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痛みには半身浴が良く効く ―生還戦略 付録2― 私はいま、一日の大半を温熱時間に充てている。たとえば、半身浴に4-5時間、スマーティ(ドーム型遠赤外線健康器)に3時間、局所温熱治療器1時間というように。腹部リンパ節の腫瘍が活性化し、肥大化したために、半月ほど前から腰から腹部へかけての痛みがでている。その痛みが半身浴をすると即座に消える。4-5時間ものあいだ半身浴を続けることにしたのは、痛みが消えるからだけではない。半身浴をすると体調が良くなり、お湯の温度を40度弱の低温にしていると疲れも感じないからである。長湯の途中に、西式健康法にならってときどき冷水を浴びれば、気分もすっきりする。半身浴の時間を長くしたきっかけは、以下のような患者情報を目にしたことである。 「半身浴の最高記録は四日間まるまるお風呂の中。外に出るのはトイレに行くときと、おにぎりを食べたり、お茶を飲むぐらい。入っていないと痛みがくるんです。それこそお湯はヘドロがたまったぐらいドロドロになりました」(ガンの患者学研究所『いのちの田圃』第45号の「情報クリップ」) 子宮がんになり余命一年の宣告をうけつつも、冷えとり健康法の先生の勧めにしたがって手術せずに体温を高める療法を徹底的に実行したら、「一年後、ガン細胞はすっかり消えていた」という。 私は風呂好き人間、サウナ好き人間であり、体を温めると痛みが消えるという体験を重ねてきていたから、これでやることにした。 西洋医学の常識は、「がん患者よ、痛みを我慢するな」(『がん治療最前線』04年5月号特集)である。「がん性疼痛」は、身体的、精神的、社会的、心理的なマイナスの影響を与えるから「痛みをとることががん治療の第一歩」だという。「痛みの取り方の基本はWHOの三段階除痛ラダー」によればよい。「副作用は便秘と軽い吐き気、嘔吐だが、コントロールは容易だ」、日本人は、モルヒネから麻薬、麻薬中毒を連想するからドイツ人、フランス人の十分の一、アメリカ人の二十分の一(01年)程度しかモルヒネを代表とするオピオイド系鎮痛剤(脳、脊髄にある疼痛中枢に作用して疼痛を緩和する薬)を使っていない。モルヒネは薬剤耐性のおこりかたもゆるやかであり、増量すれば必ず効くので耐性について問題にするほどのことはない。モルヒネがいやなら「モルヒネに代るオピオイド製剤として期待されるオキシコンチン」でも良い、等々、と。 私は、2月22日に郡山にある南東北病院においてPET・CT検査を受けた。それは、1時間、仰向けに寝ての検査が必要であり、その途中から腰部と腹部に激痛が走った。一時間弱の休憩のあと、二度目20分の検査を受けるまえに念のために持参していた鎮痛剤ボルダレン(非オピオイド系、非ステロイド性抗炎症薬)25ミリグラムの座薬を使った。しかし、二度目の検査のときも10分もすると痛みがでたので、鎮痛剤として使うなら50ミリが必要だと思われた。この1年余のあいだで鎮痛剤を使ったのは、このときだけである。 痛みは1月下旬にはじまり、当初はガス腹になると痛むというものであったが、2月5日に手料理の芋菓子を食べてガス腹になったころから軽い痛みが日常化している。2月25日にPETCT検査についてクリニカET奥野院長から報告書をみせてもらった。そのときは痛みの原因は腹部リンパ節の腫瘍が異常に肥大していることにあるということであった。腹部リンパ節腫瘍の治療によって痛みがとれるまでのあいだ、坐薬より少量で効果がある飲み薬のボルダレンを使ったら、と奥野医師から勧められたが、使わないで済むものなら使いたくないからと薬を断った。3月3日に血管内治療を受けるまで坐薬も使わなかった。痛みを我慢しているわけではない。腰湯を中心とした温熱療法によって痛みを消すことに成功しているからである。 3月3日、血管内治療を受けた。PETCT映像では腹部リンパ節の腫瘍が肥大化していると見えた、造影剤を注入して映像を見ながら治療していくと、腹部の大きな腫瘍の塊は、リンパ節ではなく、肝臓の入り口部分(肝1と呼ばれている部位)にあり、肝臓内において新たに転移し、急速に肥大化した腫瘍だということがわかったとのことであった。肝臓の中央部から右腎臓の近くへかけて(肝6,7,8)にソフトボール大の腫瘍があり、新たに肝臓の入り口、すなわち肝臓へ栄養を運ぶ門脈付近に大きな腫瘍ができ、それが腰椎や大腸などを圧迫して、痛みや腹部膨満感などの原因になっているということであった。これについては、「生還戦略」の再構築のところで別に書くことにしよう。 半身浴やスマーティに入って体を温めると血流が良くなり、体調が良くなる。顔の血色も良くなり、がん患者と思わせるところはまったく消えうせる。 