巻11

牛部

【又▽牛▽又】
1048
牛 4
2-80-19
苗字に[又▽牛▽又]宮城(ぐしみやぎ ぐしみやぐしゅく等)がある。[又▽牛▽又]宮城邦弼(ぐしみやぐすく ほうひつ)は沖縄県の書家。
【特−寺+反】
1049
牛 4
『字鏡鈔』・『篇目次第』に「ソムク 无」とある。「背く」意の国字か。
【特−寺+去】
1050
牛 5
『字鏡鈔』・『音訓篇立』に「カキル」とある。
【特−寺+(鞠−革)】
1051
牛 8
『音訓篇立』に「ハラフ」とある。
【特−寺+盍】
1052
牛 10
『音訓篇立』・『拾篇目集』に「カヽル」、『篇目次第』に「カキル 无」とある。
【特−寺+盛】
1053
牛 11
『拾篇目集』に「ヲサフ」とある。
【特−寺+無】
1054
牛 12
『音訓篇立』に「ヲツ」、『篇目次第』に「ヲツ 无」とある。
【〓】
1055
牛 19
『字鏡鈔』・『字鏡抄』に「テノカキ」、『篇目次第』に「ヲノナカキ 无」とある。「尾の長い牛」の意の国字か。字形は『篇目次第』によった。
【牟+含】
1056
牛 9
2-80-25

(狩-守)/犬部

【狩−守+又】
1057
犬 2
『国字の字典』(七版)が『萬日記抄四』を典拠に「またぎ」の意の国字とする。『中華字海』が『玄應一切經音義』巻三を典拠に「同狎」とする。国字ではない。
【狩−守+大】
1057a
犬 3
苗字に[狩−守+大]館(えんだて)がある(丹羽基二著『苗字 この不思議な符牒』)『字鏡鈔』に「トリコ」とある。「[狩−守+犬]」の異体字か。
【狩−守+亡】
1057b
犬 3
『弘治二年本節用集』に「マカナイ」とある。『漢語大字典』・『中華字海』ともに清代の『苗防備覧』から音未詳の地名用字を引くのみである。典拠が少なく、国字か否か難しいところであるが、日本のものの方が古いので、国字としておく。
【狆】
1058
犬 4
64-30
m20293
『國字考』に「チン」とあり、『国字の字典』は、『康煕字典』に同字があるとしがら国字とする。『國字考』も『字彙補』に「苗人名」と見えるとしながら、「いと近き代に造り出し」とある。別字衝突ということであろうが、国字ではない。
【狩−守+井】
1059
犬 4
『世尊寺本字鏡』に「ヌカ」とある。
【狩−守+弖】
1060
犬 4
『拾篇目集』に「テ」とある。「狩−守+(砥−石)」の異体字か。
【狩−守+攵】
1061
犬 4
『字鏡鈔』・『拾篇目集』に「クロキトラ」、『字鏡抄』に「ク イロキトラ」『字鏡集寛元本』に「モク クロキトラ」、『篇目次第』に「クロキトラ 无」、とある。『字鏡抄』は書写時の誤りか。
【狩−守+見】
1062
犬 7
『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ウソツク」とある。
【狩−守+呈】
1063
犬 7
『世尊寺本字鏡』・『拾篇目集』に「タヌキ」とある。『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「王」が「玉」になった字形で「タヌキ」とある。「狸」の異体字か。
【狩−守+勇】
1064
犬 9
『弘治二年本節用集』に「シャクマ」とある。赤熊のこと。
【狩−守+帝】
1065
犬 9
m20565
『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』・『拾篇目集』に「タル」とある。『中華字海』が『篇海』を典拠に「音提。義未詳」とする。国字ではない。
【猛−子+矛】
1066
犬 10
苗字に[猛−子+矛]田(たけだ)がある。「猛」の異体字か。
【狩−守+{(一*田)+欠}】
1067
犬 10
『世尊寺本字鏡』に「フクツケシ」とある。
【狩−守+鬼】
1068
犬 10
『字鏡鈔』・『字鏡抄』に「ウツクシ」、『字鏡集寛元本』に「先凡反 ウツクシ」とある。『字鏡集寛元本』に反切があるが、『中華字海』などにはない。
【狩−守+{厭−/(圧−土)}】
1069
犬 12
『世尊寺本字鏡』に「ヲシハサム」とある。
【狩−守+敦】
1070
犬 12
u7364
『国字の字典』に「黒貂の古名。和産なし。朝鮮の名物。」とある。『漢韓最新理想玉篇』に「韓国国字貂也」とある。和産のないものに国字を作る可能性は少なく、やはり韓国国字であろう。『中華字海』に「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。『ISO-IEC 10646-1:1993』にも吏読文字から採られている。
【狩−守+暴】
1071
犬 15
『米沢文庫本倭玉篇』に「ムジナ」とある。

