| コモイ Old Bruyere 1933年 |
コモイの古いものを吸ってみたい、と思っていた。あのディスティンクティヴで押し出しの強いヘヴィーなコモイ味が、戦前の良い木ではどんな味を醸すのだろうか? というのがポイントである。 しかしコモイにおいては決定的な年代特定が案外よくわからず、Old Bruyere のようなグレードでも、ある年式を特定することは難しいようだ。 このパイプには “ 1933 Chicago ” という刻印が打たれている。なにかの記念で配ったパイプなのだろうか。ともあれ、これだけ年式の明確な固体であれば多少の難点には目をつぶることにして落札したのである。難点とはリペアによる後付けの銀巻きだ。 ホールマークもなく、STERLING とだけ打たれているのはほとんどの場合リペアと見て良いが、これもステムのクラック補修のために巻かれていることが確認できた。 さて味である。けっこう使用感があったのでアルコール燻蒸法でよく汚れを落としてから吸ってみた。重い。重すぎる。キュアリング過剰である。断続的であれ、ワンボウル吸い終えるのは難しく、途中で他のパイプを中継ぎで吸いたくなるほどだ。ラタキアメインの私の好みが裏目に出るパイプなのかもしれない。 かと言って断じて低級な味ではない。木のグレードが高いこともよくわかる。味の個性が出過ぎていて、そこにぴったりとはまるスモーカーには良いだろうが、おそらく多くのスモーカーには拒否反応のほうが大きいのではないか? 何本か吸った戦後のGuildhall などのほうがよほどあっさり(これと比べれば、だが)としていて吸いやすい。 コモイは頑固に自分の味を前面に出すメーカーだと痛感した。ダンヒルでさえここまで押し付けがましくはない。その意味では最も英国的なメーカーとも言える。凝った造りのトレード・マーク、俗に言う Three Part Inlay(三個の円を埋め込んで C の字を浮き上がらせる手法)や、独特のシェイプ感覚も捨て難い。特にブルドッグは英国勢の中では最も前衛的であり、「ヒゲが剃れる」とまで言われる角の立ったエッジが魅力的だ。 現在、常喫できるコモイを一本も持っていないのは痛恨の極みであり、今後もじっくり各年代、各グレードのComoy’s of London を狙っていく所存である。 以前にも書いたことだが、コモイは年代による木の優劣の影響をほとんど受けないことを再確認した。選択する年代の幅が大きく取れるのは気楽なことである。 |
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