半身浴やスマーティでの温熱療法の効用はそれだけではない。発汗作用が活発になり、水循環が良くなる。「元気の水」(自家製還元水)を大量に飲み、便通を整えると、無臭ガスになり、これを乳酸菌と組み合わせることによって悪臭便から無臭便への改善をなしとげることもできる。すなわち腸管免疫力を高める鍵となる腸内環境を整え、腸内細菌叢を乳酸菌優位に改善するうえでも有益である。 それに加え、私の場合、半身浴の時間は新聞を読んだり、「10年日記」を書いたりする時間であり、闘病生活の日課に追われ始めてから、新聞を読む時間もないと困っていたが、半身浴の時間を使うと、確実に新聞を読むことができる。また、毎日、日記を書くこともできている。他方、スマーティでの温熱療法の時間は、ワープロ原稿を執筆する時間である。昨年の年末から、今年の正月へかけて、HPを更新するための原稿はその9割をスマーティの中で書いた。 私の温熱療法は、痛み対策を直接の目的としつつも、冷え性、低体温体質を改善することを視野に入れてのものである。 私がいま取り組んでいる体温を高める方法には、四通りある。@冷え性の根本原因だと思われる胃腸を強くする「民間薬」の飲用や、生姜などの体を温める食品の摂取量を増やす方法 Aヨーガの呼吸法など、身体運動によるもの B遠赤外線温熱器を使っての局所温熱 C半身浴、スマーティによる温熱、就寝時に湯たんぽ2個を使っての腹側と背中側からの保温、外出時のホッカイロによる腹部、仙骨、両肩甲骨の間の保温、等々の自然温熱療法である。 以上四つの方法のうち、@「民間薬」(ゲンノショウコ+ケツメイシ)による胃腸強化は、長期的な体質改善次元のものであって、即効性は弱い。家庭菜園でできた、新鮮で香りのよい生姜、人参などの根菜食の比重を高め、葛湯、梅生番茶などを飲む。食事療法は、体質改善につながるものである。Aヨーガの呼吸法は、身体と精神との両面における健康体づくりに、したがって体質改善にもつながると思う。それなりに体温上昇の即効性もある。だが、痛み止め効果という観点からここに即効性を求めるのは無理であろう。B枇杷の葉温灸(02年-03年)→ユーフォリアという器具を使った枇杷エキスでの遠赤外線局所温熱(04年)→三井式局所温熱器(04年12月以後)へと、より簡単に、自分でできるものであり、局所温熱でありながら、背骨から全身の体温上昇への期待や肝臓などの治療にも有効性が高そうだとの判断からの「転換」。局所の痛みにも有効だと推測しているが、まだ確かめることはできていない。 上記のうちいま最も力を入れているのがCの狭義の「自然温熱療法」であり、室内にいるときの半身浴とスマーティである。痛みをとる目的でスマーティにはいって体温をあげても痛みが止まらないことがある。寝る姿勢では腫瘍が腹部を圧迫するからかもしれない。だが、半身浴をすると確実に痛みが消える。 鎮痛剤による痛み緩和を避ける理由 尿管がんを手術した後は痛みがゼロだった。痛みがなかったので、術後の生活も到って快適なものであった。かなり強力な鎮痛剤が使われていたが、当時、その薬について聞いて記録することもしていなかった。モルヒネ系だろうと看護婦に聞いても、否定も肯定もしないという反応だったから、オキシコンチンやモルヒネなどが使われていたのであろう。手術直後に疼痛緩和のために強力なオピオイド系鎮痛剤を使われていたとしても、それに不満はない。 だが、いま私は鎮痛剤による痛み緩和を避け続けている。その理由は、軽い痛みは活性化している腫瘍からの信号だと受けとめて、この痛みと付き合うことが必要だと思うからである。しかし、私もQOLを悪くしてまで鎮痛剤使用をさけ、痛みからの「信号」キャッチをすべきだとは考えていない。 手術直後と、今とでは事情がまったく異なる。末期がん患者になっているいま、鎮痛剤を使い始めると薬には必ず耐性があり、より強いものを使わないと効かなくなる。西洋医学的な対症療法は、効果の強さ(光)に反比例して副作用(陰)が大きいという特徴がある。便秘、嘔吐、吐き気などの副作用があるということは、がん患者にとっては重大なことである。快食―快便―快眠が、健康の基本であり、便秘は腸内菌叢を悪くして、がん患者特有の悪臭便を招く。上記「特集号」では「『大腸刺激剤』(プルゼニド、ラキソベロン)を服用して対応するが、がん患者の便秘は薬だけで対応できるものではない。腹部のマッサージや温罨法などの充分な身体的ケアを併用することが重要だ」と書かれている。薬の副作用には別の薬を使う。それでも効かないことが多いから、腹部マッサージなどのケアを、というのだ。 私は、自然療法を基本にすえ、同じく痛みを緩和するとしても、その治療法が同時に免疫力を高める効果があるものを選ぶというようにしたい。