玉/王部

【生−(生−ノ)+王】
1072
玉 1
『国字の字典』が『貞門俳諧・誹諧独吟集』から「滑節竹(なめふしたけ)[生−(生−ノ)+王](きりよ)の汪(たまりみず)」と引き「切節(きりよ)。切った竹の節と節の間」の意の国字とする。『漢語大字典』・『中華字海』に「調皮」などの意の方言を表す文字とあるが、典拠がなく詳しいことはわからない。『名義抄』に「於[性−生+(啜−口)]反」とある。或いは佚存文字か。
【球−求+入】
1073
玉 2
苗字に[球−求+入][禾−木+本](いりもと)がある(丹羽基二著『苗字 この不思議な符牒』)。[球−求+入]ノ前は埼玉県南埼玉郡宮代町東久米原の地名。「圦」の異体字か。
【球−求+水】
1074
玉 4
『国字の字典』が『大辭典』の「[球−求+水][球−求+火]妹背山(おんよういもせやま)」を引く。陰の異体字[院−完+水]の「こざとへん」を「たまへん」に変えたものか。
【球−求+火】
1075
玉 4
『国字の字典』が『大辭典』の「[球−求+水][球−求+火]妹背山(おんよういもせやま)」を引く。陽の異体字[院−完+火]の「こざとへん」を「たまへん」に変えたものか。
【球−求+切】
1076
玉 4
「[球−求+切]心(ぜいしん)」は俳号。『国字の字典』が国字とする。
【球−求+主】
1077
玉 5
『法華三大部難字記』に「タマ」とある。
【球−求+正】
1078
玉 5
『音訓篇立』に「タカラ」とある。
【球−求+古】
1079
玉 5
『篇目次第』に「カケタリ 无」とある。
【球−求+台】
1080
玉 5
H43-73
m20912
『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「けいせい素袍[球−求+台](けいせいすおうのだいり)安永6年12月初演」とある。『芝居番付(大阪府立中之島図書館蔵)』には「けいせい素袍[球−求+臺]」とある。「けいせい素袍[球−求+台]」は、「けいせい素袍[球−求+臺]」の誤りもしくは別称か。[球−求+臺]は『中華字海』などになく国字であろうが、[球−求+台]は『玉篇』・『集韻』に「玉名」などの意であり国字ではない。
【王**全】
1081
玉 6
『名義抄(観智院本)』に「オロク マチキミ」とある。『国字の字典』は『伊京集』から「まちきみ」と引き、「公卿(まちぎみ)」の意の国字とする。
【瑣−貝+月】
1082
玉 7
H44-07
『中華字海』に「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。『名義抄』に「音肖 クサリ トラル ホタル」とあり、書名に『[瑣−貝+月]玉集』がある。JIS補助漢字で『大漢語林』に「瑣」の俗字とある。(解説途中)
【球−求+身】
1083
玉 7
『名義抄(観智院本)』に「アラハル」とある。
【球−求+貞】
1084
玉 9
『国字の字典』が『[瑣−貝+月]玉集』を引き「潔(いさぎよ)い」意の国字とする。
【球−求+専】
1085
玉 9
『音訓篇立』に「マカタチ」とある。『名義抄』には「未詳」とある。『小学館古語大辞典』に「まかだち【侍女】(中略)貴人に付き添う女。腰元。(下略)」とある。王と専を合字して、王などの貴人に専ら付き添う女の意を表した国字か。
【球−求+春】
1086
玉 9
H44-24
m21098
2-80-83
『国字の字典』が『古俳諧・雀子集』から「たま」と引き、「新玉(あらたま)」の意の国字とするが、『廣韻』に「丑倫切玉名」とあり、国訓でもない。この文字は、日中台韓とも規格にある。
【球−求+{捜(旧字体)―(持−寺)}】
1087
玉 10
『篇目次第』に「キス 无」とある。「瑕(きず)」の意の国字か。
【球−求+堅】
1088
玉 12
『国字の字典』は『新撰字鏡』を引き、国字とする。『新撰字鏡』の反切は二つある内の第一のものが『龍龕手鑑(宋本)』(口耕切)に一致しており、同系統の字書の影響が感じられる。『中華字海』は『篇海』を引くが、義未詳である。『新撰字鏡』にある「堅也玉也」が、失われた意味であろうか。いずれにしても国字ではない。
【琴+夫】
1089
玉 12
2-80-91
『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「けいせい筑紫[琴+夫](つくしのつまごと)文化11年1月初演」とある。夫(つま)と琴を合字して「つまごと」と読ませた国字か。
【球−求+臺】
1089a
玉 14
『芝居番付(大阪府立中之島図書館蔵)』に「けいせい素袍[球−求+臺]」とある。 『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「けいせい素袍[球−求+台](けいせいすおうのだいり)安永6年12月初演」とあるのは、誤りもしくは別称か。[球−求+臺]は『中華字海』などになく国字であろうが、[球−求+台]は『玉篇』・『集韻』に「玉名」などの意であり国字ではない。
【球−求+(買−貝+頁)】
1089b
玉 14
苗字に[球−求+(買−貝+頁)]田(たまきだ たまだ)がある(『日本苗字大辞典』)。

