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 ウの字

今日は網干の浜に夕涼みがてら子どもらとウナギ釣りに出かけた。エサはユムシである。先日のホタテウミヘビが釣れたポイントは敬遠して、少し離れた場所に釣り座を構える。夕方7時過ぎ、同じように4本の竿をチョイ投げしてアタリを待った。

今宵は7時37分が干底なのでほとんど期待薄であるが、「ま、台風でまとまった雨も降ったこっちゃし、ウナギも動くで、口も使うで」と釣師はいつも楽観的である。

3回ほど「リン・・・」「リン・・・」と単発的に鈴の鳴るアタリがあった。子どもらが食い入るように竿の穂先を見つめるが、そのあと何の変化もない。軽く誘ってみてもダメである。リールを巻くとユムシがずたずたに綻びていた。多分、カニの仕業である。

9時を過ぎ、太公が少し眠たくなってきた。「ぼちぼち帰ろか」と声を掛け、クーラー周りを片付けていたら、「リンリンリン!」と激しく鈴が鳴った。長良の竿である。

長良が竿を手に持つ間もなく、穂先がゴンゴンお辞儀している。「とーと、なんか来とう!」リールを巻きながら長良が叫ぶ。遅れて私と太公が懐中電灯片手に近づいた。

ラインの先を追い、海面を照らす。竿は大きく曲がっている。「落ち着けよ、焦るな焦るな」と長良に声を掛ける。

5mほど先に寄ってきて浮いた。「ありゃりゃ長いど」「ウナギかアナゴかウミヘビか?」水面近くで丸くなってのたうちまわっている。

十分にラインを巻いて短くして、長良が「そりゃあ!」と波止の上に放り上げた。私と太公が近寄り懐中電灯で照らした。「おっウナギや!」「ウミヘビちゃうんけ?」「いやこの顔はウナギや。間違いない」土用には少し遅れたが、今年念願の初ウナギである。

私は、小学校の頃、父親と市川の河口でハゼ釣りをしていた時に、置き竿に同じような大ウナギがきたことを思い出した。あれはハゼの新子にウナギが食らいついたんかも知れんな。そんな40年近い昔のことをいつまで経っても憶えているものである。

今夜も30分延長したが、柳の下の2匹目は出なかった。帰りの車の中で、長良は家に着くまで興奮して喋りまくり、太公は半分ふて寝してしまった。アハハ!


 雨のあと

雨のあと、活性が高こなるのはアマゴやイワナだけとは限らない。

夕方が干底やいうのに、今宵の揖保川は・・・

@まず太公の竿が「リンリンリン!」
チヌや、チヌや!あれ、キビレちゃうか?

Aその取り込みの最中に、横の竿が「リンリンリン!ポチャン!」
「おーい竿落ちたど〜!ヒェ〜!」
他の投げ竿でからまして取ったけど、くそっお、逃げられた。

B今度は長良の竿が「リンリンリン!」
これもキビレや!でっかい!

C太公の竿がガタンと吹っ飛んだ!
思わず近くにいた嫁はんが足で竿を押さえて、太公がしゃくったが、手ごたえなし。

D最後は長良の竿の赤い穂先ライトが微妙にコツコツ、コツコツ動いた。
ウ、ウ、ウナギや!本命のウナギや!

と日暮れから2時間ほどわいわい賑やかでした。

夏休みもあと十日ほど。存分に遊ぶがよろし。アハハ!


 一本の川

子どもらの心の中にもそれぞれ一本の川が流れている。例えばその川は「ギンタ川」と呼ぶ。近くを流れる用水路でギンタ(ギギ)を捕って以来、「放課後、ギンタ川へ行こか」を合言葉に友だちと約束をしてくる。

その一本の川のお話である。6月に入ってからウナギが気になって「とーと、ぼちぼちどないやろ?」と聞いてくる。「ほな潮まん見とくわ」と話していた。今宵の土曜日、夜9時の満潮である。「いっぺん行ってみよか」こんな話はまとまるのが早い。

夕方6時半、釣り場に着き、各自、思い思いのポイントに仕掛けを投入する。後はただ待つ。

明るい間に何回かコツコツと小さなアタリがあった。注意深く穂先を見つめるが、なかなか大きく食い込まない。そのうち餌のユムシが無くなっている。これはカニかフグの仕業である。

8時前、完全に日が暮れて、潮もザワザワ満ちてきた。何となく釣れそうな気配がする。最初、長良の竿にアタリがあった。竿を手持ちにして待っていると、「ググッ」と手ごたえがあった。すかさず合せたが素鉤を引く。「アナゴと違ちゃうか。大きなユムシをよう食い込まんのやで。鉤もセイゴの17号やし、もうちょっと待ってみぃな」とアドバイスする。

