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 親父の竹竿

父親の残した釣り道具の中に、使い込まれた竹竿が何本かある。なかには穂先が曲がったり、穂持ちが割れて糸を巻いて補修してあったりする。

私は秋になると、この竹竿を持って釣りに出かける。ハゼ、アイゴ、サヨリ・・・いずれも浮子釣りの数釣りである。たまには潮風に当てとこと思うので、こんな日は釣れても釣れなくてもよい。ま、竿の虫干しみたいなもんである。

日曜日、赤穂へサヨリ釣りに出かけた。子どもらに竹竿を持たすと、「重たい」と言う。私もそう思う。二間半までなら何とかなるが、三間になるとさすがに疲れる。しかし魚が掛かると、竹竿独特の曲がりとねばりで魚を寄せてくる。これは釣りをしていて楽しい。

「これはな、おじいちゃんの竿やで」
「おじいちゃんも魚釣り、好きやったんけ?」
「おう、おじいちゃんがおったらな、毎日でもおまんら釣りに連れて行っとんちゃうか」
「ほんまけ」

秋の一日、サヨリはたくさん釣れた。子どもらも喜び、竹竿も親父も喜んでいるような気がした。魚釣りをして過ごす父と子の時間は、ゆっくりと時代を越えて、父から子へ伝えられるようである。



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