瓜部

【瓜+専】
1090
瓜 9
『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「シロウリ」とある。

瓦部

【瓧】
1091
瓦 2
65-03
m21442
デカ(十)グラムの意の国字。『中華大字典』・『辭源』などが日本字とする。笹原宏之著『メートル法単位を表す国字の製作と展開』に「中央気象台でメートル法を表す記号を研究して1891年7月1日各気象台に通知し、気象観測の月報などに使い始めた」とある。小泉袈裟勝著『度量衡の歴史』、『日本メートル法沿革史』にも詳しい。
【瓦/ム】
1092
瓦 2
『新撰字鏡天治本』に「与己ヘ」とあり、『国字の字典』が「横瓮(よこべ)。須恵器の一種」の意の国字とする。
【瓩】
1093
瓦 3
65-04
m21450
キロ(千)グラムの意の国字。『漢韓最新理想玉篇』は韓国国字とするが中国と同じkwの意味で、日本がkgの意味で使い始めた方が両国より古く、国字である。立偏・米偏の単位を表す国字も両国に輸出され、使われたことがあるが、現在両国とも使われていない。「瓧」を参照。
【瓦/万】
1094
瓦 3
ミリア(一万)グラムの意の国字。『中華大字典』が日本字とする。
【瓦/巳】
1095
瓦 3
『新撰字鏡』に「万利」とあり、『国字の字典』が「椀(まり)。昔、水・酒などを盛った器。もい」の意の国字とする。
【瓲】
1096
瓦 4
65-06
m21467
1トン(屯)の意の国字。「瓧」を参照。
【瓰】
1097
瓦 4
65-07
m21465
デシ(1/10)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
【瓱】
1098
瓦 4
65-08
m21466
ミリ(1/1000)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
【瓦/王】
1099
瓦 4
『国字の字典』が『伊京集』から「[瓦/王]原(にかのはら)」と引き国字とする。
【瓦/反】
1100
瓦 4
H44-86
m21451
『新撰字鏡天治本』に「万利」とあり、『国字の字典』が「椀(まり)。昔、水・酒などを盛った器。もい」の意の国字とする。『龍龕手鑑(宋本)』に「音板瓦也又俗北官切」とある。国字ではない。『名義抄(観智院本)』に「音反 メガワラ」、『音訓篇立』に「香脱反 カハラ メカハラ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「ヘン メガワラ」とある。『新撰字鏡天治本』も別の箇所には反切があり、「敗瓦也」などともしている。ほとんど漢字そのものであるが、「万利」とあるもののみが特殊である。他の字の注文が入り込んだというようなことはないのであろうか。
【瓦/太】
1101
瓦 4
『新撰字鏡享和本』に「左奈介」とあり、『国字の字典』が「淺甕(さらけ)。底の浅いかめ」の意の国字とする。『難訓辭典』には「サナゲ 鈴の類(下略)」とある。『角川古語大辭典』に「さなき【鐸】大きな鉄製の鈴(下略)」とあり、同辞典に「【さなげ明神】」が「狭奈岐大明神(さなぎのだいみょうじん)に同じ」とある事からも、後者の説に信をおけるように思われる。
【瓦/火】
1102
瓦 4
