きいたもんめも
2001/09
09/08 Sat
■『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・プレゼンツ オマーラ・ポルトゥオンド』
Bunkamura オーチャードホール
今年の2月、今回と同じ「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・プレゼンツ」のコンサートで、オマーラの歌を生で初めて聴いた。(ここに“めも”あり) そのときは、オマーラと同様に映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』に出演していたイブライム・フェレールやルベーン・ゴンサレスと一緒のコンサートだったので、それでもオマーラも4、5曲歌ったけれども、まだまだ聴き足りなくて、ソロ公演を聴きたいなあと、きょうの日を楽しみにしていたのだ。
舞台と客席の照明が暗くなって、いよいよコンサートが始まる。舞台の袖からオマーラが現われた途端、少しトリハダ。存在感ある。少し渋めのピンクのパンツスーツを着て、勢いよく舞台に現われるオマーラ。今回の来日では、8月26日の北海道を皮切りに全国8都市をまわり、明日の東京公演がツアー最終日。なのに疲れている様子は全然見えない。ちなみにオマーラは、1930年、ハバナ生まれだ。1曲目から踊りまくり、足を振り上げ、聴衆に手拍子を促し、相変わらず乗せるのがうまい。歌ももちろんうまいのだ。
1曲目はテンポの速い曲、2曲はスローな曲と、緩急交互に曲を進めて、4曲目に、CDではコンパイ・セグンドとデュオで歌っていた『ペインテ・アニョス』。曲の最後の音をすごーーく長くのばす。すごいなあ。5曲目で、客席に立つようにサイン(?)を送るオマーラ。早くも客席総立ち状態になってしまう。今回のバックバンドには、ギタリストが参加している。パンフレットによると、「トレスという乾いた音色が特徴的なキューバ独特な複弦3コースのギター」とある。見た目、普通のガットギター(フォークギター?)よりひと回り小さいような気もする。そのギターのソロが5曲目で入る。ご機嫌なソロだ。
「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・プレゼンツ」のコンサートでは、ラテン音楽ということもあってか、客席には年配の方も結構いらっしゃる。このままラストまで立っていたら大変だなあという思いが一瞬頭をよぎったけれども、杞憂であった。次のスローテンポの曲では、みんなお行儀よく座ったのでした。
7曲目は、トランペットをフィーチャーしたインストルメンタルの曲。ちょっとおちゃめなトランペット。でも、すごーい高音を出すというワザもある。8曲目でふたたびオマーラ登場。11曲目まで、間奏におなじみの「イパネマの娘」を挟んだり、オマーラがギターとフレーズのやりとりをするという遊び(?)もあり、ラストの11曲目へ。ふと気づくと客席の手拍子が16ビートだか8ビートだかのリズムを刻んでいる。ん? このような手拍子の打ち方をコンサートでするのは初めてだと思いながら、私もそのリズムを叩く。舞台をよく見たら、ホーンセクションの人がみんなしてそのような手拍子を打っていたのでした。バンドのみんなにソロを回して11曲目が終わり、プログラムは終了。
客席はみんな立ったままアンコールを催促する。ピアニストのロランド・マルセリオ・バロ・リベロとオマーラだけが舞台に現われる。12曲目のアンコール曲は、日本語で「さくら」をしっぽりと歌う。みんな立ったまま聴く。思いがけず、ちとじーんと来ちまっただ。あと2曲、ほかのバンドメンバーもすべて加わってアンコール曲を歌う。14曲目が終わってメンバー全員が舞台を去っても、客席ではさらにアンコールの拍手を続けたのだけれども、オマーラは舞台の袖から上半身だけ出して、さようなら、またね、と言うように手を振る。客席が明るくなって、コンサートはすべて終了。
今回のバンドもオマーラと一緒に来日したメンバーで、ホーンセクションの人たちが、自分が演奏していないときにも曲に合わせて踊ったりして、愛嬌たっぷりなところが2月のコンサートのときと同じ様子だったので、同じメンバーもかなりいるのかなと思ったのだけれども、パンフレットを照らし合わせてみたら、ベーシストのアレハンドロ・ファビアン・ガルシア・ロペスだけが、前回に引き続く来日メンバーだった。こういう楽しいステージのスタイルは、キューバ音楽の一つのパターンのようなものなのだろうか。あるいは「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ・プレゼンツ」のコンサート・スタイル?? バンドの編成は、ホーンセクション7人に、ボンゴ、コンガ、パーカッション、ピアノ、ギター、ベースの13人。トロンボーンの人がコンダクターを兼ねている。
オマーラは、昨年6月にCDをリリースしている。パンフレットによると、今回のコンサートは、そのCD全曲に何曲かプラスした選曲になっているらしい。私は実はオマーラのCDを聴いたことがないので、今回聴いた曲には知らないものが多かった。にもかかわらず、これだけコンサートで楽しめてしまうアーチストも珍しいと思う。もともとラテン系の音楽が好きなこともあるけど、オマーラを初め、バンドのメンバーみんなが、演奏もうまいし、聴衆を楽しませるのもうまいのだなと思う。
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