 三字 佐加木 倭名抄木類 坂樹、日本紀私記云、天香具山之真坂樹(下略)」とある。『合類節用集』に「クヽノキ」とある。
【村−寸+厚】
850a
木 9
2-15-10
『米沢文庫本倭玉篇』に「マカリキ」とある。「曲がり木」の意の国字か。
【村−寸+品】
851
木 9
H36-53
m15216
1-85-89
『漢語大字典』などが量詞とするが典拠がなく新しい文字か。『漢韓最新理想玉篇』は日本字とする。国字としてもいいだろうか。『元和三年板下学集』・『増刊下学集』・『法華三大部難字記』などが[村−寸+(呂−ノ)]で「コマイ」と読み、『和字正俗通』が[村−寸+品]は[村−寸+(呂−ノ)]の誤態とすることから見ると、[村−寸+品]は[村−寸+(呂−ノ)]の異体字にすぎないともいえるかもしれない。『同文通考』に「コマイ」、『拾篇目集』に「カラタチ」とある。
【村−寸+信】
852
木 9
『新撰字鏡小学篇』に「万木」、『法華三大部難字記』に「クヌキ」とある。
【村−寸+(舶−白+寸)】
853
木 9
『新撰字鏡小学篇』に「保柱」とある。『新撰字鏡享和本』は[村−寸+射]の字形でこの字は漢字にもある。
【村−寸+香】
854
木 9
H36-52
m15215
2-15-18
『新撰字鏡小学篇』に「牟呂乃木又加豆良」、『倭字攷』に「カツラ 文教温故 字鏡」とある。『倭字攷』にある「字鏡」とは、『新撰字鏡』のこと。
【村−寸+臾】
855
木 9
苗字に[村−寸+臾]木(もとき)がある。
【村−寸+荒】
856
木 9
1-85-82
苗字に[村−寸+荒]木(くぬぎ)・[村−寸+荒]代(たらのきだい)がある。
【村−寸+首】
857
木 9
苗字に[村−寸+首]尻(ぬるじり)がある。『新撰字鏡小学篇』に「波比乃木」、『名義抄(観智院本)』に「未詳」とある。
【村−寸+厘】
858
木 9
『国字の字典』が『新撰字鏡享和本』を引き「椿」の意の国字とする。
【柄*木】
859
木 9
苗字に佐[柄*木](さえぎ)がある。
【柿*木】
860
木 9
『国字の字典』が『古俳諧・佐夜中山集』を引き「柿」の意の国字とする。
【村−寸+屏】
861
木 9
『新撰字鏡小学篇』に「波良不」とあり、『国字の字典』が「掃(はら)う」意の国字とする。『新撰字鏡享和本』には「波良木」とある。
【村−寸+(巾△巾△巾)】
862
木 9
『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『篇目次第』に「ツイクエ ミツシルシ」、『法華三大部難字記』に「モチツヽシ」とある。前者は[村−寸+(中△中△中)]の異体字か。後者は躑躅の一種「黐躑躅(もちつつじ)」のこと。
【村−寸+(処−几+回)】
863
木 9
『国字の字典』が『黒本本節用集』から「はえ」と引く。
【村−寸+荏】
864
木 9
『新撰字鏡享和本』・『新撰字鏡群書本』に「佐桃」とある。『新撰字鏡小学篇』は「壬」が「毛」のような形になっている。
【村−寸+(荏−壬+毛)】
864a
木 9
『新撰字鏡小学篇』に「佐桃」とある。
【村−寸+星】
864b
木 9
『法華三大部難字記』に「モヨヲス」とある。
【村−寸+(子△ヨ△子)】
865
木 9
『字鏡鈔』に「ハシハミ」、『字鏡抄』に「ハシカミ」とある。
【(持−寺+列)*木】
866
木 9
『字鏡鈔』に「ハル」とある。
【槝】
867
木 10
60-47
鹿児島県阿久根市大字脇本に字槝之浦(かしのうら)がある。
【樮】
868
木 10
60-51
