| 2002年3月 |
|
3月28日(木) ■キヨッソーネ東洋美術館所蔵 浮世絵展 三鷹市美術ギャラリー 2月21日−3月29日 三鷹市美術ギャラリーのサイトで紹介されているカラフルな浮世絵を見て、行きたいなあと思っていた展覧会へ、会期最終日の1日前にして、ようやく行くことができた。 エドアルド・キヨッソーネ(1833−1898)は、ジェノバ出身の銅版彫刻師。明治政府が各分野の近代化のために海外から招いた「お雇い外国人」の一人として、1875年(明治8年)に来日。当時の大蔵省紙幣寮で、欧州の最新の凹版彫刻や製版技術を伝える。16年に及ぶ官職期間中に、郵便切手、専売印紙、銀行券、証券、国債などの500あまりの版を彫る。銅版画家として、天皇や政府要人などの肖像画も制作した。今回の展覧会では、亡くなるまで24年間にわたって日本に滞在したキヨッソーネが収集し、現在、ジェノバ市立キヨッソーネ東洋美術館が所蔵する浮世絵コレクションの中から、肉筆画40点、版画110点(少し展示替えあり)を出展。 思ってた以上に、見ごたえのある展覧会だった。浮世絵を一度にたくさん見るのは初めてだし、写楽の作品も初めて見たんだったか…。係の人(?)の説明によると、写楽の版画は、背景の「雲母摺り」が特徴の一つらしい。そう言われて、背景の灰色の部分をよく見てみると、細かい粒子がキラキラ光っている。この反射して光っているのが雲母なのだろうか。
鳥文斎英之(ちょうぶんさい・えいし)の『善玉悪玉青楼遊興』は、座敷に太夫や芸者を呼んで、遊ぶ人々の図。『ゲゲゲの鬼太郎』の目玉おやじのような「豆人間」もたくさん描かれている。「豆人間」のまん丸の頭には「善」とか「悪」とか書いてあって、扇子を振って場を盛り上げたり、人にまとわりついたり、寝ころがったりと、描かれている人物の視線から外れたところで、勝手にいろいろなことをしているのが面白い。人と「豆人間」は別の次元にいて、「豆人間」から人は見えているけど、人から「豆人間」は見えていないように思える。 そのほか、たくさんの人物を描いている、風俗図と言ったらいいのだろうか。そのようなものが興味深く、細かい描写をすみずみまで眺めてしまった。遊廓や、お祭り、行楽地などに集まる人々の立ち居振る舞いを、一人一人見てゆく。生活用具なども、つぶさに見る。遠近法で描かれているお茶屋や横浜の大通り商店街(?)などは、部屋の奥のほうまで覗く。そんな見方をしていたら、予定していた時間の2倍くらい掛かってしまい、用事を一つ、し損なってしまったなり。浮世絵の軽やかさが好き。 三鷹市美術ギャラリーでの展示は3月29日で終了。この後の巡回先は仙台市博物館。
|