| 2002年 |
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5月5日(日) ■まったり山行、展望良好、昼寝つき(夜叉神峠〜高谷山) 3000m級の山を眺めにいく。標高1380mの「夜叉神峠登山口」(*1)まで、南アルプス林道を車で進む。ここから先、北岳の麓の広河原まで車が入れるのは6月中旬以降らしい(詳しくは要確認)。百数十台は収容すると思われる駐車場はほぼ満車。スパッツを履いて大きなリュックを背負っている人は、鳳凰三山(薬師岳、観音岳、地蔵岳)を縦走するのだろう。多くの人は私たちと同様に軽装で、鳳凰三山のずうっと手前の、夜叉神峠小屋(標高1770m)までを往復する山歩き。 朝、家を出るときには晴れていたのに、途中から雲が出始めて、中央高速道路の大月ジャンクションを越えて、笹子トンネルを抜けると、空一面に雲が広がってしまった。登山口もくもり。気温14度。展望は期待できないかもしれないと思いながら、8時半ごろ夜叉神峠を目指して歩き始める。 昨晩、雨が降ったのだろうか。林の中の登山道は湿り気がある。石ころがごろごろしている道を歩く。ニリンソウ、スミレ、ヤマブキ、たぶんヘビイチゴかキジムシロの一種の黄色い花などが群生している。茎の外皮の模様がマムシに似ているというマムシグサも数本。カラスビシャクなどのサトイモ科に多く見られる、へにゃりとしたかたちが面白い。そのへにゃりとしたものは、仏像の背中についている炎の形に似ていることから仏炎苞と言われていて、この中にこん棒状の花序をつけるという。仏炎苞は葉っぱなのだろうか。 しばらく歩くと林床にはササが多くなり、草花は見えなくなる。ガクアジサイに似ている白い花で、葉がしわしわなのは、たぶんムシカリという木(*2)。ある一帯の木の枝に、淡い灰緑色の藻のようなものがぶら下がっている。地面にもちぎれたものがたくさん落ちている。昨晩の雨風で吹き飛ばされたのだろうか。もじゃもじゃした少し大きめな毛糸玉のようなものをほどくと、15cmくらいの長さになった。湿り気を含んでいる。サルオガセ(*3)という地衣類の一種のようだ。 鳥もいろいろ鳴いている。ウグイスの鳴き声しか聞き分けられない。あまり聞いたことのない、ぴーーーー、ぴーーーーという甲高い鳴き声を聞く。今晩は麓の温泉宿に泊まるので、時間はたっぷりある。鳥の鳴き声を聞いたり花を見たりしながら、のんびり歩く。登山道の脇に、小さな石の祠(*4)を見る。 10時ごろ夜叉神峠(標高1770m)に着く。いつの間にか空が青くなっていた。峠小屋前の広場は西側が開けていて、白峰(しらね)三山(*5)がドンと姿を現す。頂上付近は雪をかぶっている。ここで昼食。その後、ふにゃーっと少し昼寝。陽射しがきつい。太陽に雲がかかるとほっとする。白峰三山の上がちょうど飛行機の定期便航路になっているのだろうか。30分に1本くらい長い飛行機雲を描いて飛んでいく。 12時に峠小屋前を出る。南に700mほど離れた高谷山(たかたにやま)へ行く。こちらの道は石ころがなくて、針葉樹の落ち葉などが積もる、ふかふかな道。30分くらいで高谷山頂上(標高1842m)に着く。峠小屋前とは違って、人がいなくて静か。虫の羽音が、ぶんぶん。頂上はそんなに広くない。わずかに開いた西側の木のあいだから、正面に北岳を眺めることができる。北のほうには甲斐駒ヶ岳も見える。ここは、まわりが木で囲まれていて日陰なのもうれしい。三等三角点の標識の上に、羽の縁がぼろぼろになった蝶がとまっている。羽の色は茶色で黒い点々がある。 13時に高谷山を出て、下山。群生している草花が、朝見たときよりも大きく開いている。14時20分、車を停めている登山口に着く。
【おぼえがき】
【参考資料】『アルペンガイド 10 北岳・甲斐駒・仙丈』山と渓谷社(1996年版)
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