樮川(ほくそがわ)は和歌山県日高郡印南町の地名。『国字の字典』に「山火事が大木の西で消火されたことにより、木の西の火と書き、「ほくそ」と読ませて以来樮川(ほくそがわ)と称した」とある。「樮」の旁は「票」の異体字であり、『中華字海』にも「馬偏」に異体字関係にある文字がある。『国字の字典』の字源説は後の字源俗解によるものと考えられる。「樮」の文字自体も「標」の異体字として国字とすべきではないかもしれない。
【槇】
869
木 10
84-02
m15310
槙とも書いて木の名「マキ」の意の国字とされることがある。『説文』に「木頂也」、『玉篇』などに「木密也」、『漢語大字典』に「木名。土杉。竹柏科。」とある。『音訓篇立』に「シン音 コスエ」、『玉篇要略集』に「マキ シン」、『運歩色葉集』・『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』に「槙 マキ」、『弘治二年本節用集』に「真木 マキ 槙 同」、『國字考』に「槙 マキ 真木乃二字を合わせて一字とせしなり(下略)」とある。「まき」は国訓といえる。『黒川本色葉字類抄』には「[炭−灰+(真+真)] テン イタヽキ 山頂也 槙同」と漢字本来の意味が出ている。
【村−寸+(有*木)】
870
木 10
『新撰字鏡享和本』に「須支乃木[村−寸+常]」とあり、『国字の字典』が「杉の木」の意の国字とする。
【村−寸+益】
871
木 10
『新撰字鏡』に「豆波木」とあり、『国字の字典』が国字とする。『名義抄(観智院本)』に「或盤字五歴反」とある。『大漢和辭典』・『漢語大字典』などに「益」が旧字体となった字形で同様な反切がある。「豆波木」は国訓か。
【村−寸+恵】
872
木 10
『新撰字鏡小学篇』に「久須乃木」とあり、『国字の字典』が「樟(くすのき)」の意の国字とする。『中華字海』が『説文解字』を典拠に「音恵一種樹」とする。この影響か『名義抄(観智院本)』に「音恵木」とある。国字ではない。また『音訓篇立』に「胡桂」とある。
【村−寸+(票−示+心)】
873
木 10
『新撰字鏡小学篇』に「須木」、『國字考』に「アフチ」、『法華三大部難字記』に「ア アウチ」とある。
【村−寸+晁】
874
木 10
『国字の字典』が『漢字の研究』を典拠に「胡桃(くるみ)」の意の国字とする。
【村−寸+(祀−巳+申)】
875
木 10
『異體字辨』に「サカキ」とある。「榊」参照。
【村−寸+恚】
876
木 10
『新撰字鏡享和本』に「木乃加波」とある。
【村−寸+荷】
877
木 10
苗字に[村−寸+荷](たふ たぶ とう)がある。『難姓・難地名事典』に「椨」の転字とある。
【村−寸+(古+申)】
878
木 10
苗字に[村−寸+(古+申)](さかき)がある。
【村−寸+埋】
879
木 10
『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「[村−寸+埋]花御利生鉢木(かれきにはな ごりしょうはちのき)享和3年11月初演」とある。
【村−寸+素】
880
木 10
【(村−寸+列)*木】
881
木 10
『名義抄(観智院本)』・『字鏡抄』に「ハル」とある。
【啄*木】
882
木 10
『国字の字典』が『[瑣−貝+月]玉集』を引き「てらつつき。啄木鳥(きつつき)の異称」の意の国字とする。『音訓篇立』にも「テラツヽキ」とある。
【村−寸+造】
883
木 10
『新撰字鏡小学篇』に「造木」とあり、『国字の字典』が「みやつこぎ。接骨木(にわとこ)の古名」の意の国字とする。
【村−寸+雪】
884
木 11
H36-93
2-15-33