『新撰字鏡天治本』に「奈戸」とあり、『国字の字典』が「鍋」の意の国字とする。
【瓦/本】
1103
瓦 5
『新撰字鏡享和本』に「奈戸」とあり、『国字の字典』が「鍋」の意の国字とする。
【瓦/未】
1103a
瓦 5
『新撰字鏡小学篇』に「比良加」とある。
【玄+瓦】
1103b
瓦 5
苗字に[玄+瓦]岡(くろおか)がある(『日本苗字大辞典』)。
【瓸】
1104
瓦 6
65-09
m21499
ヘクト(百)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
【瓦/里】
1105
瓦 7
H44-92
m21519
『名義抄』に「未詳 サラゲ」、『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』に「本朝式云[瓦/里]佐良介今案所出未詳辨色立成云淺甕和名同上」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「サラケ」とある。『合類節用集』に「サラケ 又淺甕同 順倭名」、『難訓辭典』に『古名録(旧字体)』を典拠に「サラケ 底淺き甕」とある。『和字正俗通』にもあるが注文がない。
【瓦/長】
1106
瓦 8
『新撰字鏡小学篇』に「弥加」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「ミカ」、『拾篇目集』に「モタヒ」とある。
【瓦/具】
1107
瓦 8
『新撰字鏡享和本』に「豆保」とあり、『国字の字典』が「壺」の意の国字とする。
【瓦/武】
1107a
瓦 8
『新撰字鏡小学篇』に「皮千」とある。
【甅】
1108
瓦 9
65-13
m21561
センチ(1/100)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
【瓦/泉】
1109
瓦 9
2-81-16
『新撰字鏡天治本』に「波尓佐不」、『和字正俗通早大本』に「ツチタラエ」とある。楾・[瓦/樂]参照。
【瓦/重】
1110
瓦 9
『新撰字鏡天治本』に「毛太比」とあり、『国字の字典』が「甕」の意の国字とする。
【瓦/首】
1111
瓦 9
『新撰字鏡天治本』に「与己ヘ」とあり、『国字の字典』が「横瓮(よこべ)。須恵器の一種」の意の国字とする。
【瓦/品】
1111a
瓦 9
『新撰字鏡天治本』に「阿波太」とある。
【瓦/高】
1112
瓦 10
『新撰字鏡天治本』に「奈戸」とあり、『国字の字典』が「鍋」の意の国字とする。
【瓦/曽】
1113
瓦 11
『名義抄(観智院本)』に「スエコシキ」とある。[曽+瓦]の動用字か。
【瓦/與】
1114
瓦 14
『新撰字鏡天治本』に「与己ヘ」とあり、『国字の字典』が「横瓮(よこべ)。須恵器の一種」の意の国字とする。
【筒*瓦】
1115
瓦 12
『篇目次第』に「ヲトコカワラ 无」とある。
【豊+瓦】
1115a
瓦 13
苗字に[豊+瓦](こしき)・[豊+瓦]谷(こしきたに こしきだに こしきや)がある(『日本苗字大辞典』)。
【瓦/樂】
1115b
瓦 15
『新撰字鏡天治本』に「波尓佐不」とある。楾・[瓦/泉]参照。
【(路−各)▽瓦▽(硫−石)】
1116
瓦 13
『篇目次第』に「ツヽミカハラ 无」とある。

