ツーリングレポート
日本列島お気楽ツーリング日記
−中部編2−
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関西2・中国2
砂浜だとあまり蚊はいないだろう、と思っていたが甘かった。
眠れぬまま夜明け迎え、
釣り人の邪魔にならないよう浜から出る。
98■6月23日(土)曇り
道の駅に戻ってしばらくボケーっとする。
新聞配達人が通り、牛乳配達人が通り、
寝台列車"日本海3号"が通ったところで出発する。
今日は新潟市内に移動するだけ。
夕べの星空からは想像できない曇り空、
いつ降り出すか冷や冷やしながら走り、
村上市でやっとローソンに遭遇、ひと息入れる。
新潟市に向かってここから先が長く、防風林が延々続く。
最初はいい雰囲気と思っていたが、まるで松の回廊、
変わらぬ風景に飽きてくる。
林を抜けると一転して工業地帯に入る。
国道7号線に移ろうとしたが、自動車専用バイパス。
しかたなく県道3号線で新潟市内に入ってゆく。
まだ昼過ぎ。
ジャスコに寄り、イトーヨーカドーに寄り、
市街をブラブラして3時、駅前のBHにチェックインする。
(走行距離90km)
99■6月24日(日)晴れ
小雨が降る新潟市街を、佐渡汽船の乗り場に向かう。
どうしようか迷っていたが、結局、佐渡に渡ることにした。
両津港まで2時間半の船旅。
日記を打ち込んでいる間に、佐渡の島影がはっきり見えていた。
走り出したのは12時半。
半日でどこまで行けるか分からないが、
大佐渡と呼ばれる島の北側の海岸線を走って、
小木から本州(直江津)に戻るルートの予定である。
港を右に出て、狭い県道45号線(佐渡一周線)で町筋を抜けて行く。
あとは海岸線に沿ってフラットにひたすら走る。
すっかり晴れて暑いくらい。
路上にうようよ毛虫が這い回り、避けながらの走行は大変である。
「うえっ」
ヘビも横たわっている。
そろそろ岬に差し掛かるところで、いきなり激坂が現れる。
「始まったか?」
佐渡のアップダウンの激しさは話には聞いていた。
内海府の集落でやっと商店があった。
隣はAコープだが今日は日曜日で閉まっている。
ペットボトルをがぶ飲みし、アイスクリームも食べる。
さて、ここから約10kmは、地図を見ても険しそうな細い道が続く。
水田が広がる穏やかな岬部分を回り込むと、
高い崖が落ち込む、荒々しい海岸線に入って行く。
颯爽とロードで走ってゆく地元レーサーとすれ違うが、
「まさか島一周しているわけないよな」(一周約260kmある)
こちとら重い荷物を引きずって、ひいひい言いながらペダルを漕ぐ。
「ありゃ?」
汗を拭おうとしたら、タオルをさっきの店で落としてきたようだ。
使い古したタオルをわざわざ取りに戻ることもないが、
「あばよミッキーっ!」
今日まで苦楽を共にしたミッキーマウスのタオルであった。
目がくらむような跳坂を下り落ちると、佐渡の核心部分は終わり、
再びフラットな海岸線を寝場所を求めて走る。
今夜は雨だろうから屋根がある場所を探す。
トイレ付きの手頃な休憩所が何ヶ所かあったが見送って、
いくつかの集落を通り過ぎて行く。
「お、あれは?」
藻浦崎公園に東屋を発見する。
(走行距離72km)
100■6月25日(月)雨
夜中、突風と共に雨が降ってきたが、明け方になって小康状態になる。
憂鬱な気分でテントを畳んでいると、犬を散歩に紳士風のご老人が来た。
毎朝の日課らしく、19才になる老犬クロはもう歯がない。
クロはこの東屋がお気に入りの場所らしく、
テントの後の臭いが気になるのか、しばらくクンクンしていたが、
そのうち落ち着いてしゃがみ込んだ。
80歳になったという老人は元国立大学の教授らしく、
引退後の今も、訳あってサンパウロの大学で美学を教えているらしい。
どうりで、着ているシャツのセンスがいい。
(話の真意は定かでないが・・・)
今朝のこんなひとときがなければ、今日はただただ悲惨な一日であった。
走り出して1時間もしないうちに雲行きが悪くなり雨宿り。
相川町から佐和田町へ峠を越えると雨になり、濡れながらの走行。
やがて雷鳴と共にどしゃ降りとなり、バス停で1時間の雨宿り。
その後はレイウェアを着込んで、苦しいアップダウンで小木港に辿り着き、
