彩々日記 index
彩々日記

2003年2月(上旬)


2月1日(土)
sensorium

きょうはテレビが本放送を始めてから50年目の日ということで、NHKではほぼ1日じゅう特集番組を放送している。わが家に初めてテレビがやってきたのはたしか私が小学校中学年のころで、周りの家庭に比べると遅かった。父がテレビを好まなかったのだ。

ちなみに子どものころ見て印象に残っているテレビの画像といえば、東京オリンピック(1964年)の開会式と、アニメの『狼少年ケン』(1963〜1965年に放映)。この2つは友だちの家のテレビで見た。少し時代が下って、アポロ11号の月面着陸(1969年)と浅間山荘事件(1972年)。これらは自宅で見た。

それからそれから『未来への遺産』(1974〜1975年)。世界各地の人々の生活の様子や遺跡の映像を見て、世の中には日本とは文化や風景のまったく異なっている場所もあるのだということを知って、いつか行ってみたいなあと、わくわくしながら10代の私は見ていたらしい。音楽は武満徹氏。この番組はDVDにもなっているようだが、きょうオープンしたNHKアーカイブスの公開ライブラリーにもリストアップされている。……ついでに、このNHKアーカイブスのある場所は、私が幼少期から二十歳までを過ごしたところのすぐ近くで、1984年までここには関東地方にNHKラジオ放送等を送信する鉄塔があり、原風景の一つになっている。

『未来への遺産』という番組を見たことは、私にとっては後にアジア各地を旅したことのきっかけになっている。今、これだけ体や心が動かされる番組はどれほどあるのだろうかとふと思う。既にたくさんの情報で飽和状態になっている私たちの頭は、ちょっとやそっとのものでは動かされないということもあるかもしれない。テレビを見るよりもインターネットに接続している時間のほうが私は長いし、そのインターネットで見ているものも単なる情報の寄せ集めが多い。私が初めてインターネットに接続をしたのは1997年だった。その当時、心を動かされたサイトの管理人さんは、こちらのページに触発されてサイトを開いたのだと言っていた。1996年に作られて、もうしばらく更新されていないページだけれども、「sensoriumのテーマ」は、今読んでも考えさせられることが多い。(言うまでもなく私のサイトのありようなど、このような理念にはほど遠い…)



2月6日(木)
ウメ咲く/ウイルスメール

久しぶりに図書館まで歩く。ウメのピンクの花が咲いている。ジンチョウゲのつぼみは膨らみ始めている。キカラスウリの実は萎びて、しわしわになっている。草のまだ生えていない地面には、白いビニール袋や発泡スチロールばかりが目立つ気がする。

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今週に入ってから、2通のウイルスメールが来た。このあいだウイルスメールを受け取ったのはたしか1年ほど前なので、私にしてはとても珍しいことだ。ウイルスメールに慣れていないので(慣れたくはないが)、少々あせった。今回の2通のうち、1通は「VBS_REDLOF.A」というウイルスに感染したパソコンから送信されたもの。幸い、送信元のメールサーバーがウイルスを駆除してから届けてくれたので、私のパソコンへの感染はなかった。ホッとしていたところへやって来たのが「W32.Klez.H@mm」。こちらはNorton君がしっかりガードしてくれた。

「VBS_REDLOF.A」というウイルスは、調べてみたら、ホームページを作っている者が感染してしまうと厄介なウイルスでもあった(詳しくはこちら)。差出人がはっきり特定できるタイプのウイルスだったので、早速連絡。念のため、差出人のパソコンからウイルスが完全に駆除されたという知らせを聞いてから(再びウイルスメールを受け取りたくないので)、このページを更新。いろいろ情報を集めたりウイルススキャンを何度もかけたりして、少しナーバスだったか…。でもよい経験になったかも。