木の名「たら」。苗字に[村−寸+雪]沢(たらさわ たらざわ ゆきさわ)がある。
【村−寸+敗】
885
木 11
『新撰字鏡小学篇』に「久万波自加弥」とある。
【村−寸+(吉+申)】
886
木 11
苗字に[村−寸+(吉+申)](さかき)がある。『難姓・難地名事典』に「榊」の「佳字転化」とある。
【村−寸+(車+氏)】
887
木 11
『新撰字鏡小学篇』に「加志乃木」とあり、『国字の字典』がこれを典拠に「樫の木」の意の国字とする。
【村−寸+(臣+犬)】
888
木 11
苗字に[村−寸+(臣+犬)]神(きしん)がある。
【本△本△本】
889
木 11
【村−寸+常】
890
木 11
『国字の字典』が『新撰字鏡小学篇』を引き「杉の木」の意の国字とする。『中華字海』が『大唐新語』を引いて「音唐同棠、木名、甘棠」とする。国字ではない。棠は「からなし」で、意味的に異なるので国訓である。
【村−寸+組】
891
木 11
『国字の字典』が『歌舞伎評判記集成』を引き「枡形(ますがた)」の意の国字とする。
【村−寸+(花−化+雨)】
892
木 11
『音訓篇立』に「トチ」とある。
【村−寸+(赦−攵+戈)】
893
木 11
『色の手帖』が『神道集』を引き「とくさ」とし、『国字の字典』が国字とする。『拾篇目集』に「[村−寸+(販−反+戈)] トクサ「[販−反+戈]同也」とある。[村−寸+(販−反+戈)]の異体字か。
【村−寸+菊】
894
木 11
m15622
『和漢三才圖會』「巻15 技芸 倭字大略」に「ぶな」とある。
【村−寸+麻】
895
木 11
『新撰字鏡小学篇』に「由加」とあり、『国字の字典』が「床(ゆか)」の意の国字とする。
【村−寸+黒】
895a
木 11
2-15-34
苗字に[村−寸+黒](べんと べんど べんどう)がある。
【樫】
896
木 12
19-63
m15485
『万葉集』で「夏樫(なつかし)」とあてられている古い国字である。『名義抄』・『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』、「カシノキ」、『運歩色葉集』に「クヌギ」又「ケヤキ」、『易林本小山板節用集』に「ケヤキ」、『篇目次第』に「タヒチ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「トカ シキノキ」、『異體字辨』に「カタギ」、『同文通考』に「カシ 木ノ名」・『和字正俗通』に「カシ」、『國字考』に「カシ 万葉集第七麻衣着者夏樫木之国(下略)」とある。『玉篇略』に「ケン トカ」、『音訓篇立』に「ケン音 カシ タヒ」と音注が含まれる。旁に引かれて日本でつけられたものか。
【橸】
897
木 12
60-81
『JIS X 0208:1997』(附属書7(参考)区点位置詳説)に「原典典拠の『国土行政区画総覧』には発見できないが、『日本地名大辞典』にある静岡市石橸(いしだる)は市役所の大字・小字名集成でも確認できる」とある。
【橲】
898
木 12
60-79
m15623
苗字に橲礼(きれ)・橲須美(きすみ)がある。福島県相馬郡鹿島町に大字橲原(ずさはら)がある。『難訓辭典』に磐城國行方郡橲原(ヅサハラ)村とある。
【村−寸+曾】
899
木 12
H37-18
m15586
【村−寸+勝】
900
木 12
H37-21
m15624
1-86-17