生部

【甥−男+夕】
1117
生 3
『世尊寺本字鏡』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「タカヒニ」とある。
【生+先】
1118
生 6
『名義抄(観智院本)』に「俗長字」とある。
【甥−男+合】
1119
生 6
『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「[甥−男+合]伊豆日記(あいおい いずにっき)延享3年11月初演」とある。『国字の字典』が『大辭典』から歌舞伎外題を引き「相生(あいおい)」の意の国字とする。
【甥−男+若】
1120
生 8
『大辭典』に「七種[甥−男+若]曾我(ななくさ わかやぎそが)寛保4年上演」とある。
【甥−男+品】
1121
生 9
『漢字百科大事典』「歌舞伎外題」に「七種[甥−男+品]曾我(ななくさ わかやぎそが)寛保4年初出」とある。
【生△生△生】
1122
生 10
『名義抄(観智院本)』に「カタチカヒ」、『名義抄(蓮成院本)』に「カタチカヒ カタチ」とある。『世尊寺本字鏡』に「カタチカヒナリ」とある。
【莫+生】
1123
生 11
『名義抄(観智院本)』に「カ与ハ爪」とある。

田部

【甼】
1124
田 2
65-22
『中華字海』に「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とあり、「町」の和製異体字か。JIS漢字の出典は、情報処理学会漢字コード委員会『標準コード用漢字表(試案)』(1971)である。笹原宏之著『「JIS X 0208」における音義未詳字に対する原典による同定』に詳しい。『漢字百科大事典』「浄瑠璃外題」に「糸櫻本甼育(いとざくら ほんちょうそだち)文化10年初出」とある。
【畔−半+人】
1125
田 2
u3f57
2-81-20
苗字に[畔−半+人]村(うねむら)がある。『広漢和辞典』が「畝の俗字」、『漢語林国字一覧』が「畝の別体」として国字とする。『中華字海』が『正字通』を典拠に「同畝」とする。意味も同じであり、漢字そのものと考えられる。『孔雀経音義(平安中期写本)』に「上[膜−月+言]部反(下略)」、『名古屋市博物館本和名抄』に「ウ子」、『慶長十五年本倭玉篇』に「ホ ウ子」とある。中国側にもより古い典拠が考えられるが、今のところ発見できない。あるいは日中別々に発生した異体字か。
【田+入】
1126
田 2
【畑】
1127
田 4
40-10
m21797
『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に[火*田]があり、火田からこの字ができ、のち動用字として「畑」ができたものと考えられる。古字書には「ハタ」とのみある場合が多く、畠の「ハタケ」と使い分けがあったのであろうか。『弘治二年本節用集』に「ハタ 山ノ畠」とある。平地における水田に対するものが「畠」、山で焼き畑などを行うものが「畑」という使い分けがあったものであろうか。『米沢文庫本倭玉篇』・『増刊下学集』・『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』・『明応五年版節用集』・『天正十七年本節用集』・『早大本節用集』・『異體字辨』・『和字正俗通』に「ハタ」、『同文通考』に「ハタ 漢語抄ニ火田ニ作ル」とある。『運歩色葉集』に「ハタケカサ」とあるが、皮膚病の「ハタケ」のことであろう。なお字喃に灯台の意味を表す熟語を作る文字であるが、国字には違いないであろう。[火*田]参照。
【火**田】
1128
田 4
『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「火田 ヤキハタ」とあり、「火田」を合字して、この意をあらわしたものか。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『黒川本色葉字類抄』に「ハタ」とある。「畑」参照。
【(壬−士)*(巣−木)】
1129
田 4
m21798
『名義抄』に「アキラハリ」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』・『音訓篇立』などに「アラキハリ」とある。『名義抄』の注文は、書写時の誤りか。『国字の字典』が『新字源(旧版)』を典拠に「新墾治(あらきばり)。新たに田を開墾すること」の意の国字とする。『宋元以来俗字譜』に「留」の俗字として『古今雑劇』から引かれており、国訓とすべきであろう。