続いて太公の竿が「リン」と鳴った。とっさに太公が竿を持ち様子を伺う。「何んか食いよう」と言うが、さっきのことがあるので「まだまだ」と待った。何回目かのアタリで大きく合せた。竿が曲がった。「乗った!」と太公が叫ぶ。私はタモを取りに走った。戻ってくるとすでに魚は土手の上に放り上げてあった。懐中電灯で照らすと、やや小ぶりなキビレである。

写真を撮ろうとすると、今度は長良の竿の鈴が激しく鳴った。長良が飛んで行くと、竿ごと持って行かれそうになっていたので、即、合せた。竿が大きく曲がった。寄ってきたところを懐中電灯で照らす。波間に長い白い腹が見える。「ウナギかアナゴかホタテウミヘビか?何んや?」無事、タモ入れして改めて確認すると今期初の待望のウナギであった。仲良く並んで写真を撮る。

9時前、潮止まりである。携帯が鳴った。嫁はんから「明日球技大会やからぼちぼち帰っておいで」とメールがあった。満潮から下げの潮も狙いたかったが、納竿とした。

このウナギは66センチあった。子どもらの心の中を流れる一本の川に、今年もウナギが泳ぎはじめた。あーおもろかった。また行こで。


 ブラックタイガー

まだ明るいうちに、子どもらと揖保川の下流に入りました。餌はハゼ釣りの残りのブラックタイガー。夏に比して日暮れも早くなり、大きなお月さんも雲で隠れております。

エビの剥き身はカニが触るのか、単発的に鈴が「リン!」と鳴ったあと、いつの間にか餌が無くなっております。

6時過ぎ、太公の竿が「リンリン!」と鳴りました。手持ちにすると、もう1回「リンリンリン!」と鳴り、竿が大きくおじきしました。ここぞとばかりに太公が合わせをくらわしましたが、鉤にのりませんでした。餌がほんの少しだけ残っており、糸が走ったと言うのでキビレかも知れません。

7時前、小生の竿が「リンリン、リンリン」小刻みに鳴っています。飛んでいくと、しばらく間があって、また「リンリン・・・リンリン・・・」。大きく穂先が曲がったら合わせようと思いましたが、なかなか食い込みません。ハゼのフルセみたいな感じです。辛抱堪らず大きく合わせると、ゴンゴンという手ごたえ。後はもう必死でリールを巻いておりました。

子どもらが懐中電灯片手に寄ってきて海面を照らすと、二人して「とーと、ウナギや!」と叫びました。

海面で懐中電灯の明かりに浮かび上がったのはけっこうな型です。「よっしゃ!」と気合を入れて、糸を詰め、思い切って土手にぶり上げました。その時、ポキンと竿が折れてしまいました。一瞬、「アチャ」と思いましたが、土手のウナギは、子どもらが四本の手で無事押さえ込んでくれました。

今までで一番大きなぶっといウナギでした。家で測ると、75.2cm、780gありました。因みに折れた竿は、穂先が粗大ゴミのバスロッド、真ん中が折れた磯竿、手元がもらいものの船竿というヤケクソの竿でした。アハハ!

その後、長良の竿に32cmのセイゴが来ました。さらに1mはあるホタテウミヘビも掛かりました。こいつも最初ウナギかと思い、取り込みにわたわたしてしまい往生しました。

明日は学校なので8時過ぎに納竿としました。


 夕涼みがてら

我が家にはクーラーがない。いや正確に言えば、仕事場にはあるのだが三階の屋根裏部屋にはない。それを嫁はんや子どもらは「とーとだけ卑怯や」と言う。「ずるい」と非難する。私は一切耳を貸さない。アハハ!

而して夏は夕涼みを兼ねてウナギ釣りに出向くことに相成る。

まだ明るい間は「コツコツ・・・コツコツ・・・」と小刻みなアタリがあった。これは多分ハゼである。たとえフルセであっても何分大きなユムシは食い切れまい。

7時半を過ぎて長良の竿にようやく大きなアタリが出た。二度、三度、激しく鈴が鳴った。長良が置き竿を手持ちにかえて合せのタイミングを計っている。穂先が「グググー」とのめり込むように大きく曲がった所で合せた。上ってきたのは69センチの美味そうなウナギであった。

続いて太公の竿にもアタリが出た。先ほどのハゼのアタリのように小刻みにスズが鳴っている。しかし大きく食い込まない。太公が辛抱しきれず「もう合せるわ」と大きく竿をしゃくった。これは46センチのアナゴであった。

私の竿にはいっこうにアタリがない。子どもらはチョイ投げ、私は遠投。これが今晩の明暗を分けたのかも知れない。

潮がざわざわ満ちてきた。時計を見ると「おっ親父塾の夜間パトロールの時間や」と9時前に竿を置いた。夏は夕涼み、夕涼みはウナギ釣りに限る。



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