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 ナマズが釣れた!

子どもらは何故かルアー釣りが好きである。私も中学生の頃、投げ釣りに夢中になっていたが、その頃は延べ竿よりもリール竿の方がカッコよく思っていた。投げ釣りよりも更にルアーはカッコいいのである。

土曜日、市川の水は少し落ち着いて澄んでいた。静かに川辺に近づくと、バスやライギョの姿が見える。こんな時、子どもらは細心の注意でもってルアーを投げ、魚の前を横切らせる。一瞬顔を向ける・・・無視。横を向く・・・無視。追いかける素振りを見せて立ち止まる・・・無視。一気に逃げられる・・・アチャチャ!そういった駆け引きもどうしようもなく面白いらしい。

足元に魚が見えなくなると、今度は少しキャストする。このエリアのどこかに魚は潜んでいるはずである。渓流魚と違い流れの芯には入っていない。

ま、たいていはノーヒットのことが多いのだが、たんまに「グググー・・・グィーン!」と来るのである。来ればけっこう大きいのである。

この日は長良がナマズをヒットさせた。私は慌ててビデオを取り出し、撮影した。太公が川際まで降りてゲットした。「市川ナマズ編その1」がようやく撮れたが、新米カメラマンはたびたび川の中で左右に泳ぎ回るナマズをフレームから外した。56センチの立派な大ナマズであった。


 市川にて

■遠い日、子どもの頃、秋になるとよく親父に連れられて市川でハゼ釣りをした。

日が暮れ始め「ぼちぼち帰ろか」と言われても、「もう1匹、もう1匹」とねばって竿を出していた。最初に持たされた竿は二間ほどの竹のゴンボ竿である。今でも大きなフルセ(ハゼの二年魚)がきた時のブルブルという手の感触を憶えている。

冬になると、市川や千種川で寒バエ釣りである。ほっといても飲み込むハゼと違い、唐辛子ウキのピクッというアタリを取らなければ掛らなかった。釣ったハエジャコは家でジャコ豆になった。これは見た目、少し苦手だった。

どうもこのハゼとハエジャコが私の魚釣りの原点のような気がする。

他にも春には家島に渡りアブラメを釣ったり、夏はベラ釣りをした。親父の投げ竿に太っといウナギや大きなワタリガニが掛ったこともあった。竿をぞんざいに扱い、穂先を折って怒られたこともある。また私の竿に大物が掛り、よう取り込まずに親父に竿を渡したことが二回ある。一つはチヌの夜釣りで、もう一つは釣堀できた大鯉である。

思い出すと何故かセピア色でしか思い出せない、親父との魚釣りの風景がある。

今、子どもらに魚釣りを教えるということは、単に技術的なことのみならず、魚釣りをともに楽しむということなのかも知れない。それは何がしらの感動を伴い、時が経つにつれ、そのまま父と子の遠い日の思い出になるような気がする。

■夏休み、よほどの事がない限り、晴れた日は夕方、子どもらと市川へルアーを振りに出かけた。何葉かの写真も撮れたが、そのほとんどがノーヒットの日々であった。しかし、子どもらは元気で、釣れても釣れなくてもおもしろがった。心豊かに、心を耕せ。


 太刀魚

今日は小学校の懇談会の日で、子どもらがいつもより早く帰ってきた。帰るなり、「とーと、どっか釣りに行こ」と言う。

「うーん・・・こん前サヨリは消えてもとったしなあ・・・」と私は迷った。そや、啓サや哲サがタチウオがよう釣れとんで言うとったなあ・・・。

「夕方、タチウオに行こか?ルアーやで」こんな話はまとまるのが早い。

ウナギのぶっ込みの竿とリールをそのまま転用して、ピンク色の大きなワームをジグヘッドに刺した。

タチウオのルアーは日暮れまでの1時間ほどの勝負になる。この日は長良に70センチの指三本サイズが一匹きた。太公にも「コン・コン・グーーー」というアタリがあったが、フッキングしなかった。

タチウオの歯は鋭い。ワームがボロボロになる。それもノコギリではなく、スパッとカッターナイフの切り口である。


 子ども実験室「タチウオの歯」

どんな歯をしとんやろと拡大してみた。
外側はほんまにカッターナイフみたいな鋭い刃がついている。
内側はモドリ状になっている。
お、お、恐るべし。

因みにこの小さなタチウオの歯で紙を切ってみると、
ほんまにスーッとカッターナイフを引いたみたいに切れる。
これではワームもハリスもひとたまりもない。
私も子どもらも目がテンになってしまった。


 雷魚伝説

今週は家庭訪問で子どもらの下校時間が早い。例によって「とーと、市川へ行こか」と言うてきた。「おう、ほな宿題済ませたら連れていっちゃる」と交換条件を出したら、素直にその条件を飲んだ。いつもダラダラ宿題をするくせに、こんな時は素早い。アハハ!

ルアーを振りはじめて間もなく、太公が「ヒット!とーと、ライギョや!」と叫んだ。ライギョは頭をクネクネさせて独特の引き方をする。太公が何回も寄せてきて空気を吸わせるが、ふだんでもライギョは空気呼吸をしているのでなかなか弱らない。

そのうちグダッと岸に横たわるようになったので、長良がタオルを手にして両手で掴んだ。でかい。62センチの不気味な奴である。鱗の模様から判断するとタイワンドジョウではなくカルムチーのようである。

帰りがけ太公が言うには、最初ライギョがワームの端を咥えたのが見えたんやけど、まだ鉤掛りせん思うて、そこで少し待っているとガブリと食い込んだらしい。フムフム・・・なかなかやりおるわい。知らんと間に子どもらのルアー釣りも上達しておるわい。アハハ!



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