苗字に[村−寸+勝]島(なべしま ぬでしま ぬでじま ぬべしま のでしま)・[村−寸+勝]嶋(ぬでしま ぬでじま)がある。[村−寸+勝]島町(ぬでしまちょう)は群馬県前橋市の、[村−寸+勝]生(ぬでお)は高崎市の地名。『国土行政区画総覧』にみられるが、JIS第2水準までに採用されておらず、JISの「椦」は、[村−寸+勝]を誤ったものと考えられている。「椦」参照。(解説途中)
【村−寸+黒(旧字体)】
901
木 12
苗字に[村−寸+黒(旧字体)](べんと べんど べんどう)がある。
【村−寸+開】
902
木 12
『名義抄』に「[村−寸+魁][村−寸+開]二各魁字北斗柄星」とあり、『黒川本色葉字類抄』・『米沢文庫本倭玉篇』・『法華三大部難字記』に「タライ」、『玉篇略』に「タライ アテ」とある。別義で作られた国字が、たまたま同形になった例であろうか。
【村−寸+惡】
903
木 12
『国字の字典』が『新字源(旧版)』を典拠に「おうち。栴檀の古名」の意の国字とする。[村−寸+(票−示+心)]参照。
【村−寸+賀】
904
木 12
『新撰字鏡』に「古加乃木」とある。『中華字海』が『宋史』を引いて人名用字とするが関係はないであろう。国字として良いと思われる。
【村−寸+貴】
905
木 12
H37-03
m15498
1-86-10
北海道黒松内町で木の名「[村−寸+無](ぶな)」にこの字をあてる。漢字にあり、国訓といえるほど地域的広がりもないので、地域訓とでもいえようか。→黒松内町ブナセンター北海道新聞記事
【村−寸+量】
906
木 12
苗字に[村−寸+量]渕(りょうぶち)がある。
【村−寸+筆】
908
木 12
沖縄の苗字に[村−寸+筆](でいいぐ)があるというが、NTT電話帳には見あたらない。改姓したとする説もある(笹原宏之氏)。
【村−寸+(中△中△中)】
909
木 12
『新撰字鏡小学篇』に「豆支佐比」とあり、『国字の字典』が、国字とする。『法華三大部難字記』には「ツイクエ」とある。
【村−寸+葵】
910
木 12
苗字に[村−寸+葵](ひいらぎ)がある。
【村−寸+葉】
911
木 12
1-86-09
香川県仲多度郡琴南町大字勝浦に字[村−寸+葉](ゆずりは)がある。『拾篇目集』に「コハタ」、『明応五年版節用集』に「ユツリハ」とある。
【御*木】
912
木 12
『国字の字典』が『新字源(旧版)』から「しがらみ」を引き国字とする。『篇目次第』にやや崩れた字形で「シカラミ 无」とある。『中華字海』もやや字形の崩れた文字を隋代の墓誌から引き、「同御」とする。同形のものがあったと考えられ、国訓といえる。
【村−寸+(皆+戈)】
913
木 13
『新撰字鏡小学篇』に「加伊」とある。
【村−寸+鼠】
914
木 13
2-15-57
『国字の字典』が『広辞苑』を引き「くろべ。ヒノキ科の常緑針葉樹。木曽五木の一」の意の国字とする。
【村−寸+豊】
915
木 13
香川県坂出市府中町に[村−寸+豊]ノ木(はりのき)があった。
【村−寸+慈】
916
木 13
『新撰字鏡小学篇』に「牟呂乃木」とあり、『国字の字典』が「杜松(ねず)」の古名とする。
【村−寸+夢】
917
木 13
『新撰字鏡小学篇』に「衣豆利」とある。
【村−寸+綿】
918
木 14
H37-37
『国字の字典』が西鶴の『好色五人女』から「正月に[村−寸+綿](もめん)着物(きるもの)染(そめ)ようは」と引き、『康煕字典』にあるとしながら、「木綿(もめん)」の意の国字とする。『中華字海』に「一種樹,即杜仲。見《本草綱目・木部》」、『漢語大字典』には『玉篇』から「彌連切。[村−寸+綿]木有子似栗」と引き、「木名杜仲科」とある。国字ではない。『篇目次第』に「弥連切 ヘン反 メン反 子似栗」・『夢梅本倭玉篇』に「[村−寸+綿]木有子似栗」とある。