【畠】
1131
田 5
40-11
m21827
『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』が漢籍『続捜神記』を引くが、佚書であり『倭名類聚抄』別本では「白田」とあるため書写時の誤りも否定できない。国字であるか否か難しいところである。『中華字海』は「同[巛*田]」とするが、典拠がなく、詳しいことはわからない。『名古屋市博物館本和名抄』に「ハタケ 粟田 アハタ 豆田 マメフ」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ハク ハタケ」、『篇目次第』に「ハク反 ハタケ 无 日本ニテ作之」、『音訓篇立』に「ハク音 ノハタケ ハタケ ヲカス」、『玉篇要略集』に「ハタケ ハク」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『有坂本和名集』・『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』・『明応五年版節用集』・『天正十七年本節用集』などに「ハタケ」、『異體字辨』に「はた」、『同文通考』に「ハタケ 陸田也(下略)」とある。『増刊下学集』・『和字正俗通』にも「ハタケ」とあるが、前者は「白」が「自」に、後者は「田」が「曰(ひらび)」になっている。「畠」が「白田」の合字とすると、異体字というより誤字の範疇に入ってしまうのであろうか。
【由*田】
1131a
田 5
苗字に封[由*田](ふろ)がある(『日本苗字大辞典』)。
【畩】
1132
田 6
65-30
【田+羊】
1133
田 6
『音訓篇立』に「ホトリ」とある。「畔」の異体字か。
【畳】
1133a
田 7
30-86
m21875'
『日本語の現場第2集』に「当用漢字表に採用された文字の中で唯一全く新に作られた字体の漢字。活字字体整理協議会案であった「疂」、これを「畳」にすべきだと字体委員会で提案したのは、カナモジカイ理事長の松坂忠則委員である。」とある。当用漢字制定以前に使われていた「畳」の字体を見ると「疂」の[軣−車]が無いものもあるが、[畳−田]の部分がより簡略化されていたりして、「畳」と全く同じ字体のものは、今のところ発見できていない。ご存じの方は、典拠とともにお知らせいただきたい。『中華字海』に「見日本《常用漢字表》」とある。「疊」の和製異体字には間違いないのであろう。『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『両足院本節用集』に「疂 タヽミ」、『堯空本節用集』に「[疂−且+互] タヽミ」とある。
【畔−半+谷】
1134
田 7
苗字に奥[田+谷](おくさこ)がある。
【田*町】
1135
田 7
『同文通考』に「布帛ノ幅也」とあり、漢和辞典などの解説もこれに準じたものになっている。塙保己一編『武家名目抄』に「[田*町][遖−南+車] のれん」とある。『書言字考節用集』に「一[田*町] ヒトノ 又作[(田△田△田)*貝]」とある。後者も国字であろうか。
【田*兵】
1135a
田 7
苗字に[田*兵](もたい)がある(『日本苗字大辞典』)。
【男+老】
1136
田 8
『国字の字典』が『羽陰温故誌』を引き「爺(じじ)」の意の国字とする。
【畔−半+重】
1136a
田 9
H45-33
m21907
2-81-33
苗字に武[畔−半+重](たけゆか)がある。(解説途中)
【畔−半+高】
1137
田 10
[田+高]高(あぜたか)は鳥取県日野郡日南市大字霧の字名。
【田+道】
1138
田 12
笹原宏之著『地域訓の一考察』に「静岡県引佐町大字渋川の小字名に「あぜ・ふる」がある」とある。国字と考えられる。
【罍−缶+示】
1139
田 15
『音訓篇立』に「ワツラフ」とある。
【男△男△男】
1140
田 16
『和字正俗通』に「タバカル」とあり、『国字の字典』・『日本人の作った漢字』が国字とする。『中華字海』が『直音篇』を典拠に「音閙義未詳」とする。国訓と考えられる。『名義抄(観智院本)』に「タハカリ」、『音訓篇立』に「ヲモシロシ イサカフ タハフル タハカル」、『天正十七年本節用集』に「タバカル」とある。『法華三大部難字記』に「ヲモシロシ イサカフ タワフル タハカル」とある。

