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みたもん

2001/07


07/26 Thu
『時代の証人画家 ビュフェ追悼展』
小田急美術館 2001/07/04−07/29

ビュフェの絵は、半年ほど前にニューオータニ美術館で開催された『新世紀に伝える東西の美』展で、色鮮やかな花を描いた絵を見て、いいなあと思っていたので、この展覧会も楽しみだっだのだ。(ここの「みたもんめも」参照←クリック)今回は、静岡県にあるビュフェ美術館所蔵の絵を中心に、小田急美術館では約60点を展示。(図録を見たら、ほかの巡回先では出展数がもう少し多いところもあるみたい) パリからも、ビュフェの最後の作品となった「死」のシリーズ(1999年制作)のうち2点が出展されている。

ベルナール・ビュフェは1928年、パリに生まれる。今回出展された作品のうち、1940年代の絵は、その時代を反映してか、寒色系モノクロームのものが多い。1950年代になると少しずつ色が加わり始めて、1960年代になると鮮やかな暖色系の色がキャンバスの大部分を占める絵が現われる。ニューオータニ美術館で見て気に入った『花束』(1978年)のように、どちらかというとはっきりした色彩の絵のほうがよいなあと思う。花の絵は、モノクロームの『百合の花』(1955年)もいいなと思う。グレー系の色を基調とした絵で、丸いテーブルの上に置かれた首の長い花瓶に、白い百合の花が2本生けられている。

ビュフェは、1952年から毎年、テーマを決めて個展を開いていたのだそうだ。そのシリーズの一つなのかどうなのかはわからないけれども、1963年に制作された昆虫や鳥の標本をモチーフにした連作の中の1枚の『蝶』は、キャンパスいっぱいに、羽を広げた蝶が描かれている。足は割と写実的だけれども、羽の形は図案化されている。ビュフェ美術館HP(下記【関連ホームページ】参照)の「展示案内」のページには、同じく1963年に描かれた『赤い昆虫』(カミキリムシかな?)が紹介されている。これもキャンパスいっぱいに描かれていて、胴体の、黒で縁取りされた鮮明な赤が印象的。この連作、ほかにはどんな昆虫や鳥が描かれていたのだろう。ビュフェの絵には、不安な妄想を絵に描いた“狂女シリーズ”や、図録の言葉を借りれば“ネクロフィリア(死体愛好癖)的”な作品群など、特異なイメージの絵もあったことを、今回の展覧会を見て初めて知る。

♪小田急美術館での展示はもうすぐ終わり。この後の巡回予定美術館は、メナード美術館(愛知県小牧市)と福岡県立美術館。

【関連ホームページ】
ビュフェ美術館……ビュフェの初期から晩年の作品まで、約2000点を所蔵する美術館。


07/17 Tue
『メルツバッハー・コレクション展 色彩の歓び』
安田火災東郷青児美術館 2001/06/02−07/22

今回のお目当てはパウル・クレーの絵。7枚も出ていて喜ぶ。(単純) クレーの絵はもともとそんなに大きなものは多くない気がするけど、今回出展された絵も、一辺が30cm前後くらいの比較的小さなものだった。記号化されたモチーフで描かれた絵は、部屋に飾ってながめていても飽きないよなあと思う。大きさも、狭いわが家にちょうどいいし。(欲しい。笑)

メルツバッハー夫妻が集めた絵は、展覧会名のサブタイトルにもあるように、カラフルな絵が多い。中でも、カンディンスキーのきっぱり鮮やかな色づかいが一番しっくりくる。あの△や○や棒切れ(?)が飛びかっている抽象画になる前の、まだ何を描いているのかがわかる時代のカンディンスキーの絵だ。7枚もあって、うれし。青と黄色を基調にした『ボートの見える秋の風景』が特に気に入ったのだけれど、図録を見て、その色の再現性のなさにがっくりする。

色彩あふれる絵に囲まれて、色の地味さで目立っていたピカソの『二人(貧しき者たち)』もよかった。ややうつむき加減の男性が、テーブルに両ひじをついて座っている。その向こう側に女性が描かれている。彼女は男性の右肩に、左手をもたせかけている。全体の色のトーンは少し濃いめの鈍い青で、顔と手のひらの部分だけがベージュ。顔に日が差しているようにも見える。うつむき加減の男性は、何かを祈っているふうでもあるなあと思って観ていた。図録には、男性は、肩にかけられた女性の手首にキスをするために身をかがめていると書いてあった。静かな絵。

いろんな色鮮やかさを楽しむために、会場内を3往復ぐらいしてしまった。そうしながら何度も観ているうちによさを増してきたのが、フェルナン・レジェの2枚の絵。もともとレジェの絵も好きなのだけど、その落ち着いた色調と、形のリズム感みたいなものが、だんだん心地よくなってくる。ちょっと周りの色の洪水に溺れてしまったのだろうか。 

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