【村−寸+實】
919
木 14
『新撰字鏡小学篇』に「由也奈木」とあり、『国字の字典』が「猫柳(ねこやなぎ)」の異称とする。
【村−寸+(道−首+雪)】
920
木 14
玄[村−寸+(道−首+雪)](げんせつ)は俳号。『国字の字典』が国字とする。
【村−寸+(道−首+崔)】
921
木 14
苗字に[村−寸+(道−首+崔)]賀(さいが)がある。
【村−寸+漆】
921a
木 14
苗字に[村−寸+漆]山(うるしやま)がある(『日本苗字大辞典』)。
【村−寸+箭】
922
木 15
H37-53
1-86-24
苗字に[村−寸+箭]山(たもやま)がある。
【村−寸+(被*本)】
922a
木 15
『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『篇目次第』に「ヲサム 无」とある。
【松+鳥】
923
木 15
『増刊下学集』に「マツムシリ 倭字歟」とある。「松毟鳥(まつむしり)」すなわち「菊戴(きくいただき)」のこと。
【村−寸+(申△申△申)】
924
木 15
『篇目次第』に「ツイクエ 无」とある。[村−寸+(中△中△中)]などの異体字か。
【村−寸+(申△由△申)】
925
木 15
『音訓篇立』に「ツイクエ ヤキクエ」とある。[村−寸+(中△中△中)]などの異体字か。
【{鮎−占+(敗−貝)}*木】
926
木 15
『篇目次第』に「スル 无」とある。
【村−寸+(忠*貝)】
927
木 15
『新撰字鏡小学篇』に「[村−寸+(忠*貝)] 牟久」とあり、『国字の字典』が「椋」の意の国字とする。
【村−寸+賢】
928
木 16
『音訓篇立』に「トル」とある。
【来▽各▽来】
929
木 16
『篇目次第』に「ヨル 无」とある。「各所から来る」意でつくられた国字か。
【村−寸+甑】
930
木 16
『新撰字鏡小学篇』に「己之支[村−寸+沓]桂奴支也」、『新撰字鏡享和本』に「己之支」とある。『新撰字鏡小学篇』の「桂奴支」は、「柱奴支」の誤りと考えられている。
【村−寸+薪】
931
木 16
『新撰字鏡小学篇』・『新撰字鏡享和本』に「奈良乃木又枯木」とある。
【村−寸+興】
932
木 16
苗字に[村−寸+興]梠(こうろぎ)がある。
【村−寸+穐】
933
木 16
『玉篇略』に「シユウ ヒサノキ」とある。音注は旁に引かれて日本でつけられたものか。『中華字海』などにない。
【村−寸+(道−首+需)】
934
木 17
玄[村−寸+(道−首+需)](げんじゅ)は俳号。『国字の字典』が国字とする。
【村−寸+霜】
935
木 17
『国字の字典』が『譬喩尽』から「[村−寸+霜]佛(さやぶつ)」と引き国字とする。
【村−寸+〔農−(辰−厂)+(田*皿)〕】
935a
木 18
苗字に[村−寸+〔農−(辰−厂)+(田*皿)〕]原(うつぎはら)がある(『日本苗字大辞典』)。
【村−寸+寶】
936
木 20
苗字に[村−寸+寶]尻(ぬるじり)がある。
【裏+{木*(毎−毋+母)}】
937
木 20
【欟】
938
木 25
61-22
m15986
『中華字海』に『玄應一切經音義』を典拠に「同罐」とあり、国字ではない。『新撰字鏡』に「豆支又加太久弥」、『拾篇目集』に「ツキノキ」とある。
【村−寸+{真△(真−一−八)△真}】
939
木 27
『新撰字鏡小学篇』に「志自久戸」とある。

[←]目次に戻る
大原 望<n-oohara@mue.biglobe.ne.jp> Copyright (C) Nozomu Oohara,1998-2000