2月7日(金)
スウィング

渋谷で美術館と映画館のハシゴをする。

Bunkamuraのザ・ミュージアムで『メトロポリタン美術館展 ピカソとエコール・ド・パリ』を見る。春の色の絵が並ぶ。在日フランス人学校の、日本で言ったら小学校3、4年生ぐらいの生徒たちが先生に引率されて100人近くやってくる。会場にフランス語が飛び交う。ニューヨークのメトロポリタン美術館所蔵の「エコール・ド・パリ」の絵を東京の美術館でフランス人の少年少女が見ている。

それからシネマライズで『僕のスウィング』を見る。美術館で会った生徒たちと同じ国の、同い年くらいの少年マックスと、ロマの少女スウィングの、ひと夏のお話。フランス北部の夏の光と、主人公たちの姿がきらきらしている。全編に流れる音楽もまたよかった。映画のパンフレットによると、「マヌーシュ(*1)・スウィング」、または「ジプシー・スウィング」とか「ジャズ・マヌーシュ」と呼ばれ、スウィング・ジャズをジプシー的センスで解釈した音楽だという。ズン、チャッ、ズン、チャッのリズムに乗って奏でられる、軽妙で、ときには熱くて泥くさいチャボロ・シュミット(Tchavolo Schmitt)のギターを聞くと自然に体が動く。

【きょうのBGM】
『ミリ・ファミリア』チャボロ・シュミット
チャボロ・シュミットの演奏はこちら(サントラ盤)で試聴できます。

*1)マヌーシュ:フランス中部以北からベルギー、オランダなどに暮らすジプシーの通称。



2月10日(月)
ヨーグルトと、干し芋

朝食はいつもパンなのだけれども、昨日、ついうっかり食パンを買い忘れてしまった。こういうときにはまずホットケーキミックスを探すのだが、今朝はそれもあいにく切らしていた。お米はあるけれども、今からご飯を炊いていたのでは夫が遅刻してしまう。うーむ、困った。何かほかにパンの代わりになるものはないかと冷蔵庫を物色。野菜室に干し芋を発見。

早速トースターで炙って食卓へ。いつも食パンでそうしているように、プレーンヨーグルトと一緒に食べてみたら、これが意外に美味。ヨーグルトと干し芋のちょっと控えめな酸っぱさと甘さが互いによく引き出されて、酸っぱい、甘い、酸っぱい、甘いを何度でも繰り返したくなる。ちなみに干し芋は1月〜3月に一番多く出回るらしい。



2月12日(水)
ながら族の憂鬱

知っている人にとっては何を今さらなことだと思いますが、インターネットで配信されるラジオ放送というのを数日前から聞き始めました。音楽だけを流している放送局のを聞いています。たくさんの放送局があります。音楽好きにとってはたまりません(音質は悪いけど)。パソコンが置いてある仕事部屋にいるときはずっと流しっぱなしです。

残念ながら私の在宅仕事は、もともと音楽を聞きながらではできない仕事です。でもそれでよかったのかもしれません。好みの曲がかかると、つい神経がそちらに持っていかれてしまって、「ながら作業」は滞りがちになります。学生のころには深夜放送を聞きながら試験勉強をしたりしていたのに、最近は「ながら作業」が苦手になりつつあります。BGMを流しながら本を読むことはもうしばらく前からできません。……あ、「Django」がかかっています……きょうの日記はこれで終わりにします…。



2月14日(金)
3回目の春に

デンドロビュームの花がほぼ満開になった。白くて真ん中が濃い紫色のラン科の花。

いま花をつけている茎(バルブ)は、一昨年の春に発芽したものだ。デンドロビュームは、春に発芽して、その年の秋までが生長期で、それから冬の休止期、翌年春から夏の充実期を経て、2年目の秋に葉を落として開花の準備に入り、3年目の春に花を咲かせる。だから今年花をつけている茎には葉がほとんどない。花が終わった茎はすぐに枯れることはなく、体内の養分を少しずつほかの茎に送っているらしい。そして数年後にやせ細って黄ばんで枯れてゆく。

株分けをずっと怠ってきたので、径20cmの素焼きの鉢に生えている茎が200本近くにもなってしまった。咲いている花の数も200個くらい。ガラス越しの日に当たって、ほのかに香る。花がらを摘む。


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