(病-丙)部

【症−正+女】
1141
病 3
『篇目次第』に「ヒコフク 无」とある。「ヒコツク」の誤りであろうか。
【症−正+少】
1142
病 4
『国字の字典』が『譬喩尽』から「[症−正+少]瘡(ひぜん)」と引き「皮癬(ひぜん)」に同じとする。
【症】
1143
病 5
30-41
m22140
【症−正+仙】
1144
病 5
『国字の字典』が『歌舞伎評判記集成』から「[症−正+仙]気(せんき)筋気(すじけ)こはり腹」と引き「疝」の意の国字とする。
【症−正+各】
1145
病 6
『世尊寺本字鏡』に「ヤス」とある。
【症−正+{面−(一**ノ)}】
1146
病 7
『国字の字典』が『新字源(旧版)』を典拠に「癖(くせ)」の意の国字とする。『類篇』に「[症−正+回] 胡隈切腹中長蟲」とある。この字の異体字とすれば、国訓か。
【症−正+杏】
1147
病 7
『世尊寺本字鏡』に「イカハラ」とある。
【症−正+杳】
1148
病 8
『字鏡鈔』・『字鏡抄』に「マキミ」、『字鏡集寛元本』に「マキニ」、『篇目次第』に「ニキミ」とある。『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』は「ニキミ」の誤りか。『法華三大部難字記』に「ニキミ」とあり、『国字の字典』が「面皰(にきび)」の意の国字とする。次項参照。
【症−正+香】
1149
病 9
m44523
『世尊寺本字鏡』に「ニキミ」とある。『中華字海』が『類篇』を典拠に「気病」、『大漢和辭典』が『字彙補』を典拠に「呼吸の病」とする。国訓といえる。前項参照。
【症−正+背】
1150
病 9
『世尊寺本字鏡』に「サス」とある。
【症−正+禹】
1151
病 9
『世尊寺本字鏡』・『拾篇目集』に「キス」とある。
【症−正+面】
1152
病 9
『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ハワクソ」、『篇目次第』に「ハワクソ 无」とある。『法華三大部難字記』に「ハヽクソ」とあり、『国字の字典』が「黒子(ははくそ)。ははくろ・ほくそ・ほくろ」の意の国字とする。
【症−正+保】
1153
病 9
『世尊寺本字鏡』に「ノリ」、『篇目次第』に「ノリ 无」とある。「血(のり)。生血」の意の国字か。
【症−正+海】
1154
病 9
『拾篇目集』に「イタム」とある。
【症−正+氣】
1155
病 10
『名義抄(観智院本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ヤキカサ」とある。
【症−正+(生▽火▽刀)】
1156
病 11
『名義抄』に「タフル」とある。
【症−正+(音+刊−干)】
1157
病 11
『名義抄』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「トヽノフ」とある。
【症−正+魚】
1158
病 11
『世尊寺本字鏡』に「マウ音 メノヤマヒ ヤマヒ」、『音訓篇立』に「マイ音 メノヤマヒ ヤマヒ」、『元和三年板下学集』に「胞[症−正+魚] ニキビ 面之病」、『永禄二年本節用集』・『両足院本節用集』・『早大本節用集』に「胞[症−正+魚] ニキビ」とある。『国字の字典』は『文字のいろいろ』を典拠に「ぎょ」と読み、国字とする。
【症−正+黒】
1159
病 11
『日本人の作った漢字』が山田俊雄氏の『近世常用の漢字』から「あざ ほくろ」と引いて国字とする。広東文字に「[症−正+黒]」があり、意味も同じである。
【癌】
1160
病 12
20-66
m22538
国字ではない(解説作成中)。
【症−正+欺】
1161
病 12
『世尊寺本字鏡』に「ソヲツ」とある。
【症−正+憂】
1162
病 15
『国字の字典』が『慶長十五年本倭玉篇』を引き「煩(わずら)い」の意の国字とする。
【癪】
1163
病 16
65-91
m22626
癇癪などと使う国字。癪ノ瀬(しゃくのせ)は宮崎県延岡市の地名。『中華字海』が『広州話方言詞典』を引いて「疳積」とする。典拠として古いものがないため日本の用法の影響とも考えられる。その場合は国字ということになるが、このあたりの方言文字が日本に入って使われたものもある。これらの文字が、北京などで作られた字書にないことから国字とされていることもあるので注意を要する。
【症−正+(非*氣)】
1164
病 18
『世尊寺本字鏡』・『法華三大部難字記』に「アシノケ」とあり、『国字の字典』が「脚気の古名。脚の気(あしのけ)」の意の国字とする。『国字の字典』は『法華三大部難字記』を典拠としながら字形を[症−正+(非*気)]とするのは資料性に欠ける。

癶部

【登−豆+月】
1165
癶 4
苗字に[登−豆+月]評(へこぼり)がある。

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大原 望<n-oohara@mue.biglobe.ne.jp> Copyright (C) Nozomu Oohara,1998-2000