ツーリングレポート

海川−野久保林道
那賀郡木頭村

1995年12月10日(日)晴れ

吉野川に次いで徳島県第2の流域面積を持つ那賀川は、剣山地に源を発し、大きく蛇行しながら急峻な山を刻んで紀伊水道にそそぐ。 上流では何本もの支流が美しい渓谷をつくり、とりわけ源流部の「高の瀬狭」は四国一と謳われる紅葉の名所である。木頭村はそんな豊かな自然に抱かれた那賀川上流に位置する。
今回は、那賀川がひときわ曲流し峡谷をつくっている木頭村西宇地区から、支流の南川をさかのぼり、神戸丸を越えて上那賀町海川に抜けるコースを走ることにした。


木頭村出原が村の中心。役場から国道195号線を、
西に500mほど行った左側に「木頭村文化会館」がある。
公衆トイレを備えた広い駐車場に、
一応お断りをしてから車を置かしてもらう。

9時45分、出発してすぐが西宇地区。
那賀川がくねくねと蛇行している場所である。
その部分をショートカットして、国道のトンネルが通っているが、
国道を行くのはつまらない、自分も川に沿ってくねくねと走りたい。

文化会館の東側に架かっている橋で対岸に渡る。
辺り一面霜が降りていて、吐く息も白い。
この川に沿う道は、5万図では途中から点線道になっている。
「行けるとこまで行ってみよう」

結局、土地の人に尋ねるともう道は無く、歩きでも無理と言われた。
仕方なく少し引き返して旧国道を行くことにする。
真っ暗闇のこわ〜いトンネルを抜けると、すぐ現国道に出る。
国道195号線はほとんど2車線の快適路だが、
ここからしばらく1.5車線の細い区間が続く。
この辺りがダム建設予定地のため現状放置されているからだ。

白い岩肌の渓流を見ながら2kmほど走ると、南川との合流地点に着く。
「美那川キャンプ場左へ」の標識に従い、
「ダム絶対反対」と書かれた橋を渡る。
少し上って短いトンネルを抜けると、南川の渓谷が広がる。
見とれていると、道にはガードレールがないので、
コースアウトしないよう要注意。

勾配のほとんどない道を快走、すぐ海川野久保林道の分岐に出会う。
ここで渓流の道とサヨナラするのはもったいないので、
5km先の宇井ノ内にある「血の池」を目指す。
何やらおどろおどろしい名前、前々から行ってみたかった所だ。

もう11時近いというのに、深い谷間にはまだ日が差し込んでこない。
周囲の木々に降りている霜はまだ消えず、風に吹かれてキラキラ光っている。
林間のムードたっぷりの、美那川キャンプ場を過ぎて徐々に上り調子、
まもなく宇井ノ内の集落に入る。
民家から人なつっこい猟犬が一匹ついてきて、行く手を阻む。
「オイオイひいちゃうゾ」

「血の池」は南川の河原に降りたところにあるらしいが、
ちょうどその場所は斜面崩壊の土砂で埋まっている。
草木が生い茂り、降り口が見あたらない。
残念だが見ることはできなかった。
「さあ戻るゾ、ワン公」
後でこのワン公のご主人に聞いた話では、
池はまだ残っていて、やはり池の水は赤いらしい。
名前の由来は、その昔盗賊の親方がここで手下を9人殺したとか。
(後で調べたら十二弟子峠の話に起因する)

11時30分、先ほどの林道分岐まで戻る。
海川野久保林道は、木頭側の野久保谷林道と上那賀側の海川谷林道が、
標高1148mの神戸丸の北側で、去年つながり開通した、まだ新しい林道だ。
野久保谷の北斜面を、比較的緩やかな勾配で上って行く。
舗装が約3km、あとはダートになる。
まだまだ工事中らしく、日曜だというのに路肩工事をしている。

高度を増すにつれ西方彼方に、頂きに雪を抱えた剣山山系を望む。
路面は良好で走りやすい。
峠付近の標高は約1050m。
北斜面に回り込むと一面雪化粧の道が続いている。
「おや?」
前方に目をやると、道の真ん中でカモシカが一頭こっちを見ている。
「なんだ自転車か・・・ふん!」
って感じで林の中へ走り去った。

13時20分、峠の東側に出る。
展望も良く、先日の寒波が嘘のような好天、のんびり昼飯にする。

新しい林道だけに荒れもなく、いつもよりハイペースでダウンヒル。
標高差にして300mほど下ると、海川谷川の沢に入る。
海川谷林道は木立の中の道。
傾斜はなくなりペダリングしての走行となるが、
道幅は狭くコーナーはブラインド。
あちこちに工事車両が放置されているので慎重に。
峠から約12km、ダートは国道193号線に出るまで続く。

小橋を渡ると、国道に突き当たるので左へ。
1車線の狭い国道を約4kmで海川の集落に入る。
学校脇のT字路に突き当たり左へ、すぐに2車線の広い道になる。
那賀川に架かるアーチ橋を渡り、国道195号線に合流、
あとは那賀川沿いを上流に向けて7kmほど走れば木頭村出原に帰る。

15時10分、木頭村文化会館着。


■コースタイム
出原<1:10>宇井ノ内(血の池)<0:30>林道分岐<1:20>峠<0:30>R193<0:10>海川<0:10>R195<0:20>出原
■走行距離 56.6km
■走行時間 ?(NET)
■平均速度 ?
■最高速度 ?
■高低差  730m(1050m−320m)
■5万図  北川、桜谷

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