出航10分前のフェリーに飛び乗って、逃げるように佐渡を脱出する。
高いフェリー代(3360円×2)を払って、
いったい佐渡に何しに来たんだろう・・・。
直江津に上がると天気は回復してきたが、猛烈な風が吹き荒れている。
こんな日こそ宿に泊まってケアしたいが、出費がかさんでいるのでガマンする。
(走行距離68km)
101■6月26日(火)晴れ
舟見公園という海に面した公園で夕べは寝た。
道路脇で落ち着かない場所だが、旅も100日を超えた今、
もうどこにでもテントを張れる状態になっている。
朝早く起きたものの動かず、しばらく天気の様子を見る。
どうやら雨の心配はなさそうなので、レインウェアを乾かし仕舞い込む。
今日も出発は遅くなり10時前。
強い風を受けながら国道8号線を西に向かう。
「おや?」
国道に沿って自転車道があるのに気づく。旧北陸線を利用したものだ。
国道より一段高い所を走っているため、眺めも良く快適。
糸魚川市の浦本まで通じているようだ。
途中、道の駅「能生」に降りて休憩する。
マリン&サイクルショップがテナントで入っているようで、
小物、ウェアからサドル、作業スタンドまで置いてあるのに驚いた。
糸魚川では例によってサティで休憩。
その後、いよいよ難所と呼ばれる親不知に入ってゆく。
海崖にへばりつく洞門が延々続き、アップダウンを伴った狭い洞内を、
スリリングにすり抜けて行く。
幸い工事で片側通行の区間が多く、大型車の恐怖はそれほどでもなかったが、
対向車を待たせちゃ悪いと、必死にペダルを漕ぐため余裕などない。
親不知を出てすぐ、富山県境にある道の駅でホッと一息つく。
食堂とコンビニ、無料休憩所があって「暮らし」やすそうだが、
ちょっと騒々しいので寝床には不向きと思い、
予定している黒部川河口近くのキャンプ場に向かう。
先ずはタウンページで近くに銭湯がないか調べてみる。
何と目指すキャンプ場と番地違いであるではないか。
「ひょっとして近接か?」
はやる気持ちで国道を離れ県道へ、
黒部川扇状地に広がる、のどかな水田の中を走る。
ここ入善町は、黒部川の地下水が湧き出る湧水の町。
あちこちに泉があって「おいしい水」がコンコンと湧き出ている。
園家山キャンプ場は地図を見る限り、
「おかしげな場所にあるなあ」と思っていたが、
富山湾に面した松林の静かないい所(無料だし)であった。
キャンプサイトに水道はなく、湧水を使っているのはさすが。
水温は年中11℃らしく、冷たい水が気持いい。
ビールを冷やしておくと、さぞ旨いことだろう。
銭湯がある集落までは1kmほど、
集落内に商店もあって買い出しもできた。
沖に浮かぶ漁火を見ながら夕涼み。
打ち上げ花火隊が来たが良しとしよう。
今日は変化に富んだ、中身の濃い一日であった。
(走行距離93km)
102■6月27日(水)雨のち晴れ
天気予報どおり午前中は雷を伴った激しい雨だった。
テントの防水性が弱まっているので、
これだけ降られるとグショグショになってしまう。
もう一日ここに居ようと思ったが、
昼過ぎには晴れ間が出てきたので出発する。
買いたい物があるので、国道8号線に出て100円ショップを探す。
そのまま国道を黒部市、魚津市と過ぎて行くが、
出発が遅かったので、いくらも走らないうちに16時を回る。
富山市に近づいて、そろそろと思い、
今日泊まるつもりでいた富山ユースホステルに電話を入れる。
ところが「現在使われておりません」と通じない。
「まさか閉館になっかんか?」
電話帳を見ても載っていない。
公営YHなので、そんなこと心配していなかったから大きな誤算。
仕方なく富山駅前のBHに宿を取る。
「やれやれ」
富山市街は少し内陸にあるため、走る距離が伸びてしまった。
せっかく宿に泊まるのに、チェックインが遅くなると元が取れんヤンケ。
(走行距離45km)
103■6月28日(木)晴れ
洗濯をして荷物をまとめなおし、
不用になった冬物を郵パックで家に送る。
富山市街を出て、流れのいい国道バイパスを進む。
左よりの向かい風。「早くこの風を味方にせねば・・・」
高岡市で右に90度方向転換、追い風を受けて氷見市方面に進む。
今日は蒸し暑く、早くもバテ気味。