西洋医学の対症療法には、そのような考えがなく、治療経験の蓄積もない。鎮痛剤が効かないときに「腹部マッサージのケア」を、という西洋医が現れたこと自体が目新しいという印象である。 無臭ガス、無臭便を目指して オピオイド系鎮痛剤の副作用として必ず便秘があると指摘されているので、ここに便秘について一言、追記しておこう。 「快食・快便・快眠」は、それぞれに重要であり、三拍子揃えることが必要だが、がん患者にとって快便は特有の意味がある。腸内菌叢を乳酸菌優位にして悪臭便から無臭便へと導いてゆくことができなければ、どれほど良い健康食品、サプリメント類を摂取しても、腸から吸収されないからである。栄養分が吸収されないだけではない。腸管免疫の機能が弱まり、インドール、スカドールなどの有害物質、発ガン物質が腸内に増え、肝臓が解毒機能に追われて弱まることになる。がんは腸から治せという言葉はこの意味では正しい。 私は、胃下垂であり、肝門部腫瘤や肝6,7,8部位の腫瘤が肥大化して大腸や腰椎を圧迫しており、そのために腸内の栄養物の流れも悪く、常にガス腹状態にある。 毎日の便通はあり、便通の後、ガスの悪臭は消える。だが、残便感があり、悪臭便になりやすい。04年10月末に危機を迎えたころ以後、ほぼ毎日、ゲルソン療法の「コーヒー浣腸」によって腸内環境を整えることにしている。02年に第770版を重ねる超ベストセラー、東条百合子著『家庭でできる自然療法(改訂版)』(あなたと健康社、発行元からの直売のみ)に「害のない浣腸の仕方」という囲み文章がある(206頁)。そこには酵素や葉緑素を入れると書かれているので、入れる材料は違うが、浣腸の要領は同じである。私は、コーヒーに酵素と葉緑素を加えている。コーヒーの場合は、刺激が強いためか、腸に液体が滞留する時間が短く、酵素を加えると、より長時間液体が腸に滞留したり、腸から吸収されたりすることになるようだ。残便感をゼロにすることは難しいが、腹を圧してみても、残便量がかなり少ないことを確認することができる。 浣腸すると、悪臭ガスは消える。だが、悪臭便を消すところまでは行かない。無臭便を目指して「免疫ミルク」などの高価なサプリメントを飲んだが、成功しなかった。3月初―中旬に、ガス腹の薬にと薬局で乳酸菌胃腸薬を買い、それと半身浴によって大量の汗をだし、水分を大量の「元気の水」を飲んで補給するという方法を結合させたところ、浣腸したときの便が完全に無臭になった。 体内温度の上昇が免疫力を大幅に上昇させることへの期待 私は、02年の6月、再発が分かった頃に「体内温度の上昇が免疫力を大幅に上昇させる」というホームページ記事(「がんの代替医療/治療情報検索術」)を読み、知識としては下記のことを知っていた。にもかかわらず、西洋医学的な温熱治療、すなわち、局所温熱治療器によってがんを殺す、西洋医学的な治療の方面に力を入れ、これまでこの知識を実質的に無視してきたことを反省している。「痛みには半身浴が良く効く」と題した本文を書くために、「体温とがん、免疫力との関係」について、ホームページで調べているうちに、再発直後から見ていた「がん体質を改善する代替療法」のホームページに再会した。私は02年このHPの管理者からスマーティを紹介されて購入し、その後使い続けている。しかし、継続的に体内温度を上昇させるような使い方はこれまでしてこなかった。 このHPに紹介されている体温と免疫力に関する諸「学説」を列挙すれば、以下のとおりである。私には、その多くが「思いっきりテレビ」などに紹介された「学説」紹介だということで軽視する傾向もあった。しかし、いま読み返すとき、非常に有益な知識が列挙されていることを再発見したので、要約して紹介する。 @体内温度( 腸の温度 )を、37度以上に上げないと、免疫細胞は、よく働かない。37度はないと、がんを食い殺す免疫細胞 ( NK細胞やマクロファージ などの細胞 )は、満足に働かない。(フジテレビ 「あるある大辞典」 の番組)。A 体内温度が、わずか1 度上がるだけで、免疫力は、37%もアップする。(「おもいっきりテレビ」) B体内温度が、僅か 0、3度低いだけで、内臓の機能は、25%低下する。(「 おもいっきりテレビ 」「 胃腸を冷やしたら免疫力は低下する 」説と、一致しています。) C細胞の温度が上がると、細胞自らが、がんを抑制する物質HSP70(熱ショックたんぱく質 )をつくりだし、がんを予防することが、わかった。(奈良県立医科大学 生物学教室 大西武雄教授) D 体内温度が35度だと、遺伝子が誤作動を起こす率が高くなって、がんが増殖する危険がある。(「 おもいっきり TV 」) E健康な人の胃腸の温度は、38度前後。 と言う学説。(「 おもいっきりテレビ」) |