V.V  1910年代(?) (ボヤージュ#11)

V.Vは、サンクロードの Simon Vuillard & Strauss (シモン ヴィヤール ストラウス) のブランド。この会社は1875年創立、と古いが当初から英国人オーナーであった。カドガン=オッペンハイマーだけがサンクロードの英国勢ではなかったようだ。

菱形にEPのマークは Electro Plating の略、すなわちニッケルメッキのバンドであるから打たれたホールマークはインチキだろう。

フレンチパイプでありながら全体的に英国パイプの佇まいである。オリフィックから10年代と推定するが MADE IN FRANCEと英語が刻まれるのも英国人所有の会社、英米輸出向けのパイプを匂わせる。通常これほど古いフレンチパイプにはフランス語が刻印されることが多いのである。 Briar Root ではなく Racine de Bruyere と言った風だ。

さて喫味はサンクロード製にしては珍しくイタリアンの生のようで、これほど古いと原料の木に雑味・アクがない。だがオリフィックの丸穴が大きすぎ、煙の入る量が過大である。

二段式のイングリッシュ・テノンにほぼ完壁な煙道コンセントリシティー、フランス人に近代ブライヤーパイプの造り方を教えたのはイギリス人であったのかもしれない。



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