氷見の道の駅で涼しい海風に当たりながら、ウトウト寝てしまう。
能登半島に入って、ローカル色ある海岸線を走る。
道もローカルな2車線道で、窮屈なうえに工事が多くて再々止められる。
七尾市手前の道の駅で、もう2年半になるという放浪ちゃりだーに会う。
新潟で警官の職務質問でひどい目にあったらしい。
警察だけでなく、新潟の役人(役所仕事)はダメだなと、
自分も走ってきて感じていただけに、彼に同情する。
峠を越えて七尾市街に入る。
今夜は雨らしいので、寝床を考えて探さなければならない。
適所が見つからず、和倉温泉まで行く。
こういう観光地の公園は大抵キャンプ禁止なのだが、とりあえず行ってみる。
案の定、どこもダメ。
能登島大橋公園の駐車場で、強行体制に入ろうとしていたところに、
「さっき港で見かけた人ね」
と、少しホモっ気のある変な男性が現れる。
若い頃、自分も自転車で日本中を放浪したことがあるという。
話の流れで、その人の家に泊めてもらうことにした。
家に入って異様な雰囲気に一瞬ためらったが、すぐ理解できた。
いわゆる舞台役者で「和倉温泉の玉三郎」と呼ばれているらしい。
とにかく人と出会うことが好き。ということで、
家を完璧にライダーハウス化してしまっている。
この人、雄さん。
ここを訪れる旅人の間では、知る人ぞ知る有名人なのだ。
多少の不安はあったが、一晩お世話になる。
(走行距離83km)
104■6月29日(金)曇りのち晴れ
夜半の凄まじい雷雨に、
もし昨日あのまま公園で寝てたら、と思うとゾッとする。
和倉に来て、雄さんに見つけてもらって良かったと感謝する。
あまり長居もできないので、雲行きを見て10時頃出発。
とりあえず能登島経由で行くが、アップダウンと蒸し暑さで、
すぐに汗がポタポタと落ちるキツイ走りとなる。
少し島をかすめただけでヘトヘトになり、
半島に戻って道の駅「なかじまロマン峠」で早くも大休止する。
その後もペースは上がらず、
所々にある「ポケットパーク」なる休憩所があるたび停車して走る。
この道の駅のミニ版ともいえる施設は、
寝床に使えそうな所もあって、なかなかよろしい。
のどかな能登の海と山を見ながら進む。
今日は珠洲市の野付島キャンプ場を目指していたが、早々に諦めて、
手前の能都町の能登鉄道「縄文真脇駅」に見当を付ける。
明日はまた雨なので、駅寝が順当なところだろう。近くに温泉もある。
宇出津のショッピングセンターで買物を済ませて縄文真脇温泉へ。
朝から掻きっぱなしの汗を洗い流して、駅に移動する。
駅舎もいいが、隣にあるログハウスの縄文資料館がこれまたいい。
中は資料館というより広い休憩所。
「まるでコテージだな」
いいのか悪いのか使わせてもらおう。
(走行距離75km)
105■6月30日(土)雨
朝からザアザア降りしきる雨。
今日は動かず「コテージ」で一日過ごす。
(走行距離0km)
106■7月1日(日)曇り時々晴れ
まだ雨は止まず、窓の外の雲行きをじっと眺める。
町まで遊びに行くのか、女の子が2人、列車で出て行った。
9時半過ぎにやっと出発。
雨上がりに、紫陽花が色鮮やかな能登路を行く。
恋路海岸を経て珠洲市に入り、見附島公園で休憩する。
「こんなだったけか?」
能登は高校の卒業旅行で一度訪れているが、(えらい昔じゃ)
ほとんど記憶にない。
そのときは白一色の雪景色の中を、
観光バスで回っただけだから無理もないが・・・
珠洲市内で、この先しばらくないだろうコンビニに寄って禄剛崎に向かう。
蛸島を過ぎ、海の向こうにそびえる立山連峰を見ながら、北向きに進路を変え、
狭路の山越えで、ひなびた感じの狼煙の漁村に入る。
目立つのは広い有料駐車場。
料金所で係りのおばさんが一人、暇そうに番をしている。
日曜日だというのに、ここまで走ってきて出会った車は数台、
北陸交通の定期観光バスも客1人を乗せているだけ、共に寂しい限りである。
禄剛崎灯台までは往復約15分。
「とりあえず見物しておくか・・・」
急坂を歩く。
能登半島の内浦と外浦はここが境になる。
外浦は景観も変わって、荒々しい日本海の海岸線を間近に見て走る。
「午後から晴れ」の天気予報とは裏腹に、再び分厚い雲が垂れ込め、
先に急ぎたいのだが、休み休みチンタラ進む。
途中の道の駅「千枚田」を今夜の宿にするつもりだったが、
銭湯に入りたくて輪島市内まで行く。
「止めときゃ良かった・・・」
やはり昔ながらの狭い町並みで、寝床にできそうな場所がない。
「どこでもいいや」
町のど真ん中、市役所前に多目的広場なるのを見定めて、
近くの銭湯に行く。
(走行距離99km)
107■7月2日(月)晴れ
場所柄、早々にテントを撤収して7時前に出発する。
輪島市から峠を越えて能登唯一の大寺、総持寺がある門前町に下る。
この町にあるとは思わなかった、サークルKで休憩していると、
「おや?」
向こうから同業者がやって来た。
梅雨時に本州を走っている物好きは、私だけではなかった。
「この梅雨時に好きやなあ〜」
笑って出迎える。
この千葉のT君、自転車も身なりも私と違って本格的なツーリスト。
去年9月から走っているらしい。
とりあえず記念写真を撮り合って別れる。
今日は能登半島でお目当てだった「能登金剛」と呼ばれる海岸線を走る。
久しぶりの晴天に気分も良く、美しい海を見ながら行くが、
梅雨の晴れ間にしては暑すぎる天気にバテて、
途中の休憩所で1時間ほど昼寝する。
その後も小刻みなアップダウンを繰り返しながら、
太陽が降り注ぐ、のどかな県道の、
棚田が広がる、のどかな集落を抜けて行き、
やがて志賀町で国道に出て、羽咋市の市街地に入って行く。
ここまで来れば、もう金沢市は射程圏内。
ヘトヘトになりながらも、金沢駅前のBHに辿り着く。
(走行距離127km)
108■7月3日(火)晴れ
今日も、うだるような暑さ。外に出ただけで汗が吹き出る。
朝の慌ただしさが残る金沢市街を離れ、国道8号線を南下する。
加賀市まで走ったところで国道305号線に分かれ、
郊外の道を福井県に入って行く。
北潟湖畔にしばらく沿い、広々した農耕地帯を突っ切って、
海沿いに進むと東尋坊に至る。
日陰のベンチでぐったり休憩。
海上で遊覧船が涼しそうに浮かんでいる。
思わず乗りたくなるが、時間がないので出発。
岬を下り、先日の衝突事故で運休中の京福電鉄を横目に見て
三国の町を後にする。
「すみません、三国の泳げる海ってどこですか?」
信号待ちしていると、若いカップルの車が隣りに止まって聞いてくる。
「は?サンセットビーチなら、Uターンして橋渡って左・・・」
なんでよそ者が教えんならんのよ。
この暑さのせいか、7月に入り海開きしたせいか、
越後海岸のあちこちの海水浴場で人を見かける。
そんな光景をうらめしく、汗ダラダラで漕ぎ進む。
黄昏に海が黄金色に染まってゆくのを見ながら、
某R氏の紹介で今宵の宿となる、越前町の旅館「浜善」に到着。
窓からそよそよ入る浜風が心地よい眠りを誘う。
(走行距離114km)
109■7月4日(水)晴れ
お世話になった若主人夫妻に見送られ宿を出発。
今日も暑くなりそうな空の下、越前海岸を南下する。
走り始めてすぐ、カニの直売所や民宿が並ぶ、
越前町のメインストリートに入る。
この沿線にコンビニなどあるわけないと思っていたが、
なんとローソンまであるではないか。
聞けば昨日オープンしたばかりだそうだ。
昨日に続いてダイナミックな海岸線を行く。
途中、河野で国道は山側に上って崖上を走るが、
わざわざ坂道を上ることもないだろうと、
そのまま海沿いに続く有料道路(自転車90円)へ進む。
敦賀市街に入ったのは、ちょうどお昼。もう暑さでヘトヘト。
ひとまずファミマで1リットルの水を一気飲みし、
浜善さんがお昼にと持たせてくれた、おにぎりを食べる。
敦賀郵便局で局留めで送っておいた、
ツーリングマップル(関西、中四国版)を受け取って、
涼しい所でゆっくり休憩しようと、近くのデパートに向かう。
道路脇の気温表示が35℃を指す、国道27号線をポタポタ進む。
途中、幾度も止まってはペットボトルを口にする。
「これじゃあバテるな」
今日は一体何リッター水を飲んだことか。
体は汗と埃でベトベト。
野宿する気になれず、小浜市で安宿を探して、
冷房を効かせた部屋に倒れ込む。
テレビのニュースで今日の福井県各地は、
この夏最高の暑さだったと伝えていた。
(走行99km)
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