みたもんめも
2001/04
04/20 Fri
■『近世絵画の草花(前期)』
三井文庫別館 2001/04/07−04/25(前期) 2001/04/28−05/27(後期)
ここのところ、続けて和ものの展覧会を観ている。春だからかな。今回も、『近世絵画の草花』という春らしいテーマの展覧会だ。前期と後期で展示替えがある。
原羊遊斎・作の『春秋野蒔絵引戸』(前期のみ展示)を見ることができたのはうれしい。下絵は酒井抱一だ。1m×1mぐらいの引戸2枚で、一つの絵になっている。裏と表に、それぞれ「春野図」と「秋野図」が蒔絵で描かれている。
今回、観ることができたのは、「春野図」の面のみだった。たくさん花をつけた桜の木の下に、タンポポ、スミレ、ツクシ、ワラビが、ほどよく楚々と配置されている。もう一面の「秋野図」は、写真で見ることができる。右上にラグビーボールを斜めに置いたような形の銀色の半月が浮かび、左から右に、ススキの穂が1本、弓形に伸びている。ススキの葉の上に乗っているのは、スズムシだろうか。その下にリンドウの花。根元には、長い触角を持つコオロギが描かれている。
この『春秋野蒔絵引戸』は、たしか一昨年の『羊遊斎展』では両面展示してあったと思って、そのときの出展目録をめくっていたら、「妙法寺」の文字が目に飛び込んできた。羊遊斎が24歳のときに描いて寄進した絵馬が、昨日行った妙法寺にあるらしい。
帰りがけに、売店で、図録『館蔵名品撰』を観る。安藤緑山(ろくざん)・作の『染象牙果菜置物』と、高瀬好山(こうざん)・作の『自在昆虫』に惹かれる。
『染象牙果菜置物』は、茄子、枝柿、無花果(いちじく)、蜜柑、仏手柑(ぶっしゅかん)を象牙で作って色づけしたもの。本物そっくりで、よくレストランの入口などにある料理サンプルを観るような面白さがある。どこにでもある果菜にまざって、あの仏手柑があるのが不思議。盆栽などでは、よく作られることがあったのだろうか。(下記・関連ホームページ参照)
『自在昆虫』の「自在」というのは、小動物の関節や羽根などが本物のように動く金工品のことをいうのだそうだ。こちらは形や色は本物そっくりではないけれども、カマキリの細い足とか、バッタの羽根の細い筋とか、金属に微細な加工が施されている。この作品を目の前にしたら、どのように動くのだろうと、思わず手にとってみたくなりそうだ。
三井文庫別館は、閑静な住宅街の中にある。作品を見おえて外に出ると、スズメの鳴き声にまざって、ウグイスのケキョケキョが聞こえてきた。
04/18 Wed
■『館蔵 香合 − 茶席の小さな玉手箱 −』
根津美術館 2001/03/24−2001/04/22
根津美術館所蔵のものを中心に、個人蔵も含めた計168点の香合と合子の展覧会。日本のものと中国のものがある。
「香合(こうごう)」は、お香を入れる蓋つきのうつわで、本来は香炉に添っていたもの。古くは正倉院に伝来する、奈良時代(8世紀)の法隆寺献納宝物、「塔鋺(とうまり)」がある。茶席では、炭を整えるときに焚く香を入れておくためのうつわとして炭道具のなかに組み込まれたり、床に飾られたりするという。
まん丸に近い球形の香合2つが、今回のお気に入りとなる。直径4cmほどの陶製の、白磁に青色の馬数匹が描かれている『染付馬絵香合』と、漆物で、独楽のように同心円的に渋めの赤や緑や黄色で色付けしてある『色漆独楽文香合』。ともに明時代のものらしい。
江戸時代の、狸や木兎(みみずく)のかたちのも、かわいらしい。とくに木兎は、テディベアに見えてしまう。
根津美術館の展示室は、天井が高いせいか、話し声が響く。おばさまたち(わたしもおばさんだけどさ)、元気がいいんだわ。中でも、陳列ケースの前で、世間話を続けるおばさま。どういう神経をしとるんじゃーと思う(わたしも気をつけなくちゃ)。……美術館の庭園を散策して、気を取り直してから帰りましたの。ほほほ。
【関連ホームページ】
根津美術館
塔鋺(東京国立博物館のページ)
04/06 Fri
■開館40周年記念展 『四季繚乱 −− 愛でる・歓ぶ・遊ぶ・装う −−』
サントリー美術館 2001/02/20−2001/04/08
「生活の中の美」をテーマに蒐集を続けているサントリー美術館が、開館40周年を記念して、日本美術の四季表現のさまざまを紹介する展覧会。江戸時代のものを中心に、絵画、漆器、陶磁器、ガラス器、衣装なとを出展。
江戸時代の櫛・簪(かんざし)・笄(こうがい=髷にさす棒状の飾り)をたくさん集めて展示しているのが、気に入る。漆、象牙、貝、鼈甲、銀など、さまざまな素材に、細工が施されている。小さくて美しいものに惹かれる。中でも漆のは好み。
もう一昨年になるけれども、五島美術館で「江戸琳派の蒔絵師 原羊遊斎」展を観て以来、漆の、特に香合が欲しくてしようがない。(笑)高いのよね。ホームページでながめるだけで我慢しとこ。でも、もしあこがれの沖縄に行くことができたら、そのときは記念に、琉球漆器の香合、ひとつ欲しいなー。
【関連ホームページ】
サントリー美術館
笑顔堂
琉球漆器 紅房[Bembo]
home □